社員をやめるまで その5 もしかしてフリーランス?編
そもそも、「社員として働く」ということは、「会社のために働けるか?」ということだ。
最初に入社した会社で一時期、ある程度会社に発言力のある役職についたことがあった。
ある程度会社に慣れ、やりたいことをやりたいと言い、おかしいことはおかしいと言いながら働いていたが、なかにはそういう人間ばかりではないことに気がついた。
そのときから、権力はそれを持たない人のために使うものなんだ、と思うようになった。
ちからを持たないものが、すこしでも生きやすくなるように、そのちからを使いたいと思っていたし、できる限り使った。
たとえ無能だとしても、それがちからを持つ者の役割だと感じたからだ。
だから、誰かのために働くことが嫌なわけではなかった。
自分が調整したおかげで、やりたいことができるようになった人を見ると嬉しかった。
それは、今でも変わらない。
でもそれが、組織のために…となると、どうしても頭が重くなってしまう。
たぶん自分は、「誰か」のためには働けるが、「会社」のためには働けない人間なんじゃないか。
それなら、「正社員」で働きたいというのは、おかしな話じゃないか?
それは。
確かにそうなんだけど。
新卒からずっと、ほぼブランクなしで正社員として働いてきた。
周りにいる同年齢の人も、父親も、兄弟も、正社員で働いている人ばかりだった。
正社員であることが普通だった。
だから、正社員じゃなくなることが、とても怖かった。
今まで何も考えずに乗ってきた、「普通」のレールから外れてしまうのが怖かった。
たぶん、一度非正規雇用になってしまったら、もう社員になる道には戻れないだろうから。
悩んだ末、新卒の時に一緒に働いており、今でも付き合いのあるフリーランスの先輩に相談をしてみることにした。
社員になりたくない、なんていう理由で会社員を辞めて、フリーランスになるなんて、どう考えても軽率すぎる。
フリーランスで働くことの大変さを知れば、きっと自分も思い直すんじゃないか。
この自分の状況を客観的に見られる人から、率直な意見が欲しかった。
役に立ったらサポートしていただけるととってもうれしいです。