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最新ARグラス動向まとめ【2021年10月版】

こんにちは、Graffityの森本です。普段私たちは「ARバトル」と呼んでいるARシューティングゲームを開発しています。今回は、「最新ARグラス動向まとめ」について書きたいと思います。

最新ARグラス比較表

ARグラスを開発している主要プレイヤーの最新ARグラスに関しての比較表を作りました。

スマートグラスまとめ.001

上記の比較表をベースに、各社の戦略の考察をまとめていきたいと思います。

まず開発するべきARグラスの要件は、どのようなユースケースを想定するかによって決まると考えています。よって戦略を分析するためにユースケースから考えていきましょう。

2Bのユースケースまとめ

こちらの記事によると、以下のユースケースがあげられています。

リモートアシスタント・コラボレーションツール
遠隔地のお客様同士が同じ空間にいるかのように、3Dで見たり、聞いたり、話したりすることができます。


複雑な業務やルーティンタスクのガイダンス
日常的な長期点検や複雑な修理を伴うケースで、生産性を高め、潜在的なエラーを回避することができます。

顧客満足度向上(B2B2C)
顧客満足度の向上を目的とした様々なユースケースがあります。例えば、車をカスタマイズして、発注する前に体験してもらうことができます。また、スポーツ観戦やライブにおいて演出をインタラクティブにすることで、お客様の満足度を向上させることができます。

研修や教育
製造業の企業では、複雑な業務を研修するために使用しています。初心者が誤った操作をすると大怪我をしてしまうような危険な作業においてはARグラスを利用することは安全な研修方法になります。大学でも、学生の教育にARグラスを活用することで、3Dの情報を通して学習を進めることができ、より良い教育と記憶の定着を得ることができます。

3Dプランニング
プランナー、デザイナー、建築家は、目の前の空間に3Dモデルを重ね合わせてデザインをすることができます。

ハンズフリーの業務の効率化
作業中に手を使わなければならない場面で、ARグラスを使うと生産性を向上させることができます。例えば、クレーンの操縦者のように、大規模な機械を操作する場合は、大怪我をするような危険な環境であるので、手を使うことが重要になります。


データ分析と可視化
お客様は、3Dデータを閲覧、操作することができ、これらすべてをハンドジェスチャーや音声で制御することができます。経営・企画のユースケースでは、ARグラスを使って、より良い経営意思決定のサポートやミーティングの効率化をしています。

目や耳の不自由な方へのサポート
ARグラスを利用することで、目の不自由な方が自分の周りの空間について知ることができたり、ホログラムを通して言語を手話に翻訳し、耳の不自由な方をサポートすることもできます。

ARグラスの戦略の考察 - 2B編

Hololens2(Microsoft)は上記の全てをサポートしており2BのユースケースにおいてNo1のシェア獲得していると考えています。

Magic Leap 2 (Magic Leap)は、Hololensと比較した際に価格や視野角において優位性があるので、その優位性を活かして2Bのユースケースの導入を加速させ、シェア拡大を計画していると考えています。

また、Glass Enterprise Edition 2 (Google)は、リモートアシスタント・コラボレーションツールのユースケースに特化し、空間認識の機能を削りました。それによって、価格の低コスト化や軽量化を実現しております。

MicrosoftがシェアNo1である以上、特定のユースケースに特化したARグラス開発をし、低価格化や顧客体験の優位性で勝つことが重要だと考えています。

2Cのユースケースまとめ

次に2Cのユースケースを検討していきたいと考えております。

写真・動画撮影と共有(スマホでの撮影・共有の代替)
現在はスマホを立ち上げ、カメラを起動し、撮影するという流れでしたが、ARグラスを利用するとARグラスをタップするだけで写真や動画撮影を行うことができ、瞬時に共有することができます。

音楽を聞く(イヤホンの代替)
スピーカーを搭載することでイヤホンを代替することができます。また音楽と連動して3Dのアニメーションを動かすこともできます。

道案内(地図アプリの代替)
ARグラスを利用することで、目の前の空間を認識して適切に道を案内することができます。現在の地図アプリの場合は、自分がどちらに向いているのかやどの道を進むべきかは2次元の情報であり道を間違えてしまう人も多いのではないかと思いますが、3次元の道案内はよりわかりやすくなると思います。

2D・3D映像鑑賞(ブロジェクターの代替・拡張)
ARグラスでは、プロジェクターで投影するよりも解像度高く、サイズも大きい映像を見ることができます。さらに立体的な映像を見ることができ、例えば、2021年のメジャーリーグのホームランダービーは3次元でホームランの奇跡を見ることができました。

ゲーム
Graffityは経営戦略として「ARゲーム」フォーカスしておりますが、ARならではのゲーム体験は「動くことを楽しくする」・「位置に連動するコンテンツ」が中心になると考えています。例えば、スマホゲームは座ってプレイすることが中心でしたが、体を動かしてゲームを楽しめるようになります。また、ARグラスを利用すると、PokemonGo(Niantic)では、道を歩いていると目の前にPokemonが登場し捕まえることができたり、ポケモンのアニメにようなポケモン対戦することができます。

ARグラスの戦略の考察 - 2C編

2CのARグラスは黎明期であり主導権を握っている会社はないと思います。現在は特定のユースケースに特化してARグラスを開発している企業が多いです。

Xiaomi Smart Glasses(Xiami)は、ユースケースに特化せず汎用的にARグラスを作っております。

Ray-Ban® Stories(Facebook)とSpectacle 3 (Snap)と写真・動画撮影と共有のユースケースに特化することで、低価格化・デザイン性の向上・軽量化を実現しております。

また、Nrealは映像鑑賞に特化することで、更なる低価格化・デザイン性の向上・軽量化・高画質化を実現していると考えています。

New Speactacles (Snap)は、ゲームやコミュニケーション領域のユースケースを検証しており、Nianticは位置ゲームの体験の拡張を検証することで、新しいユースケースを特定し、そのユースケースに合わせたARグラスを開発していくと考えています。

今後のARグラスの動向予測

2BのARグラスは、低価格化と軽量化と性能の向上によって進化し、さらなるユースケースの発掘と導入が進められるでしょう。

2C領域は、まずは一つのユースケースに特化したARグラス中心に普及していき、特に写真・動画撮影&共有、2D・3D映像鑑賞がメインのユースケースになると予測しております。

さらに、ゲーム・コミュニケーションのユースケースが確立と2C向けのARグラスの低価格化・デザイン性向上・軽量化が進んでいくと、市場が成長期に入ると考えています。

予測としては、2022年中にAppleがARグラスを発売することで市場が盛り上がり、2024〜2025年には成長期に入ると考えております。

最後に

Graffityは「ARでリアルを遊べ」をミッションに、ARエンターテイメントにフォーカスしており、スマホで体を動かして楽しむ「ARバトル」を企画・開発しております。

2018年にリリースしたARシューティングバトル「ペチャバト」は広告なしで20万ダウンロードを達成しており、2021年3月にARシューティングバトル「Leap Trigger」をUSにリリースし、グローバル展開を見据え改善を進めております。

また、ロケーションベースのARシューティング「Holo Break」は、学校の体育の授業に導入され単位認定され、株式会社バンダイナムコアミューズメントが運営するエンタメ系バラエティスポーツ施設「VS PARK(ブイエスパーク)」にて二日間の体験イベントを開催し、満足度10段階中9.8を獲得しました。

GraffityはARエンタメコンテンツの開発に強みがあります。
ARグラスを利用した、ARエンタメのコンテンツの企画・開発に興味関心のある場合は、ぜひ弊社のHPより気軽にお問い合わせください。


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