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#60 太陽の中の対決(1967)

先住民に育てられた白人ジョンは馬を買いに行く旅の途中で、公金を横領した博士と同じ駅馬車に乗り合わせたために強盗に襲われる……。

ポール・ニューマンの主演の中でも地味な扱いの作品。しかしハッドと同様マーティン・リットが監督しており、ある問いを投げかける。

序盤は静かな西部劇。
強盗襲われる中盤以降は敵が強く、炎天下の砂漠の中、水が重要になるサバイバル逃亡劇。
終盤は小屋での籠城戦。

ここでの会話が奥深い。

人質をとられ、その人物はかつて金を横領して先住民を飢えさせた博士の奥さん。放っておくと炎天下で干からびる。ジョンは助ける理由はないと断る。周りは「誰かを助けるか選ぶなんて傲慢。助けるに値する人だけ助けてたら世界はとうに滅んでる」と説く。そっちのルールと流せる中、ジョンが選択するのは?

初回だと見落としていた点で、この西部劇は当時激化するベトナム戦争の最中に発表された映画で、あの結末は愛・平和・反戦を戦地ではなくアメリカで叫ぶ人々に警鐘を鳴らしていたのでは?と思うのは捻りすぎか。
たまたまハンバーガー・ヒルを見返して本作の終盤とリンクした。

自己犠牲とは?

余談でタランティーノがヘイトフル・エイトの前に予習してねと言った5作品の1本だった。
(eiga.com/news/20160221/…)
フィルマークスのレビューは少なめ。配信ないしな…。
吹替え付きBlu-rayをこの時出すべきだった。ディズニーFOXどうするの?(何様)

この本でもあまり語られなかった不遇な佳作。


原作

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