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さわやか駅の用心棒達

はじめに
これは私が体験した市民の目線からの防犯パトロールの日誌である。
毎月、15~16日、毎日5時間 首都圏私鉄さわやか駅北口付近にて、立ちづくめ、歩きづくめで過ごすのは、正直なところ、足腰に負担がかかり、辛かった。しかし、回を重ねるたびに、それは苦痛から快楽の5時間へと徐々に変わって行った。



日誌1

平成27年4月1日、水曜日、遅番、11:30~16:30、 晴れ。雨が降らずに良かったね。


昨日の陽気のお蔭で、荒屋敷公園のソメイヨシノが一斉に満開となり、花見に来ていた日本人とは思えない女性から手持ちのタブレット型デジカメで、桜花を背景とした自画像撮影を頼まれた。
あまりにも、日本語が上手なので、日本に来て、何年かと訊くと、フィリピンから来て、もう、30年、このサツキ町に住んでいると言う。
私が北九州から東京に転勤になったのが36年前だから、そう違わない。
このサツキ町の荒屋敷と言われる一帯が区画整理・公園化されたのは10年前。
公園には地下に大きな駐輪場が設けられ、その上が滑り台などの簡単な遊具を備えた児童公園となっている。周りにはソメイヨシノが10本近く植えられて、良い花見所とも言える。
自然と口から五七五が出た。


荒屋敷
ソメイヨシノの
里と化す

駅前に居ると70歳位の男性から「さわやか駅から隣駅の方に10分歩くと小鳥屋さんがあると聞いたが、どの道を通っていけば良いか?」と訊かれ、隣駅の方の小鳥屋となると、「すみません。本日、始業の新人なので、、、知りません。」と残念ながら応えざるを得なかった。就業に当たってのガイダンスで、さわやか駅のある「ひまわり市」のことばかりでなく、隣駅のある青葉区のことも少しは知っておく必要があると言われたのが頷ける。

次は、かなり年配のご婦人から「サツキ厚生病院行きの乗り場はどこ?」と訊かれ、「歩くと10分少々ですが、確かにシャトルバスがありましたね。」と応え、駅前のロータリーに沿って、「花バス」が留まる所などを探すと、確かに時刻まで付いた表示票があった。
市民のニーズの目線に立てば、いろんなものが目に入って来ると感じた。
駅前通りを歩いていると、私と同じ位の年配の男性から「今日はカエデ町まで行ったので、もう40分も歩いたぞ。浦野さんは今日は出ているか?」と親しげに声をかけられた。私はこの方は先輩に違いないと思ったので、「多分、浦野さんは早番でしょう。私は本日、始業の新人です。」と応えると、その方はさもありなんと大きく頷いた。次いで、「今日は予報が外れ、雨が降らずに良かったね。桜があっという間に満開になったね。」とにこやかに話された。
後程、班員とのミーティングで報告すると、やはり、昨年、別の職場に転属した先輩の渋谷さんとのことであった。
このことからも、この仕事を続けると、同志魂が形成されてくるのだなあという感じがした。
我が班はさわやか駅北口を守備範囲とし、総勢10名で構成され、早番と遅番とがあり、それぞれ3名で担当し、その3名は1時間ずつ、持ち場を変わっていく。
午後2時半に宮川薬局前に回収車が来て、今日は放置自転車はなかったが、清掃による可燃・不燃ゴミを回収して行った。
我々は仕事着として、「防犯パトロール」、「田園都市警察」、「ひまわり市シルバー人材センター」という大きなロゴの入ったベストと「自転車等整理指導員」と記した腕章を着用している。
そこで、人目につきやすいのか、なにかと質問されることがある。辺りはソメイヨシノが満開だが、遠くに見える枝ぶりが、上方に突き出た感じの桜木の方を指差して、「あのピンク色の美しいのは桜か、、何という桜か?」と60歳位の男性が声を掛けて来た。その桜木は遠方の民家にあり、よく判らないので、「日本の桜は原種は9種と言われているが、それらの派生種は何百もあります。この辺りは派生種の一つのソメイヨシノが多いですが、、、」と応えた。すると、その男性、一寸、感心したような風情で、「兄さん達は勉強しているね。」と声を掛けてくれるので、なんとなく嬉しくなる。これは昨年、高尾山の「植物科学館」を見学した成果だと思い出した。
16:30になり、3人とも駅前の定位置に集まり、5度目のミーティングをして解散となった。私の本日の課題は明日中に自転車を仕入れて、皆さんと同じく、自転車置き場の定位置で着替えることが出来るようにすることが適切だと感じた。






日誌2


平成27年4月3日、金曜日、6:30~11:30、早番、晴れ、風とても強し。

赤札 2枚 貼り付け


昨日、仕入れた自転車を使って、早番の皆さんと合流・仕事開始。
早番の最初の1時間は3人とも、それぞれの持ち場の清掃を行う。
可燃用袋と不燃用袋を持って廻ってみたが、なんといっても、タバコのポイ捨てカスが多い。
空き缶やペットボトルは極力最寄りの自販機の傍にある収納箱に入れる。
出来るだけ、ゴミの容積を小さくしてから、不燃物と可燃物に分けて、遅番に引き継ぐ。
初日と同じく、この早番も班長さんと一緒。4月1日付けの新人は私だけなので、班長さんが初日の遅番と今日の早番を私とともに務めて直接指導して下さるのだ。
班長の指導は分かりやすく、新人の私を引き立てようとして下さる。
先ず、そのチャンスが現れた。
宮川薬局の前に9:30、放置自転車を確認、宮川薬局の開店時間前なので、明らかに違法。確認後30分経過すれば、警告発動となる、私への指導課題としてとりあげられ、班長の指導のもとに「駐輪禁止警告」の赤札を自転車のサドル下に貼る。その赤札に我々の指導班名、放置場所、担当者名、確認時間を油性インクで書き込む。これは本日の14:30までに放置者が現れない限り、遅番に引き継がれ、撤去されることになる。撤去されれば、保管場所は3km離れたところなので、撤去保管手数料¥2000のほか手間暇考えるとサラリーマンにとっては耐え難いことであろう。
それを考えると、赤札を貼り付けた私も胸が痛む。
撤去は撤去車が14:30に運び去るが、証拠として、遅番の担当者が私の書いた赤札と放置場所をデジカメで撮り、それは市役所に保管される。従って、私の名前は記録されるわけだ。
更に、私の名前で、もう1枚赤札が貼られることになった。
そのいきさつは、ある放置の常習者があるマンションの駐輪場に無断駐輪しているのを班員が見つけた。それを班長と私の担当時間になって、マンションのオーナーの了解を得て放置自転車として警告し 、赤札を貼り、放置者の出現を待つ段取りにしたことによる。従って、この赤札貼りも私の訓練用となったわけだ。勿論、オーナーの駐輪場には「無断駐輪は撤去します。」という張り紙があり、オーナーもこの自転車ならばよく見かけたと言っておられた。確かに、駐輪禁止場所を巧みに変えて、警告する側といたちごっこをするのは好ましくないと思われる。
本日は風がとても強く、「駐輪禁止」と書いた円錐柱が2個もバラバラになっていた。班長の話しでは、こんなことになったのは昨年10月に円錐柱を取り付けて以降、初めてとのことであった。
強い風によって、一斉に満開となった荒屋敷公園の桜がかなり散り始めた。一昨日が満開で、わずか2日目でかなり散り始めるとは、やはり惜しまれる。

満開を
春何番か
ああ無情

強風により、公道上にも、大きな可燃袋が何処からともなく、転がり込む。放っていると交通事故にもなりかねないので、駐輪指導のガイダンスには無いことだが、最寄りの店舗のお嬢さんに処理への協力をお願いした。その店舗はフランス菓子店で、大きな自家用ゴミ箱があるので、かなり大きな袋だったが、問題なく収容していただけた。
ここはさわやか駅北口だが、お嬢さんがホークス駅行きのバス停はどちらかと咳き込んで訊ねて来た。直ぐに、乗り場は南口のどこそこと応えられるのは永年住み慣れた土地感のお蔭。
そう言えば、10人の班員の内、このさわやか駅からの徒歩圏内に住んで居るのは私の他には1名しかいない。
ひまわり市シルバー人材センターの会員の住居地と就業地がどんな関係になっているか知りたくなった。
11:30 、遅番との引き継ぎ、私の名前が書かれた赤札によって、撤去される自転車が2台もあるとは胸が痛む。






日誌3


平成27年4月5日、日曜日、12:30~16:30、遅番、雨

黄色札 2枚 貼り付け


本日は雨。ガイダンスでは貸与されたベストは雨に濡れると弱いので着用しないように、ただし、「自転車等整理指導員」と銘打った腕章はすべしとあるので、指導通り、雨カッパを着て出掛けた。
日曜日は平日と違って、遅番も1時間短縮の4時間勤務。
平日は3人制だが、日曜日は2人制。今日も班長さんが指導官として付き合って下さる。
日曜日は2人制なので、守備範囲は広くなる。最初の一時間は班長さんが駅前中心、私が宮川薬局前から荒屋敷公園一帯の担当となる。
巡回して、先ず見つけたのが、荒屋敷公園前に置かれた放置自転車と診られる5台であった。その内の3台には早番の浦野さんの名前で、9:35確認と書かれた黄色の警告書が貼られていた。
残りの2台はあとから置かれたものと思われる。雨なので荒屋敷公園内の児童公園などに人影はない。従って、これは明らかに駅前の駐輪禁止区域を避け、駅前から3分ばかりの距離にある公園駐輪を選択したものと診られる。
そこで、班長に報告、確認後30分経過したところで黄色の警告書を貼ることにした。
書き方は赤色の警告書と同じである。
赤札と黄札の違いは赤札の場合は駅から至近距離にあり、即、通行障害になるもので、確認後30分経過すれば、撤去対象となる。
荒屋敷公園前の駐輪は公園に来る方々ならば歓迎。歓迎せざるは駅から3分と遠いが、違法駐輪が増えると公園に来られる他の方々の迷惑となる。
そこで、あえて公園駐輪を断行する連中に対して、常習者にならないよう警告するわけだ。
この黄色の札が4枚重なれば、撤去の対象となる。
班長の言われるには、4枚重なるということは4日間連続そのまま、そこに置いていたと考えがちだが、現実は、その自転車は黄色札を付けたまま2~3日使用されているケースも結構あるというから不思議だ。
今日、私から貼られた方もいち早く、違法駐輪に対する警告だと気が付いて欲しいと思う。
今日はかなりひどい雨で、1日に満開だったものが、3日に強風に会い、かなり散らされ、本日・5日は雨にやられて、かなり無惨な姿になってしまった。


