公金を支出する事業と管理レベルの考察?

前提として
実務上の責任のある人の発した内容は重要だと思います。公の支配に属しない事業=公金を出してはいけない。

昭和二十四年二月に出された法務府法務調査意見長官見解では、「憲法第八十九条にいう『公の支配』に属しない事業とは、国または地方公共団体の機関がこれに対して決定的な支配力をもたない事業を意味」し、その事業の「構成、人事、内容および財務等について、公の機関から具体的に発言、指導、または検証されることなく事業者が自らこれを行うものをいう」

昭和24年2月11日法務庁調査2発8号法務調査意見長官回答



増え続ける公務員の業務量と範囲

「政治家や様々な人達が叫ぶ良い事」を実現する為の予算配分で増え続ける公務員の仕事量を考えているのか?と疑問があります。

管理上の用語としてスパン・オブ・コントロールと言うものがあります。これは管理者が業務遂行する上で管理ができる部下の人数と業務範囲を指します。

例えば、100人の直属の部下なんて見きれませんから、組織は階層構造になる訳です。
個人で完結できない業務を外注委託等を含めて業務遂行をする末端の公務員は外注・委託先を支配する必要があるので一般的な管理職と同等といえます。
予算規模と管理対象業務領域と対象となる業者は管理できる範囲になっているのでしょうか?

集票に繋がる弱者救済的な良さそうな事などを起点に増え続ける法律と業務量に加えて、議員からの「問い合わせ」から逃げられないなど、公務員の管理対象となる事業・事業者数はどうなっているのでしょうか?「問い合わせ」で杜撰な管理にして楽になる事もあるかもしれませんが、こんな報告書(以下)が上がってくるようです。

こんな報告書をスルーしてしまうくらい大変!
https://x.com/nobuhik47696811/status/1756332423313600750

一般企業でも新たな規制対応で四苦八苦する事は良くありますが、上の画像にあるような報告書が上がってくる制御不能な監理で公金が支出されています。破綻してますよね。スパン・オブ・コントロール(管理限界)を超えていると思われます。

とある民法改正では、「家庭裁判所の抜本的な人的・物的体制の整備が不可欠」と家裁の人員やリソースを考えていない!と言う弁護士の真摯な意見も散見することかできました。

Xで見つけたとある弁護士のポストより抜粋

まさにその通りだと思いますが、そこから足りないリソースを民間活用でNPO等の民間を頼って〜そこに公金を出せと言うのが最近の流れでもあります。それでも公の支配は必須です。

公金の事業支出には前述の通り憲法上の制限があります。第八十九条が宗教だけに適用されると誤解している人も居ると思うので、ここまでの再確認として再掲します。

憲法第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION

昭和二十四年二月に出された法務府法務調査意見局長官見解では、「憲法第八十九条にいう『公の支配』に属しない事業とは、国または地方公共団体の機関がこれに対して決定的な支配力をもたない事業を意味」し、その事業の「構成、人事、内容および財務等について、公の機関から具体的に発言、指導、または検証されることなく事業者が自らこれを行うものをいう」

昭和24年2月11日法務庁調査2発8号法務調査意見長官回答

公金を出す側として公務員が管理しないと憲法違反なのではないでしょうか?
発言も含まれるので文書が全てでは無いです。

ひとつの例として
特定非営利活動促進法の目的では「自由」なと言うことが明記されています。

第一条 この法律は、…
ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする。…

細かな解釈はしませんが、「自由な社会貢献活動で内容が検証されない事業」に公金を出す事はできないです。

公金の支出対象とならない慈善、教育若しくは博愛の事業は「その事業の「構成、人事、内容および財務等について、公の機関から具体的に発言、指導、または検証されることなく事業者が自らこれを行うものをいう」」と言う部分には要注意だと思います。

公金を受領する上では自由の範囲を公が決める不自由があるとも読めます。


管理者に相当する立場になる末端公務員のスパン・オブ・コントロール

公金を受け取ると言う事は憲法で定められた公の支配の下になくてはならないと言う前提に立つと、公の支配として、公の指示・指導があった場合には自らが決める事は許されないとすると、公務員の管理工数は跳ね上がります。

予算が増えたり事業がどんどん増える現状の公務員は大変だと思います。限られたリソースで自組織外の管理までも実行するには不備も発生する事はあるでしょう。

できない事を伝えるのも重要です。予算化するから責任が伴いますし政治家の人気取りに利用されるのはやめませんか?などと思ってしまいます。
部下なしの担当者であっても事業予算の執行で担当者となれば管理者ですし、外部に支払いが存在した時点で実務を実行可能なスパン・オブ・コントロール内に収める必要があります。鉛筆やノートなどの物品を買うのではありません。

スパン・オブ・コントロール(管理限界)を超えた業務はできないのです。デモをする団体の管理、デモと公の支配はどのように整合するのか法務局に聞きたいとも思うレベルの大変さでしょう。

福祉現場の就労環境は改善されても
こんなグラフを作成・承認する東京都福祉局は大変そう
〇〇スパイラル

事業として明確に区分して、会計報告とは異なる考えの経費費目の重複がない管理?は分かりません。(住民訴訟の経過より)

https://note.com/hima_kuuhaku/n/nc53737f937ee

東京都として、事業を明確に区分して「対象となった経費は重複していない」

会計上の扱いと帳簿は異なる例示①
8000円の食事は接待費とは言ってません
会計上の扱いと帳簿は異なる例示②
ユニクロやGUのマフラーの件とは言ってません

補助参加人の主張としては、経費費目の範囲は全く同じというわけではなく、金額も必ずしも一致しない


末端公務員はもう無理をしないでも良いのではないか?と思う
異なる解釈の経費項目を重複しないように管理

東京都の主張
事業として明確に区分している
経費は重複していない

補助参加人の主張
会計報告とは異なる考えの実施報告と経費費目である

どのように異なる解釈の経費項目を重複しないように管理するのか?は分かりません。区分されていると言う主張から裁判の進捗が、とてもとても気になります。

委託事業や補助金の対象事業範囲だけが公金支出の対象だとしても、事業の管理簿?程度で全体から人的リソースや物的リソースが完全な独立を実現した明確な切り出し(異なる法人格)がされない限りは「構成、人事、内容および財務等について、公の機関から具体的に発言、指導、または検証」する事は出来ません。
事業に関する帳簿類等が他の事業との完全な独立性を保持していることを証明するよりも、全体の帳簿類等と事業の帳簿類等の両方ともを見る方が現実的です。

蛇足ですが、公金と確定出来るか微妙な他人の財産権を行政が行使?する場合でも情報公開は求められています。

休眠預金活用事業の募集要項より抜粋

画像引用元のnote


参考動画を追加しておきます


そのような公の支配における支出と承認の妥当性を検証したのが監査であり、その内容が記録されているのが調書です。
見てみたいです。