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ゲストルーム「窓月の間」公開によせて

「開かれた家」プロジェクトのスタートとして、自宅の一室を友人が遊びに来たり、泊まったりできるゲストルームに改装し、完成したので、友人限定で公開イベントをしました。その際のコメントを記録としてここに載せておきたいと思います。

尚、「開かれた家」についてはこれまでの以下のエントリをご覧下さい。

「開かれた家」をつくる(1)

「開かれた家」をつくる(2)

「開かれた家」をつくる(3)

「開かれた家」をつくる(4)

私がゲストルームの空間をアーティストに演出してもらおうというアイディアを思いついたのは、3年ほど前でしょうか。古田織部の評伝である「へうげもの」を読んで、古田織部が新しい茶室を作ったり、新しい茶道具を作ったりする際に、芸術家や陶工に依頼して次々に新しいものを生み出していった話にとても惹かれました。もちろん古田織部は武将でもあり、当時で言えばそれなりの収入があればこそ、そのような贅沢ができたとは言えます。

しかし現代の日本には、美術作家は沢山いて、まだ若手の作家であれば、それほど贅沢にコストをかけずとも、芸術家の作る部屋を自宅に実現できるのではないだろうか、逆に言えば、今の日本とは、そう言う意味ではとても恵まれたいい時代なのではないか、またそれが広まれば、アーティストをサポートする新しい形になるのではと思い、このアイディアを進めることにしました。

依頼する側としては、この部屋をゲストルームとして遠方の友人が宿泊したり、また近くの友人を招いてイベントをしたりというように、家の中に開かれた空間を作りたいと考えていました。またその空間には少し非日常性を持たせたいとも思っていて、私が何か考え事とかある際に使う空間にもできればとも考えていました。

美術家の栗棟美里さんに、この部屋の内装を依頼したのは、彼女のeN Artsでの2015年の個展を観て、きっと空間をデザインできる作家だという直感に基づいています。依頼に当たって、私の方から出したお題は「現代風な和のイメージ」という漠然としたものだけでしたが、最終的には思った以上の素敵な空間になったと思います。実際に展示に使用している作品だけでなく、部屋全体のイメージも含めて工務店の方とつめて頂き、部屋自体で1つの作品になっていますので、是非、この部屋を体感してもらいたいと思います。


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