悲しきや
満開桜
散り急ぎ

しかれども、一方

桜花散る
歩道一面
絨毯に

16:30 班長とミーティングの後、帰路に就く。






日誌4 

平成27年4月7日、火曜日、6:30〜11:30 早番、雨

花びらを
踏み固めれば
板状に

今日は雨なので、カッパを着て、出掛け、駅前の定位置で腕章を着け、帽子をかぶった。
本日は班長と初顔合わせの小石さん、班長はこれで4日、連続で私の指導に当たって下さる。
先ず、最初の1時間はそれぞれの持ち場を清掃。やはり、ポイ捨てのタバコのカスが多い。
2時間目は荒屋敷公園付近をパトロール、年配の男性が歩道に積んだ桜の花びらをせっせとホウキで掃いている。
私は歩道に降り積もった花びらはピンクがかつて、歩道に絨毯を敷いたように見えるので、掃かずにそのままにしておいた方が良いと思ったので、その方に、『何故掃くのですか?』と訊ねて診た。すると、『もう何年になるかな、こうして毎年、掃くことにしているよ。』そして私がシルバー人材センターと分かるようで、『自分も20日ばかり、お世話になったが、勤めていた会社に再雇用されたので、古巣に戻ったが、そこも加齢のため辞め、こんなこともやっている(これは完全なボランティア)。』と直截的に応えてもらえない。そこに班長が通りかかり、班長はその方と旧知の間柄らしく、『この方は落ち葉の時も掃いて下さる。』と言われる。それで、なんとなく分かったような気がしてきた。
それから歩き始めると、公園の地下に設営している自転車預り場の管理人とぱったり遇うことになったが、その管理人は『あの方のお蔭で、利用者の靴の底の板状の花びらゴミが地下に散らかずにすみます。』と言う。
なるほど、花びらの絨毯の上を歩いて乾いたコンクリートの上を歩くと靴底に板状にくっついた花びらがポロポロ落ちていく。

花びらを
踏み固めれば
板状に

そして、花びら絨毯を残したい気持ちも消え失せないので

花びらよ
絨毯利用の
道なきゃ

本日の赤札は児童公園横で班長が8:40に確認したもの、これは午前中に引き取り手なく、遅番に撤去方引き継ぎをした。
個人宅と公道とのスレスレの所に隣の県警の昨年発行したNOが駐輪していたのを私が発見した。隣県の竹林市の方々がよくさわやか駅を使うので、これは怪しい。ベルを押したが、応答がないので、札は貼らず、遅番にその旨、引き継ぎした。







日誌5

2015年4月9日、6:30~11:30、早番、晴れ

有料駐車場に無断駐輪とは


本日は3月まで班長だった松野さんと初面識の中山さんと一緒。前班長にはこの仕事に就業するためのガイダンスと制服(ベスト)の受給手配などでお世話になった。最初の4日間は今年度の新班長に指導され、この5日目は就業前に面識のある方が一緒になって下さるとは、なかなか、この職場は新人教育の在り方を上手く考えているなと感じた。

朝一番の清掃は公園を中心とした最も広い地域を担当した。ゴミの数としてはやはり、タバコのポイ捨てカスが多い。今朝は大物ゴミとしては少なくとも半畳以上はあるボール紙が見つかった。
持って帰ると、前班長が脚を使ってそれを上手に四角に小さく畳んでくれた。

次いで、パトロールも公園を中心とした地域を担当したが、7時半になると、2日前にお会いした例の老人がせっせと例によって桜の花びらを掃き集めてはそれを45リットル位の袋に詰めている。11時には、ご老人はおられなかったが、ゴミ集積所にはなんと11袋も積まれていた。その量が今朝だけのものか不明だが、これだけのことを全くのボランティアでやるとは思えなくなってきた。また、これだけの量の花びらを上手く使えば、何かピンクがかつた桜染料が出来るのではないだろうかと思った。かなり大きな桜木が10本もあるのだから、風雨のため無理に散り始めて4日目、まだまだ花びらゴミは出て来ると感じた。次にご老人にお会いしたら、いろいろ訊いて診たいと思った。

花びらも
山と積もれば
新次元

次に、宮川薬局前でパトロールしていると、壮年が1人、自転車を次々と宮川薬局前の撤去集積所に2台持って来た。訊けば、隣の駐車場のオーナーであり、『敷地に無断で駐輪しているので、撤去して貰いたく、ここに持参した。』とのことであった。
そこで、近くの駅前にいた先輩の中山さんに相談すると、あの駐車場からは以前も撤去を頼まれ、実行したとのこと、それならば、前例に倣って撤去しなければなるまいかと思いつつ、撤去される自転車の所有者が不憫に思える。かたや地主で駐車場経営者、かたや有料駐輪場を敬遠し有料駐車場にあつかましくも無断駐輪する無産者?とは、、、これはまさに格差社会の現象が小さな空間に浮き上がっていると感じた。いたしかたなく赤紙を貼ることとした。
駐車場の敷地はかなり広く、ここにも桜木がある。


桜花下
駐車駐輪
天と地か

線路脇の公道をパトロールしていると、今日も公道と個人宅の境目に隣県警NOが駐輪されている。さわやか駅は隣県の竹林市の方々がよく利用されているので、隣県警NOだと怪しい。個人宅の方に確かめて、その方が駐輪を許可しなければ、当然撤去の対象となる。そこで、確認すべく個人宅の玄関ベルを押した。
しかれども、あいにく不在だったので、その旨、遅番に引き継ぎした。






日誌6

2015年4月10日、金曜日、11:30~16:30、遅番、曇り後雨

自転車撤去に立ち会う


中、1日の休みもなく、出勤、でも、今日は遅番。問題は15:00頃から雨とのこと、その場合を考えて、カッパも用意した。
今日は、山本さんと浦野さんとの3人チームである。山本さんと浦野さんは同期生で、3年目という。チームで就業中、携帯電話とデジカメを保有するが、今日は山本さんが担当する。携帯電話は何かの時に本部と連絡する時に使う。デジカメは撤去自転車の証拠写真を撮るためのものである。
先ず、早番の3人チームから引き継ぎを受けた。早番には班長がいた。引き継ぎした主なものは、荒屋敷公園の北側階段下に赤紙が1台あるとのことであった。私の最初の担当は公園付近であったが、早番が付けたイエローカードの近くに、新しく3台の候補があったので、付近に人影がないのを確かめて、30分経過後にイエローカードを貼付した。
チームとしてみると、13:10と13:20に赤紙候補を1台ずつ確認した。それぞれ30分経過後に赤紙を貼付したが、これら2台を14:40に来る撤去トラックに引き取っては貰えない。
というのは、赤紙貼付後、2時間以上経過しなければ撤去出来ないというルールがあるからだ。
今日は金曜日なので、明日・明後日は土曜・日曜と撤去収集車は休みなので、赤紙はそのまま、撤去は13日(月曜)となる。その間に所有者が引き取って行く可能性もあるわけだ。
従って、今日、14:40に撤去されるのは公園北口の1台となる。
14:30から15:30の時間帯は、私が2巡目の公園付近担当なので、私が撤去を立ち会うことになる。
撤去のための証拠写真撮りは13:30~14:30の担当者である山本さんの役割で、更に台車を使って撤去集積所まで運んで置くわけだ。

14:40に撤去収集車が来た。撤去収集車は緑色の1トン車、グリーンなエコイメージを演出している。運転手と助手の2人は私とあいさつしてから、協力して、自転車を荷台に載せて走り去った。
公園の桜は、まだ花びらもかなり残っているが、緑の葉もかなり出始めた。

花桜
半分分ける
葉桜に

16:00から雨はポツリポツリと降り始めた。準備して来たカッパは帰路に使用した。なんとか、もてて、良かったという1日であった。






日誌7


2015年4月12日、日曜日、8:00~12:00、早番、晴れ

駅前広場を活用する人達


本日は日曜日なので、早番とはいえ、8時出勤、2人制。相棒の中山さんと駅前の定位置で、始業の挨拶を交わして、最初の1時間30分は各自清掃。
私は範囲の広い公園付近を中心として掃除。掃除にはスーパーで買い物をしたときに貰うプラスチックの袋を2枚用意しておいて、可燃物と不燃物に分けて収納。
可燃物はなんといっても、タバコのポイ捨てタバコのカスが多い。道路脇の植え込みの中などによく捨てられている缶やペットボトルは最後に自販機の傍に置かれいる回収箱に入れられる。可燃物は袋に入れた状態で、明日の月曜日に来る回収車に出すように準備しておく。

清掃範囲は広いが、1時間30分あれば、ゆっくり廻っても、ほぼ2周半は廻れる。
9:30からは駅前をパトロール。目についたのは、駅前広場の4角に1人ずつ立っている女性3名と男性1名。女性3名の内の1名の傍にはチラシ類を入れた宣伝・広告棚と言えるものが置かれている。近寄って診ると、ときどき、あちこちで目にする「モノミの塔」のお嬢さんである。お嬢さんというより、かなりの年配の方と思われる。
こちらも田園都市警察と書かれたベストを着用してパトロールしているとはいえ、駅前広場に共存している以上、同じ類いの人種と思われるので、この際、「モノミの塔」とは何者か話し掛けてみた。
「モノミの塔」とは「エホバの証人」が発行しているイエス キリストの教本、エホバはイエス キリストの父、証人はこの仕事に携わっている自分達の組織だという。この組織、どうでも世界的な大組織らしい。
でも、この方々は無給でPRに従事しているとのことだ。今日は日曜日なので、自分達はそれぞれの職場を離れ、ここには全くのボランティアで来ているとのこと。
私に聖書は読まれたことはあるかと逆質問されるので、若い時には旧約聖書なども英語で読んだことがあるよと応えると、感心したような顔つきをされる。更に、何故、読まれたのですかと訊くので、ケネディなどの文書には必ずといってもいいくらい、聖書からの引用があるでしょう。英米人にとっては聖書は座右の銘でしょう。我々は英米に追い付き、追い越すために聖書も読んだよと、応えると、そのご婦人、そうですね、お父さん達がそうやって頑張ってくれたので、今の豊かな日本があるのですね。と、なかなか、話しの分かる感じの方だった。
10時になると、彼等は挨拶して駅前から揃って去って行った。駅前広場の利用許可を時間制で得ているようだ。
10:30から公園付近をパトロールする。今日は日曜日で、公園には自転車を使って子供連れで来られている方々が多い。
私もそうだが、桜の花びらが散って行くのを名残惜しそうに見守っているようだった。

