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Bibio - Hand Cranked (2006)


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2000年代のWarp RecordsはPrefuse 73やBoards Of CanadaやClark、Grizzly Bearから!!!やMaximo Parkまでアンダーグラウンドならではの良質で多様性を持ったすばらしいアーティストを擁し、エレクトロニカ〜Hip Hop〜Breakbeatsを行き来するカラフルで華やかで刺激的な、個人的にはそのレーベルロゴの如く1つの大きな惑星のような存在です。

そんな中で2009年に「Ambivalence Avenue」でその惑星に辿り着いた(と記憶している)Stephen WilkinsonによるソロプロジェクトBibioですが、今回はそのWarpへと移籍する以前の2006年にMush Recordsよりリリースされた2作目「Hand Cranked」について。

当時のMush Recordsと言えばcLOUDEDADを筆頭にDaedelusやBusdriverやNobody、Her Space Holidayなどの曲者達が前衛的で良質なサウンドを届けてくれていた記憶があります。

その中で当時明らかに一線を画したサウンドはやはり印象的で、牧歌的なメロディーのフォークギターや使い古したカセットデッキから流れでたようなエレクトロな音像を、荒くチープでローファイな手法「手回し=Hand Cranked」を用いノスタルジア「郷愁」に包まれた黄昏のアンサンブルを聴かせてくれています。

そのメロディーセンスや音像への審美眼は後の作品でも見事に昇華されていて今やAmazonやGoogleのCMに音楽を提供するなど世界的に注目されているが、最新作「Ribbons」に至るまでに続いた数々のアイデアやサウンドメイクはこの作品が源流となって多様性を持った作品たちに仕上がっていったように思います。

この度リリース15周年を記念して?初CD化の5曲を含むリイシュー盤が発売になったので未聴の方は是非に。