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「自分のやりたいこと」を求めた結果、会社員をやめてフリーランスになった話

「会社員をやめる」という選択をして、もうすぐ2年が経とうとしている。

そして、2年経とうとしているいまだに、「フリーランスを選んだ」という実感はない。

ただ、「会社員として働きたくなかった」だけ。
「会社員をやめる」という選択が、自分をフリーランスにさせたといってよいだろう。

※フリーランスに至るまでの道のりはけっこうめちゃくちゃなので、もし興味があればぜひ、下記を読んでいただければと思います。

これまでずっと、「自分のやりたいこと」をするために生きてきた。

中学時代に、Web制作会社で働くことを志した。
高校時代にまじめに勉強したのは、推薦で大学に行きたかったから。
その大学を選んだ理由は、Web制作を勉強するのに最適だと思ったから。
新卒で入社してからは、自分を燃やし尽くすように働いた。

仕事は楽しかった。とにかくHTMLが好きだったので、それを仕事にできる日々は、本当に本当に楽しかった。休みの日も勉強をしていたし、仕事中に「早く定時にならないかな~」と考えることもなかった。

そうして働き続けた結果(上司からは根を詰めすぎだと何度も忠告されていたのに)、次第に理想の仕事と実際の業務とのズレによる葛藤が多くなり、体調を崩し、メンタルを壊した。

30歳を前に、もうこの働き方はできないと悟り、マネージメント業務をやるぐらいなら制作会社にいる意味はないと、業界を離れる決意をして退職。

次にやりたいと思ったのは、「ものを仕入れて売る仕事」だった。
当時はWebの仕事を続ける気はなかったが、20代後半の未経験者を受け入れる商社などなく、たまたま、ECサイトの運用担当を募集していたワインを扱う商社があったので転職。

「ものを仕入れて売る」ところまではいかなかったが、販売まわりのノウハウを良くも悪くも学び、ソムリエの資格を取ったところで、それを生かせる「酒屋」に転職。

そこでようやく、
「自分のやりたいこと」を目指す旅を終えることとなる。

  • 「ものを仕入れて売る仕事」があまり自分に向いていなかったこと。

  • コロナ禍に1カ月ほど店が休業し、自分を見つめなおす時間があったこと。

  • ある時会社のWeb業務を手伝ったら、めちゃくちゃ喜ばれたこと。

  • その後、会社のゴタゴタで業務がきつくなり限界を迎えたこと。

  • 3社経験してようやく、「会社員」という働き方が向いていないと気付いたこと。

  • たまたま相談できるフリーランスの先輩がいたこと。

  • 独身で貯金もあり、実家暮らしだったこと。

これら複数の要因が、「会社員をやめる」という選択を後押しした。

Web制作会社で働いているときは、その道のトップレベルの人しか、起業したりフリーランスになったりすることはできないと思っていた。
でも、自分の「時代遅れのWeb制作スキル」でさえ、必要としてくれる会社があるのだと知った。

これまでは「やりたいことをやる」ためにずっと生きてきた。
けれど、自分が「人よりも少し得意なこと」を使って、誰かを助けることができる。
それで、お互いが幸せになる。
そういう生き方の素敵さに、その時、はじめて気づいたのだ。

結局いまだに、最後に勤めた会社と業務委託契約を結んで定期的に仕事をもらい、フリーランスの先輩からたまに仕事をもらい、という生活をしていて、完全にコネによって生きている。

一応、「おしごとください」というボードを首から下げて道ばたに座ってはいるので(比喩)、ときおり通りすがりの方からお仕事の相談をいただけることもある。

給料は会社員時代と比べて半分になり、湯水のようにお金を使うことはできなくなったけれど、
通勤のために毎日満員電車に乗ることはなくなり、テレワーク用の賃貸を借りて自炊するようになり、中国古典を図書館で本を借りて読みあさったり、貯金を殖やすべく投資について勉強したり、会社員であればしなかったようなことができている。

「世の中お金じゃない」といったきれいごとを言うつもりもないし、「ぐちぐち言って会社で働くくらいならフリーランスになれよ」などという暴論を吐くつもりもない。
会社員として働いている人は素晴らしいと思うし、尊敬する。

それでも自分は、「会社員をやめる」選択をして良かったと思っている。

まあ、独身で背負うものもなく、いざとなれば実家に頼れる人間が言っても、あまり説得力がないとは思うけれど。

それでも今一度、自分自身に問いかけてみてほしい。

「あなたは今、納得して生きていますか?」と。

だって人生は、たった一度しかなくて、
それがいつ終わってしまうかは、誰にもわからないから。

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