はらはらと
歩道染め行く
名残かな

今日は赤紙2枚、イエローカード3枚、回収車は休みなので撤去される心配は無し。中山さんと終業の挨拶をして着替えのため、自転車置き場へ、途中、桃の木が2本あり、大きな花が咲いている。

これからは
目につきやすき
桃の花




日誌8


2015年4月14日、火曜日、6:30~11:30、早番、曇のち雨

宮川薬局の物流に関心


本日は前班長の松野さんと3ヶ月先輩の大沼さんとの3人組。本日は雨が降りそうなので、カッパも持参、降り出せば、すぐカッパを使用出来るようにして臨んだ。
最初の1時間は掃除、タオルや軍手なども落ちていたが、これらは昨夜の雨水を吸って、重たくなっていた。
7:30からは宮川薬局前を中心としてパトロール。今日は雨になるという予報により、自転車による通勤が激減しているようで、当方が指導するような自転車通勤者はいない。
そこで、多少、手持ち無沙汰の観もあり、宮川薬局の店舗それ自体に目が向いた。
7:30という時間帯は、天気が良ければ、通勤者の自転車が1台位、宮川薬局前に、宮川薬局のお客然として、置かれてもおかしくないのだが、今日は雨のため、自転車通勤者は少なく、ひとっこ一人として姿がない。
ところが、シャッターが閉ざされた店舗前に男性が1人、黄色のカーゴテーナを押して現れた。カーゴテーナの中には宮川薬局の商品類が入っているボックスコンテナが10個積載されている。
どこから、押して来ているのだろうかと観ると、宮川薬局の横の車道にはスズキの2トン車があり、その荷台からリフトで降ろされ、運ばれているのだ。
観察してみると、その男性は1人で、2トン車を運転して来て、リフトを使って、カーゴテーナを2台ずつ地上に降ろし、それから1台ずつ店舗前まで押して来ているのだ。
次々と14個も押して来て、店の前に並べ、更に、カーゴテーナごとに積載されているボックスコンテナをチェックしているわけだ。

この男性の作業は黙々と40分以上も続いた。我々のパトロールも立ち詰め、歩き詰めと単純だが根気の要る仕事と思うが、この男性の仕事も車の運転、リフトを使うとはいえ、カーゴテーナを降ろして、押し、並べ、チェックと同じように、単純な中にも根気が要ると思われた。
パトロールも時間の経過と共に場所も変わり、荒屋敷公園を中心とした所では、イエローカードを2枚貼ったが、雨がポツリポツリと予報通り、降り始めた。

春雨や
散る花びらも
しとしとと

チームとしては本日の赤紙が荒屋敷公園北側階段下に1枚出た。これはかなりの雨となった日にしては予想外の赤紙と言えそうである。雨の日に自転車で出てきて、赤紙を貼られるとは不憫だと同情せざるを得ない。



日誌9

2015年4月16日、木曜、11:30~16:30、晴れ

駐輪場は供給よりも需要が勝る


今日は丁度1年先輩の中山さんと3ヶ月先輩の大沼さんとの3人組。
お二人とも、既に2回づつご一緒しているので、気が楽だ。
遅番は清掃はなく、私は駅前~宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局という順番で1時間づつパトロール。
11:30~12:30の時間帯に駅前にいると、自転車で来て、駐輪場に入れようとする方々が意外と多い。
駅前には至近距離(駅から100m以内)の所に100台以上収容出来る駐輪場が5箇所あるが、既に朝方に駐輪場は満杯近くなっているので、昼来る方々は駐輪場を確保するのは難しい。
まさに需要が供給を上回っているのが現実だ。
私の仕事は駐輪の指導が主なもので、駐輪禁止場所を市民に徹底させるのが第一の仕事だと思っている。
従って、駐輪場そのものは関係ないのだが、このように駐輪場を使用出来ない方々がいるとなると、駐輪場のことも知っておく必要があると感じた。
荒屋敷公園の市営の地下駐輪場は大きいが、これは駅から200mと少し遠い。そこで、駅から100m以内にある前述の5箇所について診て廻った。
先ず、駅舎の下にある「ほほえみパーク」は4時間100円、次に道一つ隔てた所にある「サイクルプラザさわやか」は7時間100円、その隣の「エコ 21ステーション」は8時間100円、それに「サツキリパーク」が6時間100円で2箇所ある。
総じて、100円の値うちは4~8時間だ。人々の動きを診ていると、やはり、入れる所を安い方から探して行く。診ていると、人々は最初が満杯で、次に行ってダメならあきらめて、その構内の空いた所に置いて行く。今、入れている人が出して、空けば、時々巡回して来る管理人さんに入れて(入れるのは前輪を差し込めばカチンと鍵がかかる)貰いたいという意思表示でもある。
需要と供給から言えば、もう50台位のスペースがあっても、すぐに埋まりそうだ。
まだ、駅前には簡易造りの居酒屋などもあるので、転廃業を通して変わって来る可能性が多いにあると感じた。

本日、宮川薬局前に居て、はじめて観た自転車はスタンド無しの自転車だ。これを無断で、駐輪禁止場所の支柱に立て掛けると撤去の対象となるので、市民から了解願う旨、声を掛けられ、はじめて、その存在を知った。でも、考えてみると何故、そんなものが存在するのか不思議でならない。
本日は23度と暖かい、割合しぶとかった花びらも温風に吹かれて、散りどきと観たのか、我先にと地面に向かいだした。

はらはらと
名残を惜しむ
桜花かな

名残あり
ソメイヨシノの
荒屋敷




日誌10

2015年4月17日、金曜日、6:30~11:00、早番、晴れ

鳩が2羽惨殺される、変質者の仕業か


今日は班長と4年先輩の小石さんとの3人組。この3人組は2回目なので小石さんとも打ち解けられる。
最初の1時間は清掃、宮川薬局前から公園一帯の割合広い区域を担当、一巡して、宮川薬局の隣の「メガネプラザ」の前に戻って来て驚いた。
なんと、首を切られた首なしの鳩が無惨にも1羽、「メガネプラザ」前、右サイドの路上にあり、周りに羽毛が散らかっている。
私が散らかっている長めの羽毛をゴミ挟みで取り始めた時、駅前を担当していた班長も鳩の死骸に私よりも少し前に気が付いたとみえ、箒とゴミ取りを持って駆け寄り、清掃した。
それはその場で済んだが、3人でミーティング後、班長が宮川薬局から公園を担当し、一巡後、「メガネプラザ」に戻ったところで、今度は「メガネプラザ」の前、左サイドに首なしの鳩の両翼が広げられた状態で捨てられていたとのこと。
そうなると、更に気持ちの悪いことになる。1羽目も2羽目も血が流れてないので、他所で殺され、「メガネプラザ」の両サイドに1時間程度の時間差を持って捨てられたことになる。あるいは、血はそう出ないかもしれないが、いずれにしても多少の人通りのあるところなので、人前での蛮行とは思えない。「メガネプラザ」前の両サイドに1時間差で遺棄するというのも気になるところである。

班長からシルバーセンターの事務局の山野さんにこの事件の顛末と鳩の遺体の引き取り方を伝えた。
思うに、この種の事件は動物の殺傷で学習して、人を殺傷するというケースが過去に見られるので心配だ。今迄の例では、警察は犯罪の前兆だけでは動かないので、今回のことに警察がどう対応するか分からないが、もし、私が警察の実力者ならば、従来の汚名を挽回するためにも、この辺りの変質者などをチェックして不慮の事件に備えたいと思うが、いかがなものであろうか。
今後、我々もこうした事柄に関連して、種々の不審者には気を付けねばなるまい。
つい、暗い、今後、市民としても気を付けねばならない話しとなったが、明るい面の話しも皆無ではない。公園近くの永山さん宅は玄関周りの鉢植えなどが素晴らしいが、今はシャクヤクが特に素晴らしい。

昔から
立てばシヤクヤク
毅然たり

今日はショッキングな出来事があったので、このくらいにしておこう。



日誌11

2015年4月19日、日曜日、12:30~16:30、遅番、晴れ後小雨

この自転車、撤去してよ


本日は日曜日しかも遅番、早番の大野さんと小石さんから引き継ぎを受け、前班長の松野さんとの2人体制だ。
パトロールは1時間づつ、駅前~宮川薬局・公園~駅前~宮川薬局・公園~駅前となる。
本日も味わい深い事柄に接した。

マンションの「ウインズテラス」の前をパトロールしていると、60代の男性が自転車を1台、向かい側のアパートの「シャインコーポ」の壁前の公道に置いた。
私がその訳を訊くと、その方はマンションの居住者で、今週の掃除当番、マンションの玄関横に居住者然として、この自転車を置いている常習者がいるので、今日こそ撤去して貰いたいとのことである。
なるほど、公道に放置されれば撤去の対象となるが、今日は日曜日で、撤去する回収トラックが来ないので、撤去を希望するならば、明日、月曜日の朝出せば、午後2:40には撤去される運びとなると応えた。
そうすると、今日は日曜日で、1台しかないが、平日は他にも数台のなりすましがあるという。
マンションの入口がなりすましにより、狭くなるのは居住者としては耐えられないだろうと感じた。
そうなると、先日の駐車場のケースと同じだ。
やはり、市民はお互いの市民生活を快適にするために、有料でも駐輪場を利用すべきであると感じた。
近くに、「Smart」というカードショップがあるが、この店の間口は2間ばかりしかないので、店の敷地に前輪を乗せた自転車が10台と前輪を乗せるスペースがないため公道の端に横向きに駐輪されているものが4台もある。
店の前に貼られている4月の行事日程をみると、今日は日曜日でゲーム大会日、ポケモン、デュアルマスターズ、ヴァンガード、バディファイト、Z/Xなどの大会に子供達が集まっているのだ。
こんなに小さく、狭い店でも良く成り立つものだと思うが、路上駐輪だけはなんとかならないものかと思う。しかし、今日は日曜日、そっとしておくことにした。
荒屋敷公園の桜は大半が緑したたる葉桜となってきたが、まだ、一つ、二つと花びらが落ちて来るのは風情がある。

