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Midレーンのすゝめ


はじめに

最近、僕が8年ほど前に遊びはじめた『League of Legends』というゲームが
配信者たちの間で流行の兆しをみせている。
このゲームは『MOBA』というジャンルに分類されるのだが、この種類の
ゲームは日本ではあまりメジャーではなく、最近では『ポケモンユナイト』が配信され、流行する……かと思いきや、初速は早かったものの徐々に失速していったのが記憶に新しい。
大手IPの力を借りても日本では根付かなかったこのジャンルだが、海外では凄まじい人気を誇っており、実際一番最初に述べたタイトルの世界大会は
規模が非常に大きく、毎年開催国を変えて一大イベント級の盛り上がりで
開催されている。
それだけに、日本で流行らないのが残念でならなかったのだが、配信者の
間で初心者のみのチームを作り、同士で戦う大会が開催されたのを皮切りに
急激にプレイ人口が増えたように感じる。
僕自身も初心者と一緒にプレイする機会に恵まれることが多くなった。
そうなると、当然経験者としてはこのゲームのイロハのようなものを
教えねばならないのだが、いかんせんこのゲームは覚えることがあまりに
多く、教わる側のみでなく教える側も『何を、どう、いつ(順序)教えるか』で頭を悩ませることになる。
僕もその多分に漏れず、そして普段から他人を信じず独善的なプレイをすることが多いため言語化がうまくできず、困った……となることがよくある。

そこでこの機会に頭の整理をし、個人的な忘備録的な役割を果たしつつ、
偶然にこの記事を目にしたMidレーナーを志す人に何かしらの光明を
もたらせればと思い、普段の思考を言語化し残すことにした。
尚、この記事はある程度ゲームに慣れてきて次はMidで勝ちたい!
を志す人あたりに伝わるものを指標とするため、細かい用語解説は
行わない。
知らない単語が出てきた場合は、適宜自身で調べてほしい。


Midってなんやねん


Midレーンは、サモナーズリフトの中央に位置している。
3つあるレーンの中で最も短く、両端にブッシュを1つずつ備えている。
このレーンにくる主なチャンピオンは

  • メイジ(アーリ、ヴェックス、オリアナなど)

  • アサシン(アカリ、タロン、ヤスオなど)

となっている。稀にアサシンに対するカウンターとしてブルーザーに
分類されるチャンピオンが出てきたりもするが、割りと例外であるので
考慮しない。

ではなぜこいつらがMidでピックされるかというと、こいつらは
スノーボール性能に長ける一方、耐久力に難がある場合が多い。
そのため、レーンが長くガンクが避けづらいTopやBotに配属すると
ガンクでめちゃくちゃにされてしまうのだ。
以上より、タワー間の距離が短くいざというときに安全地帯に逃げ込みやすいMidレーナーとしての起用に適しているというわけだ。

このレーンに期待されることは、主にロームスノーボールである。
前述したように、Midはサモナーズリフトのど真ん中に位置している。
よって、Topレーンにも、Botレーンにも、その最中にあるドラゴン等の
オブジェクトにも味方の援助・敵の妨害に行きやすい。
そうして積極的に行動し、それを成功させることで経験値・ゴールドを稼ぎ、ゲーム内で強い状態を維持することで主導権を握り、渡さない。
これが基本的にMidがやるべきことだ。

試合での動き方

では、上述した目的を果たすためにはどう動くのが理想的か?
それを記していきたい。

序盤(レーン戦)

まずはゲーム開始時からアウタータワーが折れるまでの時間。
基本的には無難にCSを取り、敵がCSを取るタイミングでハラス、
ショートトレードを繰り返し、レーンを有利な状態に持っていく
ことが理想的だ。

このゲームではミニオンをプッシュすることでレーンを有利に持っていきやすい。
何故かというと、ミニオンがタワー下にいる状況下ではそのレーナーは非常に動きづらく、ただでさえ取りづらいタワー下CSを取ることに
集中せねばならない。
加えてもし相手がアクションを起こしていたとしても視界不足から
察しづらく、仮に察したとしてもCSを取るか、相手の行動を妨害しに向かうかの取捨選択を迫られる。
以上より、ミニオンはできるだけプッシュしておいたほうがいいのだ。

