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【植物の色変化】ともに時間を歩む

本物の植物をレジン(樹脂)の中に閉じ込めるアクセサリーをお作りしていてよく聞かれるのが、色は変わりますか? という内容のご質問です。

これは植物や、植物の加工方法によっても大きく分かれます。

例えば、着色を施したドライフラワーだと色の変化がほとんど見られませんが、中にはやはり退色(色褪せ)してしまうものもあります。また、自然のまま無着色の状態でも、長くそのままの色合いを楽しむことができる植物もあれば、1か月くらいの間に色を変化させるものもあります。

さらには、植物を閉じ込めているレジン(樹脂)自体が経年変化によって変色する場合もありますので、一概に変化「します」とも「しません」とも言い切れないのです。

紫陽花 コンペイトウ(1)

私は植物が生花だった頃の色合いの美しさが大好きで、お客様にもその美しさを伝えたいと思っています。

ですから、その色を損なわぬよう色々なドライ製法を試し、アクセサリーにした後もなるべく長く同じ色合いを保てるよう、レジン液も経年変化の出にくい液を使用しています。

しかし、それでも変化するものは樹脂の中で時とともに少しずつ色を変えていきます。

それを劣化と捉えるのか、魅力と捉えるのか。それは人それぞれですが、【Gretel's Garden-グレーテルの庭-】というハンドメイドブランドでは、その変化も含めた植物の魅力をお伝えしたいと思っています。

そんなわけで、この記事では具体的な色の変化を写真でご紹介した後、私が作家として色の変化をどう捉えているのかという事をお話ししてみようかなと思います。

それでは、まず具体的な変化を見てみましょう。


具体例 その1:着色済みの押し花

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(レースフラワーの押し花:着色加工/制作2018/撮影2020)

制作当時の写真を探したんですが、あまりにも画質が悪かったので比較対象になりませんでした;一応お作りしてから2年経過していますが、作った当時とほぼ植物の色は変わりません。レジン液にも経年変化による黄変は見られないようです。


具体例 その2:ビスケット

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(ビスケット/制作2016)

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(ビスケット/撮影2020)

こちらの元画像も色々探したんですが、めちゃくちゃ荒いものしかなくてスミマセン;写真(下)は、「キーホルダーとして随分前に購入したものを、金具が外れてしまったのでネックレスにリメイクして欲しい」というご依頼をお受けした時のものです。

ビスケットに付いた金具は、ゴールドから金古美のように色が変わっていますが、4年経ってもレジン加工した部分は変化していないという事が伝わりやすいなと思ったので載せてみました。


具体例 その3:オレンジ

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(オレンジ:無着色/制作2020.5/室内晴れ)

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(オレンジ:無着色/撮影2020.12/野外曇り)

こちらは、少しオレンジが濃くなっている感じです。撮影環境が違うというのもありますが、若干色の変化は見られます。


具体例 その4:紫陽花(メロウ)

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(紫陽花メロウ:無着色/制作2020.5/室内晴れ)

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(紫陽花メロウ:無着色/撮影2020.12/室内晴れ)

こちらは青紫の色が抜けて、全体的には透明感が増して色が薄くなり、縁が少し赤みを帯びているような感じです。正直な感想を言いますが、どちらも美しいですね~!ちなみに全く同じ個体です。


具体例 その5:紫陽花(コンペイトウ)

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(紫陽花コンペイトウ:無着色/制作2020.5/室内晴れ)

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(紫陽花コンペイトウ:無着色/撮影2020.8/室内晴れ)

私がアクセサリーに使用する植物の中では、最も色の変化が大きくそして早いのがこの紫陽花コンペイトウです。全く同じ個体の写真ではありませんが、ほとんどが写真のように青から薄い紫色に変化していきます。

変化後の写真は2か月後に撮影したものですが、早いものだと1か月後には変化が表れているものもあるかもしれません。中には色が抜けて白くなるものもあります。次の写真はその一例です。

【コンペ】光P1

(紫陽花コンペイトウ:無着色/制作2020.5/室内晴れ)

【コンペ】光P2

(紫陽花コンペイトウ:無着色/撮影2020.8/室内晴れ)

こちらも薄い紫色に変化。保管については、直射日光にはあてず未使用のまま箱に入れておいた状態です。

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(紫陽花コンペイトウ:無着色/撮影2020.12/室内晴れ)

こちらはご愛用いただいているお客様の私物。おうちに遊びに行った際、さらに色が抜けて白っぽく変化している子を見せていただいたので、お願いしてお写真を撮らせていただきました。保管の仕方は、アクセサリーケースに入れておいて使うときに取り出すとの事でした。

このように植物によっても個体差があり、それも一つの味わいになっています。私は変化する前も後もどちらも好きなので、色合いの変化も含めて楽しんでいただくアクセサリーとしてお客様にオススメしています。

・・・


いくつかの具体例をご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?

他にも色の変化が気になる植物がありましたら是非ご連絡ください。
こちらでご紹介させていただきますね(。☌ᴗ☌。)


変化とは


ある男性のお客様に、紫陽花コンペイトウの色の変化をお伝えしたところ、このような事を仰っていