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今年の9枚

コロナにより1年前には全く想像もしていなかった社会に生きる日常。音楽への向き合い方が変わったとまでは言わないが、一期一会感が強まったというか、聴くなら真剣に聴こうという切実さは強くなった。選んだ9枚は何度聴いても自分に力を与えてくれた。9枚の中での順位はなし、です。

(画像、上段から左から右に)

1 赤木りえ「魔法のフルート」
2 友部正人「あの橋を渡る」
3 ブルース・スプリングスティーン「レター・トゥ・ユー」
4 藤井風「ヘルプ・エヴァー・ハート・ネヴァー」
5 中山うり「11」
6 ザ・クロマニヨンズ「マッド・シェイクス」
7 ブラック・ピンク「ザ・アルバム」
8 ジョン・スコフィールド「スワロー・テイルズ」
9 ソウル・フラワー・ユニオン「ハビタブル・ゾーン」

ラリー・ハーロウがプロデュースで、70年代のNYサルサの熱狂が2020年に説得力を持って再現された濃い一枚①。亡くなった友人への想いをまっすぐ綴り、それが聴き手の胸にドスンと落ちる「一月一日午後一時(高橋さん)」という感動的な名曲を収めた②。スティーブ・スワロー曲集で、ECM初リーダー作で・・・、といういささか高尚な空気を読みつつそれをクリアしたのち、ブルースの素っ頓狂なところと生々しい色気をぶちこむジョンスコがかっこいい⑧(そしてビル・スチュワートのドラムは、これぞジャズのドラムって感じ。気持ちいい)。

俺はロックを何でこんなに必要とするのかという根源的な問いが突き付けられつつ、いやそんなことはどうでもいいわロックで高揚してこぶしを握って立ち上がるこの瞬間が最高じゃねーかと、30年前の中学生の気持ちがおっさんの胸の中に再燃する、感慨と興奮が共存した③⑥⑨。

とは言っても、若い人の勢いや瑞々しさには敵わないなと思うのと同時に、その音楽から聞える職人的なところにおっさんも満足できるところ多いな有難いな、そして歴史大事だなと思いグッときた④⑦。そして、この2枚聴いて、音楽における言葉の響きってめちゃくちゃ重要なんだなって、あらためて分かった。

戦前ジャズやアメリカーナやブリティッシュ・トラッドなど、サウンドが好みど真ん中、そして圧倒的に歌に心が包まれる中山うり⑤が、あえて言えば今年のベストかな?とも思う。今までちゃんと聴いてなかったけど、いきなりピンとくるってリアルな感じは大事ですね。

コロナほんと最悪ですが、来年はリモートじゃなく、音楽についてあーだこーだ話しましょう!それが一番すっきりして癒される感じします。

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