コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2019/10/1)

WeWork、米ナスダック上場計画を撤回「将来へ再検討」

【記事の注目ポイント】シェアオフィス大手のウィーカンパニーは30日、8月中旬に米証券取引委員会(SEC)に提出していた上場申請に関する書類を取り下げると発表。米株式市場への上場にはなお意欲を示しつつも、時期は明示していないとのこと。年内を目指していた上場も厳しい見通しとなっていると報じた。

【一言コメント】先日創業者のアダムニューマンが事実上CEOを解任されたが、CEO交代だけでは想定していたIPO規模に届かないとみて無期限で上場を見直したものと考えられる。様々に報じられているように、そもそもWeWorkの上場後の事業成長ストーリー自体に疑問符がついていることや(恐らく)前CEOの言動以外のガバナンス上のリスクが顕在化しているなどが考えられる。WeWorkという一企業だけの問題だけではなく、ソフトバンクGのビジョンファンドにも大きな影響があるIPO案件だけに、今後の動向が注目される


日産CEO候補に浮上 サントリー新浪剛史氏の電撃就任あるか

【記事の注目ポイント】日産の後任CEO候補者の1名としてサントリー新浪剛史CEOの名前が報じられた。昨年4月の文藝春秋の記事でも「新浪氏が就活中?」と題して、ダボス会議で同氏が積極的に自らを売り込む姿を報じている。 また、新浪をよく知る人物は、「彼の性格からして、(日産の経営を)しかるべき筋から頼まれたら、やるかもしれない」と話しているとのこと

【一言コメント】先日同様の報道があった際の一言コメントでは、新浪氏の日産CEO候補の報道は、指名委員会が他の候補者(日産側・ルノー側のそれぞれ推す人物)とバランスを取るためにあえて外部候補者の1名として名前を挙げたのではないかと書いた。その考えは現在も変わらないが、一方で新浪サントリーCEOが次を探して動き出しているという可能性はあるのかもしれない。記事内でも触れているように、サントリーCEOの就任の経緯や後任へのバトンタッチを考えると、新浪氏自身もご自身があくまで「ワンポイントリリーフ」のCEOであることは十分理解されていると思う。ちょうど5年前の2014年10月にサントリーCEOに就任されて以降、特に大きな実績を残したという訳ではなく、ご自身の年齢(現在60歳)を考えても、経営者として新天地を目指すのは不思議ではない


パイオニア 外資系ファンドによる経営再建が本格化 カンパニー制導入とプロ経営者が社外取締役に就任

【記事の注目ポイント】パイオニアは、10月1日より組織体制を見直し、顧客の特性に沿った商品やサービスを提供するため、社内カンパニー制を導入することを発表した。同時に、RIZAPの前取締役であり、カルビーの社長を務めた松本晃氏が社外取締役に就任したことも発表した。パイオニアは、2018年にアジアの投資ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの傘下に入り、経営再建中である

【一言コメント】着々とファンド主導型のガバナンス体制が確立されつつある状況であり、今回のカンパニー制導入や松本氏の社外取締役就任もその一環だろう。ファンド主導でガバナンスを強化し、経営管理を見直すことで、収益性を高めていくという王道の再建プロセスが進むことになるが、肝心の同社の事業成長の兆しはまだ見えず、今後は早い段階での収益改善が期待される

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