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サプライネットワークが戦略的優位点になるとき

サプライネットワーク(supply network)はサプライチェーンの拡張として、ボルドリッジで使用している用語です。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、2年に一度、最新の経営実践を取り入れて改訂されていますが、このサプライネットワークという用語は一つ前の版2019-2020年版の改訂で着目されました。

供給網とも訳せますが、サプライチェーンもカタカナのまま一般的になっていますので、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】でも、サプライネットワークとしています。

サプライチェーンは、原材料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでのすべてのプロセスのつながりで、直線的なイメージがありましたが、インターネット活用の進展などで、それを構成する要素が複雑に絡み合うようになって来ました。
例えば、amazon.com は、書籍の販売店でしたが、マーケットプレイスでは他の販売店(以前の概念では競合他社)や個人のお客様も販売者として参加できるようになっています。
その関係は直線ではなく網の目のように表されます。

製品・サービスの生産と顧客への提供には上流から下流まで複数の組織が関与していますが、これら組織ひとつひとつをエンティティと呼ぶとすれば、これまでは、これらのエンティティはチェーンを形成し、1つのエンティティが別のエンティティに直接供給するというような関係でした。
現在では、これらのエンティティはますます相互に関連付けられ、線形関係ではなく相互依存関係で存在するようになってきています。

サプライチェーン、サプライネットワークは、組織とそのサプライヤー間の相互依存性を表しています。

多くの場合、製品・サービスの生産と顧客への提供には、あなたの組織が直接関係するサプライヤーやパートナー、協働者だけでなく、さらにそのまわりに多くの組織が、関与しています。

あなたの組織の戦略的な優位点は、内部と外部からもたらされます。それはすなわち、内部的な能力であるコアコンピタンス、および、戦略的に重要な外部とのパートナーシップのいずれか、あるいは両方から生じます。
戦略的に重要な外部とのパートナーシップは、あなたの組織が、どのようなサプライヤー、パートナー、協働者と関係を構築しているか、さらに、それらを包含するサプライネットワークになります。
あなたの組織が属するサプライネットワークが、市場において強みを発揮していること、また、あなたの組織がそのコアコンピタンスによって、属するサプライネットワークの中で欠くことのできない重要な役割を果たしていることが重要です。

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 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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