ただ、ただ闇雲にプッシュすればいいかというとそうではないのが難しいところである。
ミニオンをプッシュしていると、自然と自身の行動範囲が敵陣よりへとなっていく。
何度も書いているように、Midレーンはマップ上で真ん中に位置している。
この事柄は、自身がどこへでも向かえるように、敵もMidレーンへと
足を運びやすいことを意味する。
そのため、身体が敵陣へと寄っている最中に敵JgやSupのガンクを受けると、致命的となる。

では、どのような状況でプッシュをするべきか?
簡単にまとめると以下のようになる。

  • 体力またはマナが枯渇しており、一度体制を立て直したい

  • コアアイテムの素材が買えるため、買い物がしたい

  • プッシュをしても安全が確保できるくらいにMid周りの視界状況が良い

  • 両サイドレーンのどちらかがプルレーンとなっており、ロームに向かえる

  • 味方Jgがオブジェクトを確保に向かっており、援護に向かいたい

  • そもそも敵MidレーナーもしくはJgが撃破されている

以上の状況下では、プッシュが推奨されるだろう。
自身のチャンピオンがローム性能に長けない場合はこれに限らないが、
そもそも複数戦で人数差というのはどう頑張っても覆せない差を生むことに
なる
ため、可能であれば足を動かし、自身にも味方にも有利を生み出せると
理想的だ。

もう一つの選択肢として、レーンにおいて主導権を取った場合、
プルレーンを維持し、ミニオンより前に出て相手にゴールドを取らせず
相手の成長を阻害するゾーニングが考えられる。
これをすると、相手を金銭面で相当圧迫し、もはや経験値を取ることすら叶わないという状況に追い込むことができる。
この場合、相手が取りうる選択肢としては

  • Jgを呼び共にプッシュしてもらうことで、レーンをリセットする

  • ロームによってジャングル及び両サイドレーンの有利に貢献する

というものが考えられる。
これが行われた場合は即座にプッシュし、タワープレートを破壊することで
更にゴールドを獲得する
か、相手に合わせて行動することで有利を
手渡さないようにすることが望ましい。

中盤(アウタータワー破壊後~インヒビター破壊まで)

あなたはレーン戦に勝利し、無事にアウタータワーを破壊することができた。さあ、次はどうしよう?

次にMidレーナーがすべきこととは、レーンを可能な限りプッシュし、
味方Jgと共に行動することで敵ジャングル及び両サイドレーンを制圧する
ことである。
こうすることで敵Midの行動を制限し、その付近の視界をミニオンで確保
しつつ、侵入した側のジャングルの安全確保&サイドレーンの制圧も
可能となる。
稀にインナータワー付近まで体を寄せているMidレーナーが散見されるが、
もし僕が敵Jgだった場合、美味しそうなエサにしか見えない。
危険な上に大した有利も取れないため、推奨しない

昨今はMidレーナーでもサモナースペルとしてテレポート(以下TP)を選択
することが増えた。
基本的にゲーム中において最もプッシュが安全に行え、かつプッシュ力も
不足ないのはBotデュオであるため、Bot側アウタータワー破壊後や中盤にかけてMidレーンをプッシュするのはその2人となることが通例となっている。
すると、自然とMidレーナーが担当するのはBotレーンもしくは取りたいオブジェクト側で次回スポーンの猶予が短い側レーン(TPを選択している場合はその反対)となる。

その際に浮上するのが、『これ、どこまでプッシュする?した後は?』問題
である。
基本的にはMidレーンにいたときと同じ感覚で、可能ならプッシュしたい。
が、ここまで来ると味方側タワーがないことも多く、安全地帯は非常に限られてくる。
そうなると、どれだけ育っても耐久性には欠け、かつゲーム内で重要な立ち位置にいるMidレーナーとしてはどこまでの行動が安全なのかを見極める
必要が出てくる。

