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【若手リーダー×社長対談】品管には社長と同等の権利がある!?

品質管理課の仕事や雰囲気をもっと知ってもらうために、増永社長と品管のメンバーたちとの座談会を企画しました! 登場してもらったのは増永社長と本特集でも取材させてもらった藤村係長、一昨年に途中入社でGOWに加わった齋藤さんです。

――まずは社長にうかがいます。GOWの品質管理課は、グループ全体をつなぐハブのような機能を持っていることが特徴です。加工部門からスタートしたGOWですが、品質管理のセクションはいつ頃から独立した部隊になったのでしょうか。

社長 品質管理の部署を作ったのは最初からですね。当時としてはかなり人数を多くかけたと思います。同じくらいの規模の会社では、品質管理の担当は1人くらいしかいませんでしたから。
そこには僕なりの考え方があります。品質管理って一般的には「裏方」だと思われていますよね。僕は本来、品管がリード役になってすべての部門を動かすのが理想だと思っているんです。本来ならば品管は社長の私と同じ権限を持つべきです。組織図上は一応、僕が「OK」と言っても品管のトップが「NO」と言ったら出荷できないという取り付けにしています。
ただ、当初から志は高いのですが、やることが多岐に渡っているのと会社の成長スピードが速いのもあって、部署の人たちはずっと模索しながらやっている状態だと思います。鹿児島水産は遅れてグループにジョインしただけに要求事項がたくさんあって大変でしょう。ASC認証を取得するなどパイオニア的な動きもしているだけに、苦労も多いだろうなと。
理想とする「品管」像に至るには、まだ時間がかかりますね。僕自身、実質的に「社長と同等の権限」というところに行き着くだけの気配りができていないと感じます。品質管理課のトップって絶対取締役にはいなければいけないと思ってるんですけど……。もっとスピード感をもって取り組む必要がありますね。

大切なのは現場主義

――それでは品質管理課のお二人に聞きしましょう。ASC認証などで重要性が高まっていることと思いますが、品質管理の仕事に対するイメージや働いていてやりがいを感じる瞬間を教えてください。


藤村 やりがいを感じる時はたくさんありますが、お客様から魚をご評価いただけた時が一番ですね。私たちが出荷すれば「鹿児島水産の魚」としてお客様のところに届きます。ですから、ポジティブなものもネガティブなものも、お客様からの評価が全部そのまま品質管理の評価だと思っています。

仕事を進める上で大切にしているのは、現場に出ることです。机に座ってパソコンのモニターに出てくる数字を見ているだけだったら、それはもう私の中では品質管理とは呼べないです。現場でなければ分からないことがたくさんありますから。最初生け簀に入れる稚魚はちょうど指先くらいのサイズしかありません。それが1、2年後の出荷時に見たら、「わー、こんなにでっかくなったんだ!」と。データとして見るだけでは感じられないインパクトがあります。何よりも、現場に行くと漁場の方々が日々愛情をこめて、手間暇かけて魚を育てていることが分かります。そこはやっぱり現場に行かないと実感できない部分です。

齋藤 私の場合、書類関係の整理や工場とのやりとりが主な業務になります。品質管理課のメンバーは、すべての部署の仕事を理解しなければいけないっていうイメージをもっています。現場の方々からいろいろな依頼をもらいますが、その際にきちんとコミュニケーションをとるためには、こちらが現場の専門的な言葉を理解しておく必要があると思っています。グループ内のあらゆる人たちとの関わりをいかに増やしていけるかが重要ではないでしょうか。まずは現場の方々との関係性づくりが大事です。一日2回、3回と工場や作業現場に足を運ぶようにしています。とはいえまだ社歴1年半なので、知識がないぶん、足で稼がなければという感じです。

――それぞれに思い描いている姿があるのですね。

藤村 入社して7年ぐらい経ちますが、入った当初からずっと「品質管理とは?」という問いが私の頭の中を巡っています(笑)。品質管理の役割をざっくり言えば、三つの要求に応えることだと考えています。第一は、持続可能性を求める世界的な潮流です。この点についてはやはりASCの基準に則って養殖業を続けていくということが大きいです。第二はお客さんの要望、第三は社内の生産・営業目標です。お客さんを満足させるクオリティを維持するのは当然ですし、営業的には「この時期に、このサイズの魚を売りたい」という目標があります。これらに対して鹿児島水産としてどうコミットできるか。そこを考えるのが重要な役割だと考えています。

トレーサビリティーの確保というのはあくまで後付けだと思っています。要求に対して自分たちがどう率先して動いていくか、ということが重要です。品質管理の仕事は、最終的には「PDCAを回す」ということに行き着きます。今あるものを続けることは可能だけれども、それ以上を目指してどう改善すればいいか。PDCAサイクルを回してそこをチェックするのが、品質管理課に求められている役割だと思っています。

