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ゴールテープはスタートラインへ。 初期メンバーふたりが語るサイトリニューアルの裏側

2019年2月、ゼネラルパートナーズは障がい者のための求人転職情報・雇用支援サービスサイト「atGP(アットジーピー)」をリニューアルオープンしました。オープンさせたメンバーはどんな想いを抱き、チームとして歩みを進めたのか。サイトオープンの裏側について、スターティングメンバーのふたりが語ります。


就労機会の拡大に向けた第一歩、ついにサイトがリニューアルオープン!その裏側は?

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▲構想から約2年かけてリニューアルした「atGP」。求人以外にも各サービスの情報や就転職のお役立ち情報も満載


宍戸塁と徳永惇士は、2017年10月に発足したatGP求人メディア事業部のスターティングメンバーです。 メディア事業部のミッションは、「就労意欲のあるすべての障がい者に就労機会を提供する」こと。

このミッションのもと、これまでサービス提供が難しかった地方の就労機会提供や、スカウト代行サービスによるマッチング精度の向上などを、リニューアルオープンにあたりサービス設計していきました。

メディア事業部にとって、ミッションはサービス設計の指針となるだけではありません。メンバーは様々なバックグラウンドを持ち、それぞれの個性も大きく異なりますが、「ミッションを実現していきたい」という強い想いのもと結びついています。

徳永 「地方出身で、地方の障がい者雇用に問題意識を持っているメンバーも多い。職域や対象業種を広げることで、まだ GPのサービスを届けられていない方に提供していきたい、お客様の期待を裏切りたくない。このサービスを多くの方に使っていただきたいんです」
宍戸 「メディアは柔軟にできることが多いので、先進的な事例をつくっていけるんじゃないかと可能性を感じています。就労意欲のある障がい者個人の選択肢をどんどん広げ、その事例をつくりたいです」


そして2019年2月16日、様々な想いを乗せたサイトがついにリニューアルオープンしました。ミッション実現のための大きな一歩を踏み出せた瞬間に全員が盛り上がる一方で、徳永が覚えた感情は、喜びだけではなかったと言います。

徳永 「 2月 16日土曜日の深夜 0:00にリニューアルオープンされるとのことだったので、求人原稿のアップロード作業を完了してからみんなで前祝いをしていました。大いに盛り上がり終電で帰ったのですが、帰りの電車の中でもみんなメッセンジャーで、公開されたばかりのサイトのスクリーンショットを送り合っていましたね。『やっとオープンした』という余韻が続いていました。
僕個人にとってもサイトのオープン自体はとても嬉しい瞬間でしたが、僕のミッションはお客さまにスカウトサービスに期待を感じてもらい、使っていただくこと。『実際にどれだけのお客様がスカウトサービスを使ってくださるだろうか?』と不安な気持ちはぬぐえませんでした。

でも翌朝、サイトのオープン直後から何十人もの方がスカウトサービスに申し込んでいただけたことを知り、『本当にリリースされたんだ』と、やっと実感を持ったんです。それと同時に『これからがいよいよスタートだ』と武者震いするような感覚になりました」


リニューアル後、これまでなかなかご支援できなかった東名阪以外のエリアの方や、カウンセリングに来ることが難しい方が、スカウトサービスを使って就職されています。様々な事例が実際に生まれ始めていますが、リニューアルオープンへの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

宍戸と徳永はメディアリニューアルに際し、開発の不具合を理由とした遅延を3回も経験しているのです。


長く正解のないシビアな仕事。どんな失敗もどんな恥も前進の一歩と信じて

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▲2018年夏頃の宍戸(左)と徳永(右)。経験や立場も違うが、同じビジョンを追って奮闘する


遅延した3回のうち2回は、すでにお客様への営業を開始し、契約もいただいているタイミングで起こりました。メンバーを襲ったのは焦燥感や不安、それは徳永も例外ではありませんでした。

徳永 「『やばいやばいやばい……』という気持ちで頭がいっぱいになりました。でもそれよりも、チームのメンバーがやり場のない失望や怒りに襲われているのを見て、『なんとかせな、でもどうしよう?』と。そこでグループチャットに自分の率直な想いを投稿しました。
『 2度の遅延で、打ちのめされてやる気も何もなくなったかもしれない。でも、だからって環境を変えて、違う船に乗り移るのはおもしろくないよ。沈みかけたこの船で、もういっぺん目的地を目指そうよ』

