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キャラのネーミング、どうしてますか?

こんばんは。電子書籍版『流され雛の朝』をリリースしたばかりの館山です。
あとがきまで読んだ人ならお解りでしょうが、今回メインキャラの苗字を変更しています。
その時にサブキャラの名前を変更したこともあり、せっかくなのでネーミングについて記事を作ろうと思います。ちなみに内容のネタバレが含まれています。できれば読了後に見てやってくれるか、ネタバレでも全く気にしないよという方のみ読んでやってくださると大変助かります。同人ゲーム『辿り歌』のネーミングについてのネタバレも含まれています。(ネタバレというほどでもありませんが、館山が以前同人誌で出した廃校アンソロジー『卒業式の後 君は』にも触れています)

モブキャラ系は「理由がないのにメインキャラより印象の強い名前であってはならない」「それなりにすぐに忘れてもらえる」ことが必要です。そういう意味では案外難しいのです。特に時代を設定するとものすごく難しくなります。特に日本語の名前は、ものすごく世代の流行が激しくて名前から時代を特定できてしまう可能性が高いです。そこを逸脱した名前を特に理由なく付けると、ものすごく浮きます。
例えば主人公の祖母の名前で今「ウメ」とか付けると、ほぼ有り得ない名前になります。多分若い頃には古臭い名前だということでコンプレックスを抱いていたなどのキャラ立てが必要になってくると思います。
現在2018年ですが、もし六十五歳の祖母だったとして、彼女は昭和28年生まれ。がっつり戦後です。歌手の小林幸子さんや松平健さんと同年齢です。他にもシンディ・ローパーさんも同い年です。小学生の頃にはビートルズがヒットしてます。ウメさんという名のキャラはむしろこの世代のお母さんくらいの名前ではないでしょうか?
そういった部分も鑑みて「登場するキャラ」と「登場しないキャラ」のネーミングについてあれこれ調整したりします。

ちなみに昔は大して考えていなかったこともあり、十年くらい前までは割と雰囲気で名前を付けていました。何となく付けやすい名前、付けてしまいがちな名前パーツとかが出てきてしまうんです。
オリジナル小説デビューの『落下症候群』(こちらも電書で完全版が買えます)だと、メインキャラの美景と読みが酷似した美香子というキャラを出してしまっています。同じ作品の中で二文字かぶってると相当厳しいです。これと同じようなパターンを同人ゲーム『薄明のアジール Dusk Asylum』でもやらかしています。(正確には『薄明のアジール』無印からやらかしてしまっています)男女なのと文字が違うのでそこまでデッドではありませんでしたが、同じ作品の中で晴人と春海が出ています。

このへんのネーミングかぶりについて気にするようになったのは、同人ゲームを作り始めてしばらく経ってからです。
ゲームだとキャラ画像などを管理する必要が出てきます。名前かぶりだとファイル管理がとーーーーっても面倒です。わざわざキャラの片方に違う管理ネームを付けたりする必要が出てきます。できれば同じゲームの中では「ファーストネームの頭文字もかぶってほしくない」と思います。もちろんストーリー展開的に無理な場合も多々あり、その場合は仕方ないのですが、できることなら避けたいです。

同人ゲーム『辿り歌』では主人公の少女、中上理維と同じ表記の名前の男性が出てきたり、『すり替えられた果実の破片』で同姓同名の少女二人が出てきたりしますが、意図的に付けるのでなければ似た名前は付けない方が断然楽です……管理上。

ちなみにモブキャラは「なるべくどうでもいい名前を付ける」ことになるので、どうしてもかぶってしまったりします。印象の強い名前のバリエーションは自然に増えていきますが、印象の弱い名前を意識して集めたりしないからです。昔読んだ某連作ミステリにも以前サブキャラの名前がかぶってしまっていたのを見たことがあります。個人的には地味だけどあんまりポピュラーではない名前だと思ったので「この名前でかぶらせるんだ?」と驚いたことがあります。

このどうでもいいファーストネームについては、結構苦しむ人も多いようなので、自分が付ける時の方法について書きます。(メインキャラの場合、ストーリーのメッセージやキャラ立ての方が優先されることが多いので、ここでは敢えて書きません)
まず「自分と同世代」のキャラクターの場合はそんなに難しくありません。自分が今まで学校で逢ったことのあるような名前で、そんなに目立たない名前から付けていきましょう。文字だけ変換して違う名前にしておけば一発です。
自分より若い世代、年上の世代の名前については「明治安田生命保険相互会社」の「生まれ年別の名前調査」のデータがとても参考になります。

生まれ年別ベスト10

他にも最近の名前でかなり厳しいのは、いわゆる「キラキラネーム」です。字面がかなり派手なので、主役の名前より目立ちます。キラキラネーム世代の名前を付ける場合でも、意識してキラキラ度を下げていく方がいいです。モブキャラなのに名前だけ印象が強くて憶えられたというのが一番困ります。

苗字については、個人的には日本が舞台の作品の場合、架空の土地であっても「想定される場所」を県ごとの苗字ランキングなどでチェックしていきます。

同姓同名探しと名前ランキング

そこからキャラ立てやイメージで選んでいきます。
あと都会よりも田舎の名前の方がオーソドックスになりがちなので、大量に付けていく時には想定年齢より5歳から10歳くらい上までは付けていって問題ないと思います。(下の名前だとかなり付けづらいものが出てきます)

『流され雛の朝』は電書版を出す時に名前をかなりいじった作品です。ここまで名前を修正した作品は他にはないです。
今回有料パートを後ろに引っ込める作業のために改稿していますが、こちらを有料パートにしたのはネタバレ防止のためです。

最近いろいろ大変な館山に励ましの投げ銭を送ってあげようという心やさしい方と、作品のネタバレが見たい人はぜひ購入してください。

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