『馬の骨』
『馬の骨』
このままどこまでも
バスで旅に出よう
道端の花にしらけながら
約束を忘れながら
バッティングセンターの
虚しさに負けて
公園のベンチに寝転んでは
お金を気にしている
冗談みたいな毎日を
誰にも成れずに生きていく
誰にも似てない夢を見て
ファッション雑誌を読みあさる
嘘ばかりついてきて
傘のなかで眠る
どしゃ降りの雨のなか
野良猫と夜のなか
白熱電球の
惨めさに溶けて
手頃なロープを首に巻けば
明日が恋しくなる
冗談みたいな毎日を
誰にも成れずに生きていく
スポットライトを探しては
イス取りゲームを繰り返す
冗談みたいな毎日を
誰にも成れずに生きていく
名前を呼ばれて振り向けば
涙が流れて止まらない
名前を呼ばれて振り向けば
涙が流れて止まらない
― 古志野光