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ビジネスでも、製品でも自分の手で作る魅力を教えてくれたのは父だった──ホアン・ゴク(ノラ)

「家業を継いでいなければ、家業はまだ関係ないこと」「サラリーマンとして働いているから、家業は関係ない」。こんな常識を一度疑ってみよう。一見家業と無関係に思えるキャリアや今の仕事にも、ひょっとすると家業がいきているのかもしれない。

今回インタビューするのは、シニア人材派遣のベンチャー企業で営業とマーケティングをしているホアン・ゴク(ノラ)さん。実家はベトナムでキッチンインテリアのデザイン・製造会社を経営している。しかし彼女は現在、日本で起業する事を目指して勉強のためベンチャー企業で働いている。一見家業と今のキャリアは全く関係ないように思えるけれど、彼女の起業家マインドやコミュニケーションのありかたに、大きく影響を与えているようだ。

プロフィール
名前:ホアン・ゴク(ノラ)
年齢: 27歳
家業:ベトナムでキッチンインテリアのデザインと製造をする会社
代:父親が創業者
事業承継:考えていないが興味はある。
現在:シニア人材派遣事業ベンチャーで、営業とマーケティング

まずは、彼女の家業の話から、現在のキャリアについて聞いてみよう。

子どもを留学させるため起業した父を見て育った

──家業はなんですか?

キッチンインテリアのデザインと製造をする会社を母国のベトナムで父が経営しています。父は、私と弟を海外に留学させたいという思いから起業したんですよ。
ベトナムでコンビニや会社の従業員として働いても、経済的な理由で子供達の留学を実現するのは難しい、だから、自分自身でビジネスを始めたんです。父にはとても感謝しています。

──子ども思いのお父さんなんですね。小さい頃など、家業との思い出はありますか?

私がまだ小さい頃、日本人のお客さんが取引先になった時にすごく綺麗な和柄の皿やお箸のセットをいただいて「綺麗だな」「かっこいいな」と思ったことをよく覚えています。その時、初めて日本のことを知りました。

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──現在は母国のベトナムを離れて日本で働いているんですよね。どんなお仕事をしているんですか?

もともと人材紹介の大手で働いていましたが、やりたいことができたので転職し、顧問派遣プラットフォームのベンチャー企業で営業とマーケティングをやっています。

──やりたいことって、どんなことなのでしょう。

実は社会問題を解決したく、日本で起業しようと思っています。今までは日本の人材不足という課題に関わりましたが、今後は女性活躍、外国人のIT人材の活躍、環境などまだ未定ですが社会問題に取り組んでいきたいと考えています。Slush Tokyo(北欧発のスタートアップの祭典)にボランティアとして参加し、スタートアップの文化に触れ、日本にいる外国人が起業していることを知りました。イノベーションを自分の力で起こそうとするベンチャー精神に感化されました。

──それにもっと近づくために今の会社を選んだんですね。

今働いている会社も、私が前職と同じ人材事業なので、持っている経験やスキルを生かしながらベンチャーでの働き方や起業家の考え方、仕事の進め方を勉強しています。

──人材事業のなかでも、人材紹介事業を行う会社を選んだのはなぜですか?

実は、特に理由はなくて…(笑)。語学力を活かしたかったので、国際的なグローバルビジネスならなんでもよかったというのが本音です。

──就職活動をしている時、面接で家業を持っていることを話したことはありましたか?

新卒の時は話しませんでした。日本の会社にアピールする方法を学校で習っていたので、その時はゼミやサークルでの経験について話しました。

──では、就職活動で家業のことを話したことは...ない?

いえ、今働いている会社の面接を受けた時は家業の事を話してみました。父が起業家であることに影響を受けていて、自分の手で何か作って提供したいという気持ちがあることを正直に伝えました。実は面接をしてくれた方も家業を持っていたし、私が起業したいということも知っている上での面接だったので、あまり驚かれることはありませんでした。

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ビジネスでも製品でも、自分の手で作る事に憧れた

──起業したいという思いに、家業は影響していると思いますか?

ビジネスでも、製品でも自分の手で作ることの魅力を教えてくれたのは父だったので、きっと影響を受けています。私は父がデザインしたものが好きで、ショールームで展示されているものを眺めては綺麗だなと思っていました。小さい頃からずっと近くで父の仕事を見て来たからこそ、父のビジネスに憧れていました。

──お父さんとビジネスのことを話したりしていましたか?

父に直接、ビジネスに関して何か言われたことも、話すこともありませんでしたが、家の一階がショールームだったので小さい頃から父の仕事している姿をよく見ていたんです。
学んだ事は「とりあえず挑戦すること」。そしてビジネスマンとして一番大切なのは「恐れないこと」だと父の背中を見て教わりました。

信頼関係を積み上げていく事の大切さを、家業を立ち上げた父が教えてくれた

──今の仕事に家業が生きていると感じたことはありますか?

あります。父は顧客との信頼関係をとても大切にしていたんです。実は私の仕事のキーにもなっているのも「信頼関係」。顧客との関係構築には特に力を入れているんです。人材紹介の仕事では、転職者や求職者に対して誠実に接することで信頼が生まれます。そうすると、友人や家族などをまた紹介してくれるようになります。これから自分の手でビジネスを作っていく時も、父を見習って「信頼」を大切にして積み上げていこうと思っています。

ノラさんからのメッセージ

何かご質問や、私と話したいことがあればhttps://www.linkedin.com/in/norahoang/ にてお繋がりいただけます!
社会問題を解決する起業アイデアがあり、協力して欲しい、日本で外国人にとっての就職活動を聞きたい、またはベトナムのことを知りたい、などなどお話が出来ます!お気軽にご連絡ください。


最後までご覧いただきありがとうございます😊

本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

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