反応は数件の「いいね!」だけでしたが、僕ができたのはこういった声をあげることだけでした」


当時の徳永は新卒2年目。数年前まで学生だった時の試験勉強とは違う、長期的で正解のない仕事の厳しさを感じたと言います。

徳永 「振り返ってみてこの遅延から学んだものは、『大のオトナが必死でやっても失敗することってあるんだ』という、とても当たり前なことだったと思います。
仕事って、本当に厳しいんやな。 こんなにたくさんのオトナがお金も時間もエネルギーも費やして、頑張ったのに失敗する。 報われない。当時の僕は新卒 2年目で、そういった事実から、仕事は成果を出してこそ “認められる ”ということを感じました」


一方で宍戸は、シビアな現実を目の前にしてもなお、リニューアルオープンに向けて準備を進める手を止めませんでした。常に前を向く姿勢には、前職で初めて新規事業立ち上げに関わった時の経験が生きていると言います。

宍戸 「当時のチームは 4人ほどの少人数で、周りは圧倒的な実績と経験を持った人たち。ですが新人だった僕は何もできないまま 1週間が過ぎてしまったんです。その時に上司を引き留めてこう言いました。『恥を忍んで言いますが、僕は何をすればいいのかわかりません。 1週間考えましたがひとつもわかりません』と。
そうしたら上司は、『それを言うのが最初の一歩なんだ。みんなこの 1週間お前が何もしなかったのなんてわかってる。そこでプライドを捨てて、何をやればいいのか聞けたのが最初の一歩なんだ』と言ってくれました」


プライドを捨てて踏み出す勇気を教えてくれた上司の言葉は、今でも宍戸の背中を押してくれています。

宍戸 「メディアリニューアルが延期したことはとても辛い出来事でしたが、一歩後退したと自覚できたことが次につながりました。なぜ後退したかがわかれば、次はそれを避けられる。それは大きな意味では一歩進んだということです。どんな失敗もどんな恥も、すべてが前進である。 そう思っています」


「みんなで話してみんなで決める」メンバーの意見から成長していくチーム

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▲全員がサービスやチームの成長を考え、主体性ある働きぶりを発揮。2018年度全社表彰の特別賞に輝いた


そんな前向きな宍戸が率いるメディア事業部には、17名のメンバーが所属しています。実は2017年10月の発足当時、宍戸、森田、徳永のたった3名しかいなかったチーム。そこから2018年4月に新人8名が加わり、中途採用メンバーも加わりながら、1年半かけてチームが拡大していっています。発足当初からチームを見ている徳永は、最初にメンバーが増えた際に様々な驚きがあったと言います。

徳永 「 3人の頃は、宍戸さんも森田さんもベテランで、自分だけ新卒 1年目。チームの雰囲気に和やかさはあるけど、先輩たちの細かい感情の揺れは見えませんでした。でも新人が入ってきて、泣いたり笑ったりという場面を目にするようになって、びっくりしましたね。表情が豊かになったんです。
またそれまでの少人数で進めていた時と違い、バックグラウンドの異なるメンバーが、一人ひとり事業に関わっていくことを感じました。たとえば新入社員の板谷さんは、『事業方針を腹落ちさせるために全員でワークショップをしてみたい』と言ってきてくれて。『私達がサービスにまつわる意思決定をする上で、明確な判断軸が必要だと思う。改めて自分たちのミッションや目指す方向性を言語化しませんか』と。確信をもって話してきてくれてすごいなと思いましたね」


事業部長としてチームを率いる宍戸も、メンバーの加入によってハッとさせられることがありました。

宍戸 「これまでの業務は『だいたいこうだろう』と 3人の経験則で進めてきたので、新しいメンバーに『なんでこうなんですか』と理由を求められた時はハッとしました(※宍戸のストーリー参照)。
同時に、人が多いと視点や意見も広がるので、広げたものをまとめるスピードを遅くしないことを意識しています。そもそもメンバーの意見を聞かなきゃいいって話なのかもしれないですが、チームの方針は『みんなで話してみんなで決める』。入ったばかりの人にも意見を求めます。『それ前に決めたじゃん』ってことをまた考え直そうと提案されることもありますが、強引に却下せず一度吸収するようにしています」

