3.「収入」と「所得」は全然違う言葉

公認会計士兼税理士芸人の、Gパンパンダ星野です。

お笑い芸人の知り合いから、「年300万収入あったら税金いくらくらいなの?」といった具合で質問されることが多々あります。ですが、収入を聞いただけでは、税額を答えることは出来ないんです。

なぜなら所得税は、収入ではなく、所得に税率をかけて計算されるからです!

「…は?」ってなりました?少なくとも僕は勉強を始めたての頃、ここで「…は?何が違うの?」ってなりました。
 
「収入」と「所得」という言葉は、実は全く異なる意味なんです。
確定申告書にも、「収入」を書く欄と、「所得」を書く欄が度々出てきますが、混同していると大変なことになるので、この違いは是非とも押さえておきましょう。
 
「収入」という言葉は、「入」ってきた金額=売上のことです。
個人事業主の仕事でもらった報酬(お笑い芸人で言うならば、事務所から振り込まれたギャラや、ライブや大会で優勝した賞金など、お笑いで稼いだお金全般)を指します。
 
「所得」という言葉は、「得」をした金額=利益のことです。
例えば自分が個人事業主で、自家製パンを1個100円で売ったとします。
収入は100円ですが、材料費や人件費などで、パンを1つ作るのに60円のコストがかかったとすれば、所得は100-60=40円です。

お笑い芸人の場合も同様です。
ライブに出てギャラを2,000円もらったとします。収入は2,000円です。
その一方ライブ会場までの往復交通費や披露するネタの衣装代・小道具代のコストの合計が3000円だとすると、
そのライブの所得は、2000 – 3000= - 1000円(利益が出るどころか、1000円の赤字)になります(若手芸人の収支はこれくらい厳しい…)。
 
つまり、個人事業主の所得は、【収入-経費=所得】として計算されます。
 
今、「個人事業主の」と限定したのは、そういう計算式にならないケースもあるからです。
所得というのは、所得税法上、10パターンに大別されているんです。
このうち上記のように自分でビジネスをやっている個人事業主の所得は、「事業所得」と呼ばれるものです。
 
一方で、サラリーマンやアルバイトのように、誰かに雇われて月給制・時給制で働き、お金を稼ぐものは「給与所得」と呼ばれます。
 
給与所得の場合、収入額は働いた時間や日数で決まります。
ちょっと考えてもらいたいのですが、アルバイトのコンビニ夜勤のために、コンビニ経営を勉強したり、エプロンの下に履く上質なデニム(?)を買って出勤したとて、時給1,100円なら1,100円のままですよね?(なんか冷たい言い回しに聞こえたらごめんなさい)
仕事の為に費やしたお金が多い人も少ない人も、時給1,100円っていう契約ならみんな同じ収入しか得られないのです。
そんなわけで、給与所得において、「経費」の概念はありません。その代わり、「給与所得控除」といって、収入の額に応じて、一定金額を引いて所得を計算することにしています。
 
つまり、
給与所得は、収入-給与所得控除=所得と計算されるのです。
 
ではその給与所得控除がどれくらいの額か、国税庁のHPに載っています。
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1410.htm

 
【例① バイト代の収入が年間2,000,000円の場合】             
給与所得控除:2,000,000×30%+180,000=780,000円
バイト代の給与所得:2,000,000-780,000=1,220,000円
 
【例② バイト代の収入が年間1,500,000円の場合】             
給与所得控除:1,500,000円×40%=600,000円
これは「650,000円に満たない場合」にあてはまるので、
給与所得控除の額は650,000円。
バイト代の給与所得:1,500,000-650,000=850,000円
 
はい。ここまででもう、こんな計算無理過ぎて吐いちゃってる人がいるかもしれません。
 
無理しないで大丈夫です。ここの計算が完璧に分からなくても、確定申告は出来ますので!
 
【事業所得・給与所得以外の稼ぎがある人】
10種類の所得のうち、このほかの8つの所得についても説明したいのですが、これは是非国税庁のホームページ等を確認するようにして下さい。
これらの所得があった場合には、事業所得・給与所得に加えて申告が必要になるのですが、その場合の解説までは現段階(2019年2月)では書ききれないので、ちゃんと調べて申告するようにして下さい!
 
【まとめ】
①「収入」という言葉は、「入」ってきた金額=売上を意味する。
②「所得」という言葉は、「得」をした金額=利益を意味する。
③事業所得については、所得=収入-経費
④給与所得については、所得=収入-給与所得控除
⑤ ③と④以外にも、あと8パターンの所得がある。個人事業主としての仕事とアルバイト以外に稼ぎがある人は、ご自身で調べて申告が必要かチェックしてください。
(余裕が出たら星野も解説します!)

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投げ銭も事業所得に計上する所存です

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Gパンパンダ星野光樹(ほしのこうき)です。平成30年度NHK新人お笑い大賞。公認会計士と税理士の資格を持っています。《Youtubeチャンネル》https://www.youtube.com/channel/UCtVEAes7EgR9TRGQ5qLDvUg

コメント1件

いや、こうした実際の数字が大切ですよね。文字を書くのと数字の計算は次元が違う。でも人の性格というか数字とか記号に強いタイプはいますよね。私、その反対ですから困りました。
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