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グラフトプレナー#1 日本茶小売店を家業に持つ、清水真由さん

家業があって、それを自分に合った形でサポートしたり、進化させたりしている人のことを、僕らはグラフトプレナーと呼んでいる。いったいみんな、どんな活動をして、どんな毎日を送っているんだろう。第一回目は、高田馬場のお茶の小売を家業に持つ、清水真由さんを紹介。

プロフィール
名前:清水真由(しみず・まゆ)
年齢:24歳
家業:日本茶の小売店
代:4代目
事業承継:していない
現在:お茶のパッケージを作る会社に就職しインターン中。

いきいきとした笑顔でボトルにいれた日本茶を勧めてくれたのが清水真由さんとの最初の出会い。SLUSHという起業家をサポートしたり輩出したりするイベントで、彼女のお茶は外国人の注目を集めていた。馴染みの深い日本茶だけでなく、お茶の茎からとった茎茶や紅茶などを次々にサーブしながら説明をしてまわる、24歳とは思えない堂々たる振る舞いです。

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彼女の家業は高田馬場にある日本茶の小売店「茶のつたや」。創業が1928年で、現在三代目の父親がお店を経営しています。お店のなかには日本茶だけでなく茶器や和雑貨などを販売するコーナーとカフェが併設されています。日本人のお茶離れから経営が難しくなった時に両親が始めたのだそう。彼女自身も小さなころから手伝いをしていて、お客さんにお茶を出すうち自然と家業に親しみを持つようになりました。

家業を継ぐかどうかはまだはっきりとは決めていないけれど、父親と相談しながら、最近新たなお茶のパッケージを考案。店内の壁の色に合わせて黒を基調としたパッケージに、シンプルなロゴでお茶の名前を記したシリーズです。「外国人のお客さんも高田馬場に増えてきた。パッケージは彼らにフレンドリーなほうがいい」という真由さんの考えから、お茶の表記は英語でされています。留学経験がある彼女の目線が頑固な父親を説得した結果なのでしょう。さらに、家業について話すスタンスにも彼女なりの工夫が。「はじめお茶のパッケージのデザインについて父に意見したら、反抗的だなという感じで話し合いがうまくいかなかったのです。それから何回か丁寧に繰り返し話すと、話を聞いてもらえるようになりました。自分の言い方が否定的にならないように気をつけたりしています」。

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彼女の家業との間にはまだ少し距離があるけれど、すでに家業に対する夢があるんだそう。「お店を量り売りにしたいんです。もともと日本茶の小売は量り売りで長い間やっていたのです。それが高度経済成長期に個別包装の今のパッケージに変わりました。学生時代にSDGs(※)を学んだとき、プラスチックゴミによる環境汚染などのことを知りました。せっかくいいものを売っているのに、パッケージで環境破壊してしまうのは矛盾している。段階的にパッケージ販売を減らしていって、いつか日本茶をおしゃれに量り売りするお店にするのが、私の理想です」。彼女の視点は、さらに日本でのパッケージや消費行動のありかたにまで疑問を投げかけます。「今までのモノ消費の流れではパッケージ売りのほうが適していましたが、これからはストーリーや中身を知った上で何かを買いたいという若い人が増えている実感があります。持続可能な未来を考えられて、生産者のストーリーや中身を知った上で買い物できる。そんなお茶屋さんをやりたいなと思っています」。

※SDGsとは、持続可能な開発目標のこと。持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲットからなる、国連の開発目標である。 2015年9月の国連総会で採択された『我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための2030アジェンダ』と題する成果文書で示された具体的行動指針。



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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

運営チーム一同より

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