6.地味な事務手続の話

この記事は、地味な事務手続の話ばっかりします。

【提出書類 白色の場合/青色の場合】
【記入方法 ネットor手書き】
【提出方法 税務署持ち込み or 郵送 or e-Tax】

の3つの話をしているだけですので、必要な部分だけ読むようにしてくださいね。

【個人事業主の確定申告での提出書類】
※お笑いの仕事(事業所得)と、アルバイト(給与所得)の2種類の所得であるという前提です。

○白色申告をする人
・所得税の確定申告書B様式

→確定申告書には、A様式とB様式があるので注意。2ページ+添付書類台紙があります。
・収支内訳書
→事業所得に関する情報をまとめる書類。
2ページあります。

○青色申告をする人
・所得税の確定申告書B様式

→白色申告と同様。
・決算書
→事業所得に関する情報を書くための書類ですが、白色申告で出す収支内訳書より詳しい。

※今回が初めての申告となる人で、まだ個人事業主として開業登録を行っていない人は、
「個人事業主の開業届」もあわせて提出することになります。

※以前にも書きましたが、青色申告の事前申請を行っていない人はもれなく白色申告になります。このnoteはビギナー向けに書いているので、白色申告をするものとして、所得税の確定申告書B様式及び、収支内訳書の書き方を主に解説します。

【書類への記入方法】
さて、これらの提出書類にどうやって記入していくかですが、

・紙面に手書きして提出する
・ネット上で作って提出する

の2パターンが想定されます。

理想的なのは、「ネット上で書いて提出する」だと僕は思っています。
国税庁の確定申告等作成コーナー
(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm )や、各種クラウドサービスを使うと、初心者でも分かりやすいガイドに基づいて記入できますし、税額や給与所得控除の計算を自動でやってくれるため、計算ミスも減ります。今後の確定申告もネット対応の方向で発展していくと考えられるので、出来ることならネット上で書いていくべきです。(ネット上で書いたものは、勿論印刷出来ます。)

しかしながら、ネットの適応環境の問題があったり、こういうのは気分的にも紙にペンで書いていきたい(スマホが普及してもネタの台本は手書きしたい的な)人もいると思います。

「紙」の書類をゲットする方法は以下2つあります。
①国税庁のHPからダウンロード・印刷する。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/yoshiki.htm

②税務署に行って手に入れる
お近くの税務署でも書類は手に入ります。その際注意が必要なのは、いずれの書類も同じフォーマットながら[提出用]と[控用]の2種類がある点です。
実際に税務署に提出する際には「提出用」と記載してある用紙しか受け取ってもらえません。厳しい…。
(提出用の書類は、提出したら一生手元に返って来ません。ですがそれじゃあ名残惜しいとか、提出後に申告内容を確認する必要が生まれることに備えて、「控え用」も書いておくのです。)

【提出方法】
提出資料が分かり、記入の仕方(詳しくは次の記事以降)も書きましたが、最終的に確定申告書類一式が完成したら、どうやって税務署に提出するのか、3つの方法を確認しておきます。

①税務署に持参する
愚直なスタイル。手間はかかりますが、平日の税務署が空いている時間に、確定申告書一式を持っていって提出することが出来ます。
確定申告シーズンの税務署は長蛇の列ができていることがありますが、完成した確定申告書を提出するだけなら意外とスムーズに行きますよ。また、基本的な体裁面での不備が無いかその場で税務署の職員さんが軽くチェックしてくれるので、添付書類の漏れや印鑑の押し忘れなどが合った場合、確認することが出来ます。(必要な場合、控え用の書類にも受領印を押してもらえます。)

②税務署宛に郵送する
直接税務署に行かずとも、確定申告書一式を管轄税務署へ郵送する方法もあります。
この時、もし控え用書類にも受領印が欲しいのであれば、控え用の書類と、切手を張り付けた返信用封筒も同封しておくことで、返送してもらえます。
ただし!誤りがあっても郵送時には誰も教えてくれないので、添付書類漏れがないか等、入念にチェックしておきましょう。

③e-Tax
確定申告書をネット上で作成している場合、直接赴かずとも、郵送せずとも、そのままネット上で提出手続も済ませることが出来ます。これがe-Tax。非常に便利なサービス。
ただし、e-Taxでの提出には、事前準備が必要です。
(1)手元にマイナンバーカードが手元にある方は、それを読み取るICカードリーダーライタの調達を(マイナンバーカード方式)。マイナンバーカードがない方は、顔写真付きの身分証明書を持って管轄の税務署に行き、e-Tax用のID・パスワードを発行してもらいます(ID・パスワード方式)。
(2)e-Taxを行うためのPC環境の整備等を行います。これが終わっていないままに締め切り直前を迎えてしまうと悪夢が待っているので、前もって必要なものと動作環境チェックをしてみて、e-Taxでの提出が出来ることを確認しておいて下さい。(マイナンバーカードの発行は、申請後おおよそ2,3か月くらいかかりますので、確定申告シーズンに入ってから申請し、3月中にマイナンバーカードをゲットするというのは難しいです…)

事務手続の話は以上です。長い。

次の記事からは、最も難易度が高いであろう「紙面に手書きしていく」を選んだ方向けに、提出書類の書き方を説明していきます。

※ネットで申告している方々へ※
確定申告書等作成コーナーやクラウドサービスによって記入している場合でも、ただガイドに従っているだけだと、おかしな入力漏れを引き起こすことがあります。例えば、「確定申告書等作成コーナーでまず収支内訳書を作成し、それを吸い上げる形で確定申告書を作成したところ、源泉徴収税額が0円のまま確定申告書が完成してしまった」というケース。
源泉徴収されている収入の内訳の入力画面にて、源泉徴収税額を入力する必要があるのですが、そもそもの処理の意味が分かっていないとこういったミスに気付かず提出してしまいかねません。
確定申告書等作成コーナーやクラウドサービスによる作成を選んだ方も、作成した確定申告書の見直し用に次以降の記事を使って頂ければと思います。

投げ銭も事業所得に計上する所存です