大半が
緑したたる
葉桜に

散る花や
一つ二つと
風情あり



日誌12


2015年4月21日、火曜日、11:30~16:30、遅番、曇り・晴れ

Like nothing else(高級輪 「HUMMER」)に赤紙


本日は前班長の松野さんと初めてチームを組む先輩の大野さんの3人組。早番とミーティング、早番から宮川薬局前に1台あるとのこと、、、そうなると、本日、撤去車が来る時刻は私が立ち会いの担当となる。
そこで、どんな自転車かと思って、よく、調べて診た。
シマノ7段ギア付きのHUMMER HLT‐620 で、タイヤもかなり上等に見える。
車軸に"Like nothing else"と刻印されているように、 まさに、「他にはない、大したもの」だ。これが、撤去されるとは悲しくなる。
駅前広場のパイプ製のベンチに鎖状の輪錠で停めている。
なんとまあ、非常識なことをしているのだろうかと思われた。
しかも、いずれの警察の鑑札もなく、連絡先は全くない。
これだと撤去し、保管したところから放置者へ連絡することも出来ない。
こうした行為は日本の実情を知らない外国人の仕業ではないかと思われるほどだ。
とうとう、撤去の刻限の14:45が来て、無惨にも施錠の鎖は断ち切られ、私の立ち会いサインのもとに撤去され、回収トラックが持ち去って行った。

本日も気温は20℃と高く、公園のソメイヨシノも本日が最期ではないかと思われる。

若葉縫い
桜びら一つ
散りゆくや





日誌13


2015年4月23日、木曜日、11:30~16:30、遅番、晴れ

「シャトルバスに乗り遅れますよ!」


本日は、班長の小松さんと3ヶ月先輩の大沼さんとの3人組。駅前~宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局の順でパトロール。
駅前をパトロール中、15:00前に、2人1組の老婦人からサツキ厚生病院へのシャトルバス乗り場はどこにあるかと訊かれた。
乗り場まで案内し、時間表を見て、今度は15:10ですと知らせ、ヤマモモの下のベンチで待たれるように薦めた。
さて、10分になり、バスが来て、待っていた方々の8名は乗り込み、出発、、ふと見ると、私が案内した2人の老婦人はベンチで話しに夢中、これは危ない、思わず、「乗り遅れますよ!」と叫んだ。
バスの運転手も気付き、発車を止め、既にシャトルバスは8名で一杯となっていたので、2人を運転室の助手席に迎え入れ、無事、出発。
我々3人が終業のミーティング中、このご婦人2名はわざわざ立ち寄り、私に「先ほどはありがとうございました。おかげさまで診察にも間に合いました。」と声をかけてくれた。
このようにねぎらいの声をかけていただくと、ほんとうに嬉しくなるものだ。
ところで、ヤマモモは駅前に5本、街路樹として植えられている。
ヤマモモは雌雄異株のため、結実には雄株が必要とされているが、幸い駅前は複数本あり、良く実のなるものがあるという。
今は丁度、花が散ってしまって、これから実の成る準備に入るわけだ。

ヤマモモは
ベンチの上の
傘となり

実をつけて
ホワイトリキュー
美味だとか




日誌14

2015年4月24日、金曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

紫帽子に青帽子、さわやか駅前で整列・待機


本日は小石さんと山本さんとの3人チーム。小石さんはバイクに強く、我々のウォッチング対象である50cc以下の見分け方を分かり易く教えてくれる。山本さんは違法スレスレの常習駐輪を鑑札番号ごとにウォッチングされている。いずれの方もすごい方々だ。

8:30~9:30の時間帯にさわやか駅前広場をパトロールしていると隣町の小学生達が次々とやって来る。先生や交通指導シルバーに引率・指導されながら、私にも、「おはようございます!」と声を掛けてくれる。最初の一隊は200名を超える。訊けば隣町フジ小学校の3~4生全員で、紫色の帽子を被っている。先生の号令で、彼らが10列に並び、座るのは、最近このような機会に恵まれない私にとっては壮観だ。
今日は航空基地記念公園まで遠足とのこと。
こうして、電車の発車時間まで駅前広場で一時待機し、次々と階段を上がってホームへと進む。
この一隊が広場から消えた時、申し合わせたように次の一隊がやって来た。
今度は青い帽子で、子供達の身体も前の一隊と比較すると一回り小さい。
引率の手伝いに来ていると診られる方に訊くと、隣町アヤメ校の2年生60数名とのこと。なるほど、学校によって帽子の色が違うのだ。
この一隊も同じように、4列で駅前広場に一時待機。今度は壮観さはなく、2年生で小さく、可愛いさが漂う。
付き添いの方は同校の卒業生で1世代前、生徒は今の倍だったとのこと。都とは言え、隣町も少子化は同じだなあと感じた。
カメラを持った方もいたので、訊くと、隣町から、これら2隊の遠足情景を撮るよう委託されたプロカメラマンとのことだった。

新学年・新学期の遠足日の今日、いよいよ桜も最期の一片が落ちて行く。
公園で例のご老人に会うと、「今日は花がついていた根っこを袋に3杯掃き集めた。」と言われた。

花落ちて
若葉が薫る
桜かな

実ならず
ソメイヨシノは
無言なり

ソメイヨシノは彼岸桜と大島桜の交配種、雌しべが退化し、実がならず、接ぎ木で増やすしかなく、人にとっては美しく、役立つ。しかし、実生の桜が数百年の寿命があるのに対して、数十年と寿命は短い。

本日は早番チームとして、赤紙は3台、遅番に引き継いだ。このぶんだと、おそらく2時半までに引き取り手か現れない限り撤去されることになるだろう。


日誌15


2015年4月26日、日曜日、8:00~12:30、早番、晴れ

「日曜日も出て、大変ですね」


本日は日曜日なので2人1チームでパトロール。3年先輩の山本さんとのチーム。
日曜日なので、8:00スタートだが、朝一番は1時間30分ばかり清掃。相変わらず、タバコのポイ捨てが多い。一巡して、ポイ捨てを拾い、さらにもう一巡すると、その間30分位の間隔しかないのに、もう、ポイ捨てがあちこちに見られる。

清掃後、駅前に立っていると、隣町の方角からやって来た老婦人から、「日曜日も出て、大変だね。」とやさしく声を掛けられた。それに対し、私は「いいえ、楽しいですよ。」と応じると、ご婦人は「そうね、いろんな方々と会えるからね。」と相槌を打って下さる。
ほんとうに、この仕事をしていると、いろんな方々との挨拶や話しが出来る。今日は「ものみの塔」の方々といろいろ話しが出来た。見ていると、「ものみの塔」は駅前広場の両端に1個ずつの宣伝用のラックを置いて、その横に1人が両手で冊子を持って、立っているが、注目すべきは彼等の交代時間が10分間ずつだということだ。従って、この駅前を担当する要員は4名居られるわけだ。
では、何故、10分間ずつの交代かというと、なんと、冊子を持って立って、会う方々に対し、"微笑みの顔を作り続けること"は10分間が限度だということだ。その"作り顔"は人によって多少違うが、まあ、英語で言えば、" スマイル顔"と言えるものだろう。

スマイルと言えば、1958年に「スマイル」という居酒屋を池袋の三業通りに開店された女将が、さわやか町に居られることを思い出した。1958年に「スマイル」と命名するとは、当時としては、なんと先端的なことだっただろうと思われる。
本日の早番としては赤紙を4枚貼ったが、今日は日曜日で撤去・回収車は来ない。赤紙を貼られた方々は警告と受け止め、無事帰宅されることを祈る次第。

さて、駅前付近の木々も 季節の移ろいを如実に語っている。

桃の花
落ちて顔出す
一つ実よ

すくすくと
大きく育て
桃の実よ



日誌16

2015年4月28日、11:30~16:30、遅番、晴れ

「高くなったね、でも、ここは安いよ!」


今日は早番の大木戸さん、松野さん、山本さんの3人チームから我々、遅番の小松班長、大沼さん、私の3人チームが引き継ぎを受けた。赤紙は「メガネプラザ」の前に1台とのことであった。

私の担当は駅前から1時間ずつ始まるので、11:30過ぎに駅前広場の自動販売機の横に立っていると、1人のご老人が、「宮川薬局の後ろの駐車場は60分、100円が30分、100円になったよ。」と話し掛けてきました。そして、私が立っている横の自動販売機に手を伸ばし、「でも、これは安いよ。」と言いながら、100円コインを入れて、コーヒー缶を取り出し、20円の釣りを掴んでいた。
その方の買った銘柄をみると、"UCC微糖"であった。そして、まわりを診ると、複数の自動販売機があるのに、なんと、その方の購入した自動販売機には"プライスダウン 100円"と大きく宣伝・広告の文字が描かれているではないか。
その方は更に、「それで、車はマルエツ(駅前から5分以上離れた所にあるスーパー)の近くに置いてきたよ。そこではこいつは79円だが、そこまではやらないよ。ここでいいよ」と言いながら、うまそうに飲みだした。
その方が駅に行かれた後、私はなるほど彼は駅付近の諸サービスの調査をよくされているなあと感じ、私も単にパトロールしているのでは時間が勿体ない。少し、調査という観点から診てみようと思った。
そこで、先ず、身近の自動販売機から診てみることにした。
さわやか駅北口前には、9個の自動販売機がある。その内、2個は駅舎の下にあり、雨に遭わない。あとの7個は雨に遭う所に設置されている。それら7個の内の1個が"プライスダウン 100円"だ。
私が駅前をパトロールしている間の11:30~12:30 と14:30~15:30の2Hの間に自販機から購入した方々は全て雨に遭う露天の自販機で、ご老人が買った機械からがほとんどであった。
値段を診ると、やはり一番高いのは駅舎下のものであった。
このことを最後のミーティングの時に班長に言うと、班長は元、飲料関係の仕事をされていたかのように詳しい。露天の方の自販機に電源を供給している店は電気代は自販機設置会社持ちだろうから、自販機を店の横に置かせておく権利金を非常に安く設定しているのだろう。それで、それらの自販機は平均20円位安いし、更に、ご老人の好む自販機はそれ以上でもやっていけるようだとのことであった。
なるほど、消費税が上がり、便乗値上げらしきものもあるが、消費者はいろいろよく調査して対応しているのだなあと感じた。

春来れば
値段の変化
激しきや

夏迎え
税を乗り越え
調教す



日誌17


2015年5月1日、金曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

今朝はボックスコンテナが店前に積まれた!