実はリニューアルが延期になる可能性が初めて出てきた時に、宍戸はメンバーに余計な心配をさせたくなく、そのことを黙っていました。しかし、実際に延期が決定した時、メンバーからはこう言われたのです。

『宍戸さんが一番重要なことを隠しているじゃないですか。もっと私たちにできたことがあったかもしれないのに』

宍戸 「メンバーには『お客様に自分がサービスを提供しているんだ』という意識が強く育っていて。すでに力になれない不甲斐なさやお客様への申し訳ない気持ちがその言葉に滲み出ていました。自分がつくりたかったのはもっと違うチームだったはずだ、と目を覚まさせられた機会でした」
メディア事業部では、メンバーが増えてもあくまでボトムアップにこだわっています。


ともに歩んだふたりのこれから──すべてはより多くの就労機会を生み出すために

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▲まるで正反対な性格のふたりだが、プライベートもとても仲が良い
メンバーの声を取り入れつつ上手にまとめるリーダー・宍戸を、徳永は柔軟で寛容な人間だと感じています。


徳永 「僕は堅い人間なのでタメ口は戸惑いますし、年上の方への話し方とかは気にしてしまいます。でも、宍戸さんは話している内容そのものを見ていて、『やり方はなんでもいいですよ』というスタイルです。
また、感性が独特なんですよね……。本気で “アホ ”を演じる、というのが信条。宍戸さんはよく自分の信条を、プロレスでたとえるんです。『プライドを捨てろ、痛みを怖がるな、お客様を喜ばせることを考えろ』と。例として適切かどうかはわかりませんが、この前は突然アントニオ猪木引退宣言の YouTubeリンクが送られてきたんです。しかも何のコメントもなしで」


個性的なやり方で多様なメンバーを率いる宍戸。一方で宍戸は徳永について、こう話します。

宍戸 「技を仕掛けられたら必ず受ける……。プロレスラーってすごくないですか?!普通よけるでしょ。でもあえて受ける。自分の痛みなんかより、観客に与える勇気や感動がどれだけ大きいかわかっているからです。

この興奮を伝えたくてせっかく動画で送っているのに、惇士は『宍戸さんが伝えたいのはこういうことですか?』と言葉にして返してくるんです!これってナンセンスなんですよ。僕は動画で送っているのだから、アンサーも動画で返してほしい。

惇士も本気で “アホ ”になれるポテンシャルをすごく秘めている。でもインテリだし、すぐ言語化するし……。仕事上で悪いことじゃないんですけど、でも変に説明せず、きれいに整理しすぎず、わーっと開いていけばもっと人がついてくると思います」
今はうまく緩衝材役を担ってくれているが、そういうリーダーシップも見たい──。独特なコミュニケーションの裏にあったのは、徳永の成長を願う、宍戸のあたたかい目でした。

徳永 「今までは宍戸さんに報告したら仕事が完結してたんですけど、これからは横にも斜めにも介してチームを動かさないといけない。そこをもっとうまくできる “ハブ的な存在 ”になって、組織を動かしたい。今はそう考えています。

実際、あんなに『ゴール』として心待ちにしていたリニューアルオープンが、リリース日を境に『スタートライン』に姿を変え、ゴールがまた遠く見えなくなったようなイメージです。まだまだ道半ばだということを日々感じています。

それでも実際に決定が生まれ、お客様に感謝の声までいただけた時は心から嬉しかった。これからも壁にぶつかり続けるとは思いますが、今までサービスを届けられなかった方にも届くような、より多くの就労機会を生み出していきたいです」
ふたりをはじめとする事業部メンバーは「メディア単体で利益を追って売上をあげたい」ではなく、「障がい者雇用自体の質と量を高めていく」という想いで働いています。その想いの実現をゴールとすれば、メディアのリニューアルオープンはあくまでもスタートラインに過ぎません。

これからもメディア事業部は「就労意欲のあるすべての障がい者に就労機会を提供する」というミッションのもと、サービスを進化させていきます。

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