齋藤 藤村さんのお話はいつもすごいなと思って聞いています(笑)。商品を作ってくれている工場の皆さん、鹿児島水産の方々が安心して仕事ができる環境を作るのが、品質管理課における私の役目かなと思っています。今そこに向けて勉強してるところです。

品管の質が会社全体の質につながる

社長 今聞いててもタイプの違いがありますね(笑)。お二人の言うことはそれぞれ正解で、タイプが異なる方たちが集まって良いチームになっているんだろうなと感じました。藤村さんはまさに経営者タイプなんですね。斎藤さんは支えるタイプっていうか、とても優秀な縁の下の力持ち。どちらも頼もしい。話を聞くにつけ思うのは、まだまだ品質管理課が正当に評価されていないということ。もう少し会社の評価基準もしっかりしなければと思いました。

僕も直談判を受けたことがあります。「品管にはあんなに人がいるんですか? 工場は人が足りないんですけど」ってね。でも、逆なんです。品質管理はまだまだ人を増やさないといけない。この仕事に終わりはないし、この部門を強化すればするほど会社の質に直結しますからね。製品の品質管理、人の品質管理。向上させるべきものはたくさんあります。それらの足し算、掛け算で、会社の質は変わってくるでしょう。だからすごくリスクがあるし、同時に大事なポジションでもある。こんなに重要な仕事にもかかわらず、まだ社内外から正当に評価されていない。僕自身も正当に評価しきれていないのかもしれない。もっと僕自身の認識も変えていきたいと思います。他の加工場を見れば一目瞭然ですが、うちの会社と同じレベルの品質管理はできていないですから。各認証を作る際の書類のレベルを見ても段違いだと思っています。

他部門とのキャッチボールを増やしたい

――社長から大いに期待されていることが伝わってきましたが(笑)、品管のお二人から見て、他の部署の人たちにお願いしたいこと、、ここらへんを協力してほしいなと思う点はありますか。

藤村 強いて言えば、鹿児島水産自体一つの会社ではあるのですが、「魚を出して終わり」という雰囲気がまだ残っているように感じます。加工から販売まで一貫して担うGOWグループの特色をもう少し考えてもらえたら嬉しいです。「生産現場の自分たちはこうしたい。それに合わせて他のみんなはこう動いてほしい」というような意見を鹿児島水産から出してもらいたいです。「待ち」の姿勢ではなく、「攻め」の姿勢での提案と言うのでしょうか。「川上」に位置する鹿児島水産から意見を出してもらえれば、加工や営業など「川下」の部門が活発化するかなと思います。でもそのためには、「川下」の側から世界的潮流や顧客のニーズをきちんと伝えなければいけません。双方向からの意見の出し合い、キャッチボールが増えれば、さらにいい結果が生まれると思うんです。

齋藤 会社の売り上げであったりとか、経費だったりとか、要は会社のお金の動きを社員が知っておく必要があると思っています。例えば私の職場には20代になったばかりの若手たちがいますが、彼らは自分たちの頑張りがどれだけ会社の売り上げにつながっているのかをよく分かっていません。中堅としては「あなたたちが一生懸命頑張ったおかげでこれだけ売り上げが上がったんだよ」っていう話をしてあげたいなと思っています。もう一つは、消耗品や備品をもっと大事に使ってほしいという思いがあります。経費削減の意識を持ってほしいです。コピー用紙をなるべく使わないようにする。ボールペンを大事に使う。小さなことなんですけど、そういう積み重ねが大切です。

――そろそろ時間が来てしまいましたので、皆さん最後に一言お願いします。

社長 品管はうちの顔です。自慢できる部署ですし、いろんな審査員の先生、FDAが来ようが、どこが来ようが、「すべてにおいてトップクラスだ」と言っていただける自信があります。やってる本人たちは「不十分」と感じている部分があると思いますが、真剣に、ごまかさず、やってくれていると思います。このまま一日一日積み重ねてくれれば理想の形になれると思います。あとは経営陣が見方をどれくらい変えられるかですね。

藤村 経営のトップである社長とこんなに近くで意見交換できる会社は日本中探してもなかなかないと思います。今日みたいな意見交換ができれば、本当に強い会社、強いチームができるんじゃないかなと思いました。


齋藤 実は私、面接の時に社長から、「仕事に対する思いが軽いのではないか」と言われました。その言葉をいつも考えながら仕事をしています。いつか社長の問いかけに仕事でお返ししたいなと思っています。

社長 そんなこと言いましたか? でもね。斎藤さんは最近明らかに印象が変わりましたよ。だからいつも思うんです。自分は見る目が無いなあと。私の目が節穴(笑)。

藤村 私は社長と面接で話した時、お酒の話ばっかりでした。「私は焼酎が好きです」と話したら、社長はそうでもなくて、「これはまずいかな」と(笑)。

社長 まだ僕のことを分かってないな。最近は焼酎も飲むんだぞ(笑)。


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