今日は早番で、山本さん、大野さんとの3人組、私は朝の清掃は駅前を中心に1時間、それからパトロールを宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局と1時間ずつ。

8:00、宮川薬局前に先日の物流のお兄さんが黄色のカーゴテーナを押して現れた。先日は先ずカーゴテーナを店前に14個並べたが、今日はカーゴテーナを2個ずつ押して来て、カーゴテーナからボックスコンテナを1つずつ取り出して、それらを店前に4段ずつ積み重ねた。
4段重ねが5列出来たところで、それらの前に同じく4段重ねを5列ずつ作った。
ボックスコンテナの側面には商品分類名が、医薬品、健康食品、介護用品、男性化粧品、本部消耗備品といった具合に分かりやすく書かれている。
このスタイルならば後で出勤して来る女性従業員にとって、カーゴテーナからボックスコンテナを降ろすという作業が無くなり、かなり楽になると診られる。
このようにして、商品の入ったボックスが積み重ねられていくのを診てから、私は公園の方に移ったので、最終的にボックスコンテナが幾つ積み重ねられたかは分からないが、2時間後、宮川薬局前に戻って来た時は勿論開店された後で、店前に綺麗に各種商品が並べられていた。
これから、季節の変わり目になるので、衣替えの必需品としての防虫剤や虫よけ・殺虫剤などが各種ずらりと陳列されていた。
それにしても、どのような形で、物流担当から販売担当に商品が受け渡されていくのか、日々、検討、試行錯誤が積み重ねられているのだろうかと考えさせられた。
訊けば、今年は虫よけ・殺虫剤としては"バポナ"などが売れ筋とみえて、沢山並んでいる。

公園付近は永山家の芍薬の一鉢が素晴らしい。

芍薬や
黄色7輪
あでやかに

駅前では子供連れのご夫婦から隣町の交通公園にはどういけば良いかと訊かれた。気が付けば、本日はメーデー、若い頃のデモや家庭サービスの行楽などを想いだした。
今朝は幸いにもチームとして赤紙は出なかった。明るく、穏やかな1日だったと言えよう。






日誌18

2015年5月4日、月曜日、12:30~16:30、遅番、晴れ、風強し

みどりの日からこどもの日へ


今日はみどりの日の祭日なので、前班長の松野さんとの2人チーム、早番の中山さん、山本さんチームから引き継ぎを受け、私は駅前~宮川薬局~駅前~宮川薬局の1Hずつのパトロール。宮川薬局のパトロールには公園のパトロールも含まれる。

大連休中のしかも憲法記念日、みどりの日、こどもの日と3日間続く目玉祭日の中日なので、駅から至近距離の駐輪場も空いているところがあちこちある。
駅前や宮川薬局前の人通りも少ない。ところが、祭日なるが故にゲーム大会を行うカード屋さんの前は自転車があふれ、全身を公道に曝け出しているのが5台もある。
本来ならば、少なくとも店主に駐輪方法を指導したいところだが、今日は連休中で、明日はこどもの日を迎えるので、そっとしておくことにした。

荒屋敷公園の地下は町営駐輪場、上は児童公園となっている。
その児童公園では、町内会のはからいで、V字型の地点にポールが立てられ、その上にV字型にワイヤーが張られ、それに、鯉のぼりが真鯉、緋鯉の大・中・小合わせて14匹と吹き流しが大・小5個も取り付けられている。
それらが今日の強い風の中を元気よく泳いでいる。これだけの大勢が泳ぐ様は壮観である。

児童公園の周りには葉桜となったソメイヨシノのほかに、ケヤキ、エノキ、カエデ、イヌシデ、モリコク、ウワミズザクラ、ユズリハなどがみずみずしく生い茂っている。
本当にここはみどりの楽園とも言えよう。

桜花去り
みどりしたたる
荒屋敷

V字型
真鯉緋鯉と
吹き流し

みどりから
こどもとつなぐ
さつきばれ

本日はめでたい。敢えて、赤紙を貼るような事態もなく、平穏な1日であった。






日誌19


2015年5月8日、金曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

「その産業廃棄物はどこに行くの?」 「東京都から埼玉県だよ。」


5時間の立ち詰め、歩き詰めの激務に耐え、中3日の休暇後、初心に戻った気持ちで就業する。
今朝は1時間、公園を含む広範囲の清掃、やはりタバコのポイ捨てが多い。
9:00から1時間づつ、駅前、宮川薬局、公園、駅前を担当する。
駅前を2時間も担当したので、やはり駅前でのパトロール中に観たり、聴いたりしたことが一番記憶に残る。
駅前の線路脇に、居酒屋と焼き鳥屋に囲まれた間口12m位の店があったが、それが本日、取り壊しとなる。
先ず、線路脇の6m幅の車道に産業廃棄物運搬車と大きく明示された荷台車が進入してきて、取り壊し店の前に駐車し、作業員が2名、店内の物を整理、荷台車に次々と積み上げた。
次に、電気工事車が来て、店に入っている電線を断ち切り、見るからに店は周りから孤立した存在となった。
午前中の作業はそこまでで、私も本日のパトロールは終わるので、現場監督に取り壊した廃棄物は東京湾の埋め立て用として使われるのではないかと思って、「どこに行くのか?」と訊いてみた。
すると、その現場監督は幼少から60年間もこの町に住み、今は世界遺産の和紙づくりで有名な埼玉県の小川に住んでいるということで、こちらのパトロールにも好意的で、どんな質問にも丁寧に応えてくれた。
現場監督の言だと、自分達の会社は埼玉県にあり、東京都のこの町に産業廃棄物の処理を申請し、認可され、管理票を貰ったので、廃棄物は埼玉県に持っていく。木材、プラスチック材など材料によってそれぞれ捨て場所が異なる。また、この町から許可された管理票がなければ、廃棄物を受け取って貰えない。この1軒から出る廃棄物の中で有価物は鉄ぐらいに過ぎない。
本格的な取り壊しは昼からもう1台車が来てからだとのことであった。

この町の我々がパトロールする範囲は車道でほぼ四角に区分けされているが、それら主な車道の端にはツツジが植えられている。
それらが、今や盛りと、これ以上伸びると剪定されるので、それを恐れて、いずれも上部指向ではなく、横並び指向になっているのにはいじらしさを感じる。

五月さん
背丈競わず
横向きに

そのうちに
四角剪定
ツツジかな

遅番への引き継ぎ事項は公園横に4枚連続のイエローカード(4日間連続、警告票を貼られる)の自転車があることであった。"イエローカード4枚は退場すべき"に付き、撤去の対象となるので、もし、このまま推移すれば、確実に本日、14:30には撤去となる。

悲しきは
黄色4枚
五月かな



日誌20


2015年5月10日、日曜日、12:30~16:30、遅番、晴れ

母の日はカーネーションからバラ・ユリ・ランへ


今日は日曜日の遅番、前班長の松野さんとの2人組。
私は宮川薬局~駅前~宮川薬局~駅前の順序でパトロール。
2人組の宮川薬局区域担当は公園周りも担当するので、守備範囲は広い。公園横に、前任者達が5月4日と8日に貼ったイエローカード2枚の自転車があったのて、私が3枚目のイエローカードを貼った。
もし、本日もこのイエローカードが無視され、明日もイエローカードが貼られると、計4枚となり、撤去されることになる。
一昨日、取り壊しが始まった店は今日は日曜日で作業は行なわれていないが、昨日の内にかなり作業が進んだようで、店の天井は既に無く、床に廃棄物が散らかり、それらの中に、取り壊しに使われた重機が1台とその運転席に作業員のヘルメットが一個乗っていたのが印象的であった。

今日は母の日、宮川薬局の近くの花屋さんは繁盛する店と見え、次々とお客が出入りしている。
店の前に、売れ筋とみられる商品が陳列されているが、観察していると、今日は母の日、大半のお客はカーネーションに目を向けると思ったが、左にあらず、カーネーションの鉢はせいぜい2000円台止まりだが、お客の視線はより高額な4000円台のアジサイや、更に高額の7000円台のバラ・ユリ・ランの組み合わせ物に行っている。
また、カーネーション関連にしても、売れ筋としてはカーネーション単独よりも、ラベンダーなどとの組み合わせが好まれているようだ。
どうやら、世の中は母の日はカーネーションの通念から多様化が進んでいるようだ。

母の日や
カーネーションに
百合蘭も

アジサイも
母の日飾る
一翼に

駅前をパトロールしていると、ご婦人2名から次々と10分間位、駅の南口に行くので、駐輪禁止区域に駐輪させてくれと頼まれた。
今日は日曜日、しかも母の日なので、目をつぶることにした。

