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自組織のパフォーマンスを競合やベストプラクティスと比較します

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
 4.1 組織のパフォーマンスの測定、分析、改善では、組織の計画立案とパフォーマンスの向上をサポートするために、パフォーマンスの測定、分析、およびレビューのためのデータと情報をどのように選択して活用しているかを尋ねます。

 6つのプロセスのカテゴリー(カテゴリー1~6)に対応する結果は、それぞれに対応するパフォーマンスを測定し分析した結果です。結果の評価は、そのレベル(数値情報なら数値そのもの)、傾向(時間軸で見たときに改善に向かっているか)、比較(他の組織やその他適切な比較対象との比較)、統合(組織の目的に沿った結果か)の4つの軸で行います。

 ここではその一つ、比較のためのデータや情報について尋ねます。

(2)事実に基づいた意思決定をサポートするために、比較データと情報をどのように選択していますか。
(Baldrige Excellence Builder 2021-2022より。翻訳筆者)

 選択した比較のためのデータと情報は、業務運用における意思決定、および、戦略上の意思決定のために活用されるものです。比較データと情報は、ベンチマークキングおよび競合比較調査によって入手します。
 ベンチマーキングとは、業界内外の同様の活動のベストプラクティスとパフォーマンスを表すプロセスと結果を見出すことです。
 競合比較とは、競合組織および同様の製品やサービスを提供する他の組織のパフォーマンスと比較することです。

 比較データと情報を活用することは、すべての組織にとって重要です。それらを活用する主要な前提は次のとおりです。
• 組織は、競合他社やベストプラクティスと比較して、組織の位置づけを把握する必要があります。
• 比較情報およびベンチマーキングから得られる情報は、多くの場合、画期的な改善すなわち変革の推進力となります。
• パフォーマンスに関する情報を比較することで、多くの場合、プロセスとそのパフォーマンスをよりよく理解できるようになります。
• パフォーマンスの予測と競合他社のパフォーマンスの比較により、組織の優位点だけでなく、イノベーションが必要な課題領域が明らかになる場合があります。
 比較情報は、コアコンピタンス、提携、およびアウトソーシングに関する、事業分析や意思決定にも役立ちます。

 比較データと情報を効果的に選択するのに必要なのは、業界と市場の内外から、ニーズと優先順位を決定し、比較のための適切な情報源を探すための基準を確立することです。

 比較データと情報を効果的に使用することで、ストレッチ目標を設定し、組織の競争戦略上最も重要な領域における主要で非連続的な(「画期的な」)改善を推し進めることができます。

 ベストプラクティスや自組織のレベルをはるかに超える競合のデータと情報が存在するということは、それが到達可能であることを示しているからです。

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 筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。

 

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