これに対しての回答、というか目安は

  1. まずはサイドレーン横ブッシュの視界を確保

  2. 安全そうであればプッシュそうでなければ安全な位置まで撤退

  3. プッシュ後、状況確認

    1. 自身が取りたいオブジェクトの反対にいる、かつ安全が確保されているならばプッシュ継続、そうでなければMidに合流するか敵Jgに潜みピックを狙う

    2. 自身が取りたいオブジェクト側にいる、もしくは敵Jg位置が不明等で安全性が不透明なら引き、Midに合流する

  4. 継続プッシュ後、まだ安全そうなら敵ジャングルを荒らす。敵が寄ってきた場合、全速後退

これが僕の目安だ。
これにプッシュウェーブを作って……だとか、そのあたりの要素が絡んでくると本当に長くなるため今回は割愛。
これを繰り返し、戦況的な有利を生み出すことが中盤の仕事であると言えよう。

終盤(バロン獲得~ゲームエンドまで)

インヒビターを破壊し、勝利まであと一歩。さあ、我々に求められていることはなんだろう?

ここからのMidレーナーの目的は、集団戦及び戦況のコントロールであると言えよう。

ここからは、戦闘が起こった際にMidレーナーがいるかどうかが非常に重要になってくる。
メイジにしろ、アサシンにしろ、育ったMidレーナーは非常に恐ろしい。
ここまで順当に育ってきたMidレーナーであれば、オールインで敵Botレーナー1人を撃破することも可能になっているはず。
肝要なのは、そのタイミングである。

誰が言ったか、『Botレーナーはサモナーズリフトの最もアツい場所にいなければならない』という言葉がある。
Botレーナーは育てば遠距離から非常に高いダメージを稼げるため、
いつでも戦闘に備えておき、戦いが起こったとなれば危険を遠ざけつつ
火力を出さなければならない。
だとすると、Midレーナーはその『アツい場所を一瞬で冷ましてやる』
を担っていると言えよう。無論、良い意味で。
育ったMidレーナーの火力やCCは、戦況を一瞬で変えうる。
メイジであれば前線を張っているタンクや、スキルによってはその後ろに隠れているBotレーナーを行動不能にして撃破し、
アサシンであれば厳重に守られているダメージディーラーを一瞬で消し去ることで相手を不利に追い込み、アツくなっている相手の顔面に冷や水を
ぶちまけてやることが仕事だ。

上述の仕事を果たすためには、適切なポジション取りが欠かせない。
こちらは何を目標にしていて、対して敵がどのようなアクションを取り、
どのような状況になるのが予見されるのか。
これらを総合して、自身の立ち位置を決定する必要がある。

じゃあ具体的にどうするんだよ、というお話であるが、もうここからは
ケースバイケースだ。最適解は各試合毎に異なると言って過言ではない。
中盤以降の動きを続けつつ、より味方と共にいる時間を増やすように動くことが指針となるだろう。
終盤以降の集団戦は一戦で勝敗を喫しうる。
"あのファイト、自分がいれば勝っていたのに……"となっても後の祭りである。
味方の動きを注視し、敵の動きは抑制していく。
集団戦ないし小規模戦に勝利し、バロンを取得する。
勝利は目の前だ。

終わりに

この記事では非常にざっくりとしたマクロの動きのみを記した。
もっと細かいミクロまで混ぜると文章量があまりに膨大となり、
書き手も読み手も苦痛であるという状況が生まれるため一旦ここで
締めとしたい。
もしも身内から好評だったり、気が向いたらより詳しい内容を書いたり
するかもしれない。

また、最後にはなるがこのゲームにおいての最適解は毎試合異なる。
そして、どの行動にも諸説あるのもこのゲームの特徴だ。
ここで記した内容はあくまで一助とし、丸呑みにはせず、
自分なりの動き方、戦い方を見つけるうえでの参考程度に留めて
おいてほしい。

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