母の日や
愛を持ち込み
ついほろり





日誌21


2015年5月11日、月曜日、6:30~11:30、早番、晴れ、

『百円玉持っていますか?』『持ってないよ。』『そう。』・・変なお嬢さん。


今日は早番、前班長の松野さんと大木戸さんとの3人チーム。
朝一番に公園から外回りの広い区域の清掃を担当、やはりタバコのポイ捨てが多かった。
次いで、駅前~宮川薬局~公園~駅前の順序でパトロールした。
8時前、通勤者の多い時間帯に駅前をパトロールしている時、自動販売機横で30歳台とみられるお嬢さんから、突然『百円玉持っていますか?』と声をかけられた。そこの自販機は100円でいろいろなドリンクが買えるので、私は咄嗟にこれは公務執行中の者へのおねだりと診て、『持ってないよ。』と応えた。すると、彼女は『そう。』と言いながら、なんと、買ったばかりと診られる、未開封のドリンク缶を彼女の傍の自販機の足元に置いて、スタスタと駅舎内に消えて行ってしまった。
私は彼女による、この一連の不可思議な行動をいぶかしく思った。
もし、私が100円玉を持っていたら、私にその缶を買って貰って、自分の過ち買いを補おうとしたのかなと考えたりもした。
私はミーティングの時に、こんなことがあったと話した。そうすると、松野さん、大木戸さんから、自分達はそれを未だ経験していないが、他の班員情報によれば、その100円玉女性は時々出没すると言う。
中には、つい、100円玉を出して、そのまま踏み倒された班員もいるという。
はてさて、変わったご婦人がいるものだと思う。自販機の足元の缶は確かにそこの自販機から取り出されたという確証もなく、中身についても絶対安全とは保証出来ない。まあ、いつか彼女が取りに帰ってくるかも分からないので、そのままにしていたが、私の2度目の駅前パトロール時間中に無くなっていた。誰が持ち去ったかも判らすじまいだが、この不可思議な事象は記憶に残る。
昨日の取り壊し中の店は本日の11:30には重機がコンクリート床に爪を引っ掛けて、はがすところまで進んでいた。現場監督によると本日中に更地にしてしまうとのことであった。
駅前の店の取り壊しとは殺風景だが、公園横の永山家の玄関先では、本日は白色の3輪の花を咲かせた芍薬の一鉢が素晴らしい。

芍薬や
一際目立つ
起立かな

本日、早番のチームとしての赤紙は施錠も無く、乗り棄てたと診られるものとマンションの管理人から撤去方を依頼されたもの、計2台となった。


日誌22


2015年5月13日、水曜日、11:30~16:30、遅番、晴れ、

『助けて下さい。絡まって、取れません。』


本日は遅番、天気予報によると30度になる猛暑日、新参者にとっては5時間の立ち詰め・歩き詰めは、かなりの覚悟がいると思って出掛けた。
最初の1時間、宮川薬局前のパトロール中に、その暑さが吹っ飛ぶ椿事に出くわした。
一人の老婦人が駅舎の方から私に駆け寄り、『助けて下さい。絡まって取れません。』と言いながら、私の手を取らんばかりにして私を駅舎の下の自転車置き場に促した。
そこは「ほほえみパーク」という自転車置き場で駅舎の下にあり、勿論、我々シルバー会の管轄外である。
しかし、その方は市民だし、管轄外と言ってはおれない事態と思い、お付き合いすることにした。
その方が駐輪料金を精算して、自転車を取り出そうとしたが、置き場の間隔が狭いため、隣の自転車のハンドルの所のブレーキ伝達線に、その方の自転車のハンドルが絡まり、動きが取れなくなり、下手に動かすとまた施錠となるというわけだ。
なるほど、駅前の駐輪機はいずれも間隔が狭く、そうした事態は起こり易いと思われる。
そこで、このような事態は焦っても仕方ないので、管理会社に電話するのがベストだよとサジェストした。その方は管理会社と連絡が取れたが、管理会社も手薄らしく、結局、シルバーさん(私)に頼みたいことがあるとのことで、私に電話を替わった。管理会社から私が頼まれたことは精算機械の所に行き、番号操作で絡まった隣の駐輪施錠を外し、両車を動けるようにすることであった。
結果は駐輪を動かすという力仕事を私がせざるを得なかったが、無事動かすことが出来、一件落着した。
管理会社から私が信用されて、駐輪操作を依頼されたわけだが、私もその時は動転していたので、具体的なことは覚えてない。
この椿事をミーティングの時にチームの二人に話すと異口同音に私が操作番号を忘れたことを惜しむ(これは冷やかしだが)とともにシルバー会は信用されているという実感を共有することが出来た。

駅前にはヤマモモの木が数本あるが、この木は枝の張り方と葉の繁り方が良く、その下に丸形のベンチが置かれ、良い休憩所になっている。
しかも、この木は不思議と雌雄異株とかで、駅前のものも2本は実がついている。

山桃や
雌雄異株と
不思議なり

山桃の
雌実しだいに
成長す

本日は駅前の駐輪場管理人から、駐輪の施錠場所に入れずに、傍のフェンスに結びつける常習者が2人居るとして、その2台を撤去対象として貰いたい旨、要請を受け、2枚赤紙を貼ることとなった。
これは遅番に引き継がれ、14:30までに引き取り手が現れない限り、撤去されることになる。





日誌23


2015年5月15日、金曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

『喫煙場所はどこですか?』『ロータリーの対面にあるよ。』『そうですね。ありがとうございます。』


天気予報では昨日に続き、30度と酷暑につき、水分補給を準備。
先ず、1時間、宮川薬局前を中心に清掃。
次いで、公園を中心としてパトロール後、8:30から駅前のパトロールを始めた直後、一人の背広姿の青年が駅舎の階段を勢いよく降りて来て、階段下横の自販機からさっとドリンクを買い、目ざとく、制服の私を認め、『喫煙場所はどこですか?』と訊いた。
彼が買った自販機はその辺りでは割高のものだし、喫煙場所を訊くなど、、おそらく、この駅に下車するのは初めての方だと思った。私が『ロータリーの対面にあるよ。』と応えると、『そうですね。ありがとうございます。』と礼儀正しい。
今どき、喫煙者とはいえ、礼儀正しい青年がいるものだと思い、以降、彼の行動を観察することにした。
彼はロータリーの対面の喫煙場所で、ドリンクと喫煙をした。
実は、喫煙場所の近くには空き缶などを捨てる所はない。一体、彼は空き缶をどのように処理するのだろうかと思っていたら、、

彼は空き缶を持って、戻って来て、買った自販機の傍の収納庫に入れて、その後、懐からメモ紙を取り出して行き先を確かめたようで、所定の方向へと去って行った。
彼の一連の立ち居、振る舞いを観ていると、このようにキチントした青年が今日でもいるのだなあと感心した。
毎朝、ポイ捨てのゴミ拾いをしている私だが、これならば、まだまだ日本は滅びはしないと気を強くした。
次の時間帯は花屋さんが開店され、店前の陳列棚に販促物が並ぶ。
単なるパトロールだけでは折角の機会が勿体ないと思い、売り出し中の花々を見学した。
母の日のカーネーションは値下がりして、特売棚の方に置かれ、メインの棚にはアジサイ、ハイビスカス、バラ、サルビアなどが置かれていく。

母の日の
カーネーションや
脇役に

アジサイや
ハイビスカスが
主役成り

本日は酷暑の故か、不思議と駅至近の駐輪場にも1~2空きが見え、また違法駐輪の不心得者も出なかった。



日誌24


2015年5月16日、土曜日、12:30~16:30、遅番、曇り

『今日は、よろしくね!』 ”馬は首をポンポンたたいて誉めてあげよう。”


本日は山本さんとの2人チームで、宮川薬局前と駅前のパトロールを1時間ずつ交代で2回行った。同じ場所を4時間連続して、立ち詰め・歩き詰めは疲れると思うが、それが1時間ずつだと意外に疲れない。
というのは、時間帯によって会える人が変わってくるし、こちらも単なるパトロールならば面白くないが、新しい出会いならば、積極的に何か参考になりそうなことを聞き出して、単なる時間潰し以上のものを得ることが出来そうに思えるからだ。
今日は13:30からの駅前担当時に、駅前で埼玉県の狭山乗馬センターの販促に来ていたお嬢さんから乗馬についていろいろ話しを伺えた。
狭山乗馬センターは会員数3000人を誇り、私鉄新宿線と私鉄池袋線の沿線駅で販促を行い、毎日平均30人程度の新規会員の獲得が出来ているという。
馬の御し方のコツは何かと訊くと、乗馬センターとしては、先ず、会員と馬とが仲良くなれるところから始めているという。
言うなれば、先ず、ウマがあうようになるのが一番ということだから、これはいいなと感じた。
それには馬とのスキンシップが大切で、最初は馬に乗る前に馬の首筋を撫でて、『今日は、よろしくね!』と挨拶し、次に指導員の助けを借りて、乗馬、少し動いて貰って、馬が動けば、"首をポンポンたたいて"、誉めてあげれば、馬はすぐなついてくれるという。
なるほど、これは人間同士のコミュニケーションにも応用出来そうだと感じた。

今日は午後は雨だという天気予報だったが、朝早く、かなり降ってくれたお蔭か、薄日の天気となり、暑くもなり、隣町の交通公園を目指す親子連れから同公園への行き方を訊かれるまでになった。

路傍の桃の木にも、気がつけば実がかなり、しっかりと大きくなって来たことに、このところ3日間連続の猛暑とこれに続く本格的な夏の到来を感じる。

桃の実や
親指大に
ひと息よ

本日は土曜日、駅至近の駐輪場も余裕あり、不届き者の赤紙候補は無く、イエローカードが6台にとどまった。






日誌25


2015年5月18日、月曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

『2~3分、買い物に行ってきたのに、あんた、何してんの!』『同じ市民なのに、あんたはないでしょう。私は公道に放置された自転車をチェックするのが役目だよ。』


今日は早番、朝一番に公園を中心とした広い地域を清掃、次に1Hずつ、駅前~宮川薬局前~公園~駅前の順序でパトロールした。

先日、更地となった駅前の土地には朝から重機と砂利トラが来て、砂利を撒いてはその上を押しつける工事をしていた。
どうやら、この後地は駐輪場になるらしい。その業者は床造りを今日、1日で終え、後は別の業者が駐輪機を持ち込むらしい。
この後地を使えば、80台程度の収容が出来そうなので、最近の需給状況を診ると、丁度良い線かなと思われる。

