P.2a(2)競争力の変化

 評価基準の基本的要求事項や個々の質問に答える前に、ボルドリッジの「組織プロフィール」の質問を用いて、あなたの組織の基本的な情報を整理し、組織内で共有しておきましょう。(‎‎組織プロフィールは、企業/非営利組織編(Business/Non-profit、PDF、英文)をベースにします。)

 あなたの組織の事業環境に現在起きている主要な変化を教えてください。

あなたの組織の競争状態に影響を及ぼす、現在起こっている主要な変化(changes)を教えてください。

 現在起こっているパンデミックによる社会の変化は世界のすべての組織に影響を与える大きな変化です。長い視点で見れば、日本においては少子化・高齢化があります。身近なところでは、あなたの組織の属する業界や市場に固有の変化もあります。
 これらを顧客・市場の変化、業界や競合の変化、パートナーや協働者の変化、社会要請の変化などに分けて具体的に捉えることは有効です。
 また逆に、それらの相互の関連から、背景にある大きな変化を捉えることも大切です。
 変化は、あなたの組織にとって危機と捉えることもできますが、それはイノベーションの機会であるかもしれません。あるいはまた、新しい協働の機会であるかもしれません。

 変化によって生まれる、社会が求める新しい価値の創造に向けては、競争相手とも協働することが求められることもあります。
 例えば、Apple社とGoogle社は、iOSとAndroid OSで競合関係にありますが、市場を奪い合うというより共に市場を拡大してきたと捉えることができます。また、新型コロナウイルス対策では、濃厚接触の可能性を検出する技術で協力することを発表しました。この点においては協働者であるとも言えます。(参考:「AppleとGoogle、新型コロナウイルス対策として、濃厚接触の可能性を検出する技術で協力」2020年4月、Apple社)

 イノベーションは、製品、プロセス、または組織の効果性を改善し、利害関係者に新しい価値をもたらすために、意味のある変更を加えることです。イノベーションの成果は、不連続または画期的な変化です。
 イノベーションは、それ自体が新しいかあるいはその応用の仕方に新規性がある、アイデア、プロセス、技術、製品、ビジネスモデルなどを採用することです。
 必要な能力開発と知識共有を行い、計画し、実行し、評価し、学習するという多段階のプロセスの繰り返しを通じて、組織的にイノベーションを起こすことができるようになります。

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 ボルドリッジでは、特定のツールやフレームを規定していませんが、社会全体の変化を把握するPEST分析、自社も含めた3C分析、競争の枠組みを把握する5Force分析などを用いて、検討することも有効です。

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‎‎ 組織プロフィールは、企業/非営利組織編(Business/Non-profit、PDF、英文)をベースにしています。
 P.2 a(2)は原文にある区分です。

P.2組織の状況:組織の戦略的な状況は何ですか?
a。競争環境

(2)競争力の変化 
イノベーションとコラボレーションの機会を生み出す変化を含め、競争状況に影響を与えている主要な変化はありますか。

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