駅舎に上がるエレベーター横の公道に自転車が1台放置されていたので、その隣りの県警NOを記録していたら、エレベーターから降りて来た60歳台と診られる男性が、横柄な口調で、『2~3分、買い物に行ってきたのに、あんた、何してんの!』と鋭い口調で声を掛けてきた。
そこで、さすがの私もムーときて、『同じ市民なのに、あんたはないでしょう。私は公道に放置された自転車をチェックするのが役目だよ。』と諭すように言いました。

すると、この男性、『同じ税金使うなら、他に使いようがあるのでは、、』といった、聞いたことのあるような捨て台詞を残して、自転車に乗って走り去った。
このパトロールをしていると、『ごくろうさま』とか『いつも見守り、ありがとう。』などと言って下さる方々が居られる一方、先ほどの御仁のごとく、頭でっかちらしき言いようをされる方もいる。
要は市民として、この種の仕事をどう診るのかという問題であろう。


さわやか駅の北口の西側にあった化粧品店が取り壊しを始めた。産業廃棄物業者に訊くと、このゴミは東京都西多摩郡瑞穂町に持っていくとのこと、取り壊しには1週間位かかるというから、店舗に続いた母屋も取り壊すのであろう。


公園脇の永山家の玄関先のサツキは各種素晴らしい、今、一際、立派に見えるのがピンクと白の花を咲かせ、木の丈もあり、枝も左右に大きく張っているものだ。ご主人によると、よくは分からないが"真如の月"と言えるものに近いのではないかという。

花ぶりも
枝ぶりも良し
サツキかな

本日の早番はイエローカード貼付のもの5台でしめて、遅番に引き継ぎした。



日誌26



2015年5月20日、水曜日、11:30~16:30、遅番、晴れ。

ガムのポイ捨てで、歩道や広場は黒いシミだらけ!「ガムクリーナー」が活躍


本日は遅番、早番の小石、山本、大野の3人組から赤紙が1台ある旨引き継いだ。

私は宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局~公園の順序でパトロール。

化粧品店の取り壊しは重機が入り、店の奧の母屋の取り壊しも始まった。店前にトラックが乗り入れ、それに重機が母屋を壊しながら廃棄物を積み込んでいる。
産廃業者に更地後の用途を訊いてみたが分からない。
一方、駐輪場になる70平方メートル程の土地は隣地と仕切る簡易の柵が張られている。今日のところは未だ駐輪機は入ってない。

宮川薬局前で気がついた物に「ガムクリーナー」が2台あった。
1台につき2名の要員がはりついでいる。その内の1名が四角のポリバケツに公園横の水道蛇口から水を取ってきて「ガムクリーナー」に給水している。
不思議に思って、要員に「ガムクリーナー」の原理を訊いてみると、水を煮沸して130度の状態とし、それによってガムの跡を綺麗に洗浄するという。
ガムの跡とは何かというと、人々がガムを噛んだ後、ペッと吐いたものが、人々によって長年にわたって踏み固まれたものである。
これは言われて、初めて気が付いた。歩道や広場の石畳が黒く汚れている。いわば、人の顔の黒いシミと同じようなものだ。
この会社は町から委託されて半年に一度、定期的に洗浄している。
駅前の広場は駅舎に近いサイトは私鉄鉄道のものだが、こちらの方は洗浄してないので、黒いシミが多数ついている。
町に所有されている広場は本日の定期洗浄が行われ実に綺麗。

荒屋敷公園の桜木2本には足元に丸いベンチがあり、人々はそこで憩い、談笑している。

葉桜や
足元ベンチ
憩いあり

撤去車は宮川薬局前で証拠写真を撮り、回収トラックに引き渡す立ち会いを行った。



日誌27


2015年5月21日、木曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

駅に近いほど駐輪料金は高くなる


本日は前班長の松野さんと現班長の小松さんとの3人組、両先輩からの薫陶を受ける。
今朝は凄い雷雨だったので、どうなるのだろうかと心配したが5時半にはおさまり、風は強かったが、晴れとなり、過ごし易くなった。
先ず、駅前を清掃後、宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局の順序でパトロール。

昨日、隣接地との間に柵を作った80平方メートル程度の空き地には作業員が7名入り、駐輪機設置作業を始めた。
見ていると、料金看板が出てきた。100円で6Hとある。なるほど、これで、駅からの距離によって、値付けが行われたことが分かり面白い。
既存のものは駅舎内と言える「ほほえみパーク」が100円で4H。
次に、駅に近い所にある「サイクルプラザ」が100円で7H。
これらの間に出来たのが、今回の100円で6Hの駐輪場。
駅舎内が4Hと2時間も短いのは雨に当たらないですむからだ。
更に、「サイクルプラザ」の次にある「エコ21ステーション」は100円で8H。
なるほど、駅からの距離によって100円で 4H、6H、7H、8H とは実に面白い。
現在、取り壊し中の化粧品店跡がもし駐輪場になれば、なんと値付けされるのかと考えると面白くなる。

目を転じると公園付近には特徴のある佇まいがあちこちにある。それらの中の一つである梶栗家の庭も見飽きない。
米寿近い当主自ら手入れされている庭は現在、緑したたる状況だが、緑の中で一際目立つのが灰白色のトウヒである。今は背丈がまだ7m程度だが、放って置くと40mの巨木になるという。

万緑に
一際目立つ
トウヒかな

本日は「大衆飲み屋」と「駅前弁当」前の計2台は完全に公道上につき、やむを得ず私が赤紙を貼った。これらは遅番に引き継がれ、14:30までに引き取り手が現れなければ撤去されることになる。



日誌28


2015年5月23日、土曜日、12:30~16:30、遅番、晴れ

駐輪場がもたらす経済効果はいかほどか


本日は早番の小石さん、大野さんから赤紙を1台引き継ぎ、小松班長さんと私の2人組。
私は宮川薬局・公園~駅前~宮川薬局・公園~駅前とパトロール。
本日は42台収容の新駐輪場が完成したところで、駐輪場の収容能力とそれがもたらす経済効果を少し検討して診たいと思う。
さわやか駅の北口から100m以内に存在する駐輪場の収容能力と使用料金は駅舎から近い順で、次のようになっている。
先ず、駅舎内とも言える「ほほえみパーク」の収容能力が103台、使用料金が4H 100円、次いで「サツキパーク」が4箇所あり、内3箇所の収容能力が計303台、使用料金が6H 100円、あとの1箇所が駅から少し遠く、収容能力は102台、使用料金が8H 100円、更に「サイクルプラザ」の収容能力が126台、使用料金が7H 100円。そして、その横の「エコ21」の収容能力が111台、使用料金が8H 100円であり、収容能力は合計 745台となる。
午前9時現在の駐輪場の利用状況はいずれも1割未満なので、週・月給制の事業所に通勤している方は殆ど駐輪場を使っていないと診られる(使っているとすれば、それは後述の収容能力2400台と1800台の駐輪場を月極で)。
駐輪場の使用率は昼にかけて次第に上がり、午後1時頃に満杯となるようだ。
100円での使用時間には4~8Hとバラつきはあるが、200円に及ぶ方もかなりいると診られるので、総じて3割近い方が1日当たり200円使うと診た。
そうすると、ウイークデーだと、1日当たり10万円超えの売り上げとなり、土曜、日曜はその6割程度と診られる。
すると、1月の売り上げは270万円程度、1年の売上は3200万程度となる。
なお、駐輪場としては駅より100m以遠の所に収容能力2400台と1800台の2箇所がある。いずれも1日が100円が基本だが、月極・割引もある。2400台の方は満杯、1800台の方は少し遠く感じるのか、7割程度の操業率にとどまっている。いずれにしろ、駅の至近にある駐輪場がなければ、駅付近は700台を超える自転車が氾濫し、大変なことになることは間違いない。
そうしたことに、我々の存在意義があるのだが、我々が存在するだけで、駐輪ばかりでなく、大きくは駅周辺の防犯に知らず知らずの内に寄与しているわけだ。
本日は炎天下となったが、土曜日につき、荒屋敷公園ではリサイクル・バザーが開催された。
30度近い炎天下だが、幸い公園付近はイヌシデ、カヤ、アラカシ、ユズリハ、エノキ、カエデ、コブシなどの緑が多く、また葉桜の足元にはベンチまである。
そうした好環境に恵まれ、バザーも気分良く開催されているようだった。

若楓
コブシとともに
緑なり

炎天下
緑のお蔭
バザーかな

駅前近くで、防犯登録無し、且つ、施錠無しの1台に赤紙を貼った。






日誌29


2015年5月25日、月曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

公園専用駐輪場に放置するのは単なる放置ではなく、公園専用駐輪場を占拠するから、これは重罪だ


本日は前班長の松野さんと駐輪違反常習者の記録をしている山本さんとの3人チーム。
先ず、宮川薬局を中心に清掃し、公園~駅前~宮川薬局~公園とパトロール。
7:40に公園専用駐輪場に2台、放置されているので、それらにイエローカードを貼付した。
次の時間帯、松野さんがパトロール時に1台、イエローカードを貼り、松野さんが言うには私のを含め、3台とも常習者とのこと。
私の2回目のパトロール時に更に1台、イエローカードを貼り、これも常習者かどうかを隣の宮川薬局をパトロール中の山本さんに確かめたところ、これも確かに常習者とのこと。
従って、午前中にこれら4台が公園専用駐輪場に放置され、しかも、これらは単なる放置ではなく、公園専用駐輪場を占拠していることに気が付いた。
午後、子供達が下校しグループで公園に自転車で来れば、これらの違反駐輪が邪魔をしているので、他所に停めることになる。
つまり、常習者の大人達が子供達の快適な遊びを奪うことになるのだ。
従来は公園専用駐輪場に単なる放置していると考え、イエローカードが4枚(4日間)重ならないと撤去しなかったが、それではいけないのではないかと、新参者ながら気が付いたわけだ。
丁度、その時、公園課の車で若い人が2名来たので、我々は公道に2時間放置されれば、撤去しているのだから、公園専用駐輪場への放置は単なる放置ではなく、この専用駐輪場を占拠することになるので、即刻撤去しても然るべきだということを公園課長に伝えて欲しいと申し上げた。(公園課で現行のルールを見直し、人材センターに連絡すれば、以降これらの違反車は撤去の対象となる)
このことを遅番への引き継ぎ時に述べたところ、皆さんも言われてみれば、その通りだが、シルバーセンターと公園課の連絡がうまくいって、すぐ発動出来るかどうかは別問題だという雰囲気だった。
私は民間しか経験ないので、どこかの町の「すぐやる課」のように動いて貰いたいものだと一市民として感じた。

公園横の永山家の玄関先は毎日のように役者が代わるようで楽しくなる。
今日は鮮やか黄色の花が咲いているので、ご主人に訊くと、「日光キスゲ」ではないが、それに近いもので珍しいので、実は今日の午後、隣町で開催される花の会に出品しょうと思っているとのことだった。

また一つ
玄関先に
黄菅咲く

本日は炎天下、駅前のタクシー乗り場で、ご老人がカーゴを片手に待っていたが、カーゴの故か、最初の1台からは乗車拒否にあったようで、立ったまま、待っていて、無帽だったので熱中症にでもなれば大変だと心配したが、2台目はOKだったようで、この間5分超、長く感じたが、安堵した。






日誌30

2015年5月27日、水曜日、12:30~16:30、遅番、晴れ

『隣町の方々にも福音を、、』


本日は前班長の松野さんと現班長の小松さんとの3人チーム。
私は駅前~宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局とパトロール。
今日は水曜日なので「ものみの塔」の方々が「さわやか駅」の両サイドにラックを立ててPRしている。
「さわやか駅」の両サイドというのは右側は主に隣町方向の出入り口となっていて、左側は主に我々の町の出入り口となっている所である。
隣町方向の出入り口となっている所に一人の50代と見られる「酔っ払い」が来て、「ものみの塔」の方に創造主とは誰か、エホバとは誰か、カソリックとは誰か、アラーとは誰か、ヨハネとは誰か、日蓮とは誰か、ダーウインは信じないか、何故君達は輸血を拒否するのかなどと次々と話し掛けている。
「酔っ払い」は250ccのハイチュウを4本目だとか言っているが、言っている内容は若いときはカソリックを勉強したというだけあって、私よりもこうした宗教的なことに詳しいようだ。
そばから聞いていると、そう大きな声を出しているわけではなく、酒を飲んでからんでいる風にもみえないが、最初の60歳台の「ものみの塔」の方はこの「酔っ払い」に対して適当に応えていたが、10分間して、次の30歳台の男性の「ものみの塔」に代わるとさすがにそうまともに応えていくことは出来そうになくなってきたとみえて、「酔っ払い」が次のハイチュウを求めに駅舎の中のスーパーの方へ姿を消した隙に、その30歳台の方はラックごと立ち所を駅の左側の我が町の方に避難した。
そうなると我が町の方に2組の「ものみの塔」が並ぶことになった。
そこへ、くだんの「酔っ払い」が新しいハイチュウを片手に現れ、また、「ものみの塔」の方々へ向かおうとする。
それでは、酔っ払ってからむような感じを周りの方々に与えるのではないかと危惧して、私がその「酔っ払い 」を隣町方向の出入り口で相手にすることにした。彼の創造主談話に相槌を打ちながら、「酔っ払い」を駅前から退去するように次第に仕向けていった。
幸い、「酔っ払い」にとって時刻は昼食前ということも手伝って、その「酔っ払い」を駅前から退去させることが出来た。
この「酔っ払い」は酒に強く、自転車で走り去った。その足腰の強さには感心した。
私は今日はこの「酔っ払い」はまた現れることはないと判断して、我が町の出入り口の方に避難した「ものみの塔」の方に『隣町の方々にも福音を、、』という我ながら名言を吐きながら、元の立ち所への復帰を促すことが出来た。
隣町の方向に出来た新駐輪場は収容台数は42台だが、これは本日午後には満杯となった。
我が町方向の元化粧品店の取り壊しは完了し、更地となっている。もし、これが駐輪場になれば「さわやか駅」の駐輪収容能力は万全になると感じた。(勿論、従来の駐輪機の間隔の狭さでは、出し入れはハンドルの箇所が相互に引っ掛かり易いという難点は残るが、、)
本日の永山家の玄関先は主がキスゲの鉢とともに隣町の品評会に参加されたようで留守であった。
しかし、花弁の大きさはこぶりながら紅色の皐月がしっかりと主の居ない玄関先を守っていた。

五月さん
主無しとて
留守居役

公園専用駐輪場には今日はイエローカードが6枚。子供達の駐輪は別所に、これは確かに問題。町の公園課固有の問題にせねばと痛感した。






日誌31


2015年5月28日、木曜日、6:30~11:30、早番、晴れ

猫は猫好きが分かる


本日はデータ取りの山本さんとバイクに強い小石さんとの3人組。
私は朝一番に駅前を中心として清掃、次いで宮川薬局~公園~駅前~宮川薬局の順にパトロール。
公園近くの私のパトロール区域には猫に関する著作と猫にちなんだ小物を売っている、かなり著名な方が居られる。
この方の自宅の庭先は「ネコとのふれ合い広場」と描かれた小さな看板が掲げられて、猫が手足を伸ばして眠れる猫の家がある。
その猫の家にはトラ生地の割合大きなネコがいる。
私もトラ生地の大きなネコを飼っているので、「ミヤーン」と呼んでみた。するとなんと私の存在をすぐ認めてくれたようで、ネコの家から出て来て、私の足元にすり寄って来てくれた。
ふれ合い広場と言われる位だから、日頃からこうした突然の訪問客に猫は慣れているのであろうが、それにしても私の初めての訪問に対して的確に対応してくれるとはありがたい。
この方の家の玄関には「飼い主のいない猫を救う会」のPR文書も見られるので、その内、猫に関係されていることの全貌を聴きに訪ねたいと思った。
今日は悪質と診られる駐輪を目撃した。
一人の青年が公園近くの郵便局の駐輪場に8:50、郵便局の開店前に駐輪し、急いで駅の方へ走り去った。この手慣れたしぐさを観察していると常習者と診られる。
これなどは、もし郵便局の管理者がこの自転車を郵便局の前の公道に午前中に移動してくれれば、我々の管轄となり、赤紙が貼られ、14:30には撤去されることになるのだ。
本日も公園専用駐輪場に朝から5台も駐輪されている。山本さんのデータによると、これらはいずれも常習者で、赤紙を貼られ、直ちに撤去される対象にはならないと確信しているようだ。
しかし、これも町の公園課がこれでは午後、下校後の子供達の駐輪場を妨害していることに気付き、道路課に撤去を依頼することになれば我々の管轄になるのだ。
世の中の出来ごとの判断はちょっとした観方によって変わって来るものだ。
先ずは、これからの公園課の動静に注目したい。
駅前の街路樹として植えられている6本の山桃は、その枝ぶり、葉ぶりからして素晴らしく、「この木、何の木」と話題にしても良い位だ。
この木、雌と雄とがあり、雌の木は実がなり下に落ちて、人の衣服を汚す恐れがあるので、ベンチは置けない。
一方、雄の木は花は咲けども実が成らずで、衣服を汚す心配がなく、樹下にベンチを置ける。

山桃や
実成りの下に
ベンチなし

山桃や
花咲く下に
ベンチあり

本当に、世の中の万物は調和が取れているものが多いのだなあと気付かされる。
本日は駅前の赤紙1台を遅番の大沼さん、大野さん、浦野さんの3人チームに引き継いだ。






日誌32



平成27年5月30日、土曜日、11:30〜16:30、遅番、晴れ

公園専用駐輪場に14台も大人達が違法駐輪・占拠、子供達は他所に駐輪


今日は前班長の松野さんとの2人チーム、早番の大野さんと大木戸さんの2人チームから引き継いだ。
私は宮川薬局・公園からパトロール、先ず、目にしたのが公園専用駐輪場に違法駐輪されている自転車14台。
朝一番に大野さんが貼ったイエローカード3枚に私が12:30分現在イエローカード11枚を貼り足した。
これらの計14台はいずれも大人達の車だと診られる。というのは公園には大人の姿は全くない。つまり、通勤などで大人達がこの公園専用駐輪場に違法駐輪し、しかも占拠しているわけだ。
案の定、観ていると子供達が次々と自転車で公園に集まって来るが、この専用駐輪場は使えず、他所に留めざるを得ない。
やはり、この現象は正さねばならないと痛感した。

この土曜日に、もう1つ痛感したことがある。
それは、今日は土曜日だから郵便局は休み。ところが、13:15分現在、この郵便局の駐輪場に16台もあるのだ。
つまり、本来、有料駐輪場にあるべき合計30台が公園と郵便局とにあるわけだ。
今日は土曜日で、午後1時でも有料駐輪場はかなり余裕があるのだから、100円を節約しょうとしなければ簡単なことだ。金は天下の回りもの、回転さえ良ければ、皆ハッピーだよ。
これらは、公園課と郵便局がそれぞれ、どう診るかによる問題だが、我々も注視しなければなるまい。

タクシー乗り場の前で、男性が折り畳み式の高級自転車を折り畳むのに苦労しているようだ。訊いてみると、この種のものは日本は製造してなく、英国製。折り畳み、電車内にも持ち込める。この折り畳み箇所の止め金が壊れて、組み上げることが出来ないとのこと。
しかたなく、今日は車で帰らざるを得ず、奥さんを呼び、奥さんが車で到着。
このような場合、この「さわやか駅」のロータリーはうまく出来ていると感じた。

駅の左側の出入り口の所に狭いながら舗装されていない所があり、そこにドクダミの白花がかなり咲いている。
松野さんに花の名を確認かたがた訊いてみると、松野さんの庭にもかなり多くのドクダミがあり、それらを葉・茎・根共に乾かし、毎日飲んでいて、味は麦茶のようだとのこと。
道理で松野さんは私よりもかなり年輩だが、すこぶる元気そうだ。

ドクダミや
毒も変じて
すべて薬

駅から、やや遠方の駐輪場につながる道の傍の桃の実も4cmx3cmの大きさになって来た。

桃の実や
親指大へ
一息よ

以上、2ヶ月間にわたる私の体験的「さわやか駅前用心棒」は終わるが、今後もこの「さわやか駅前」を守るために1町民としてブログを続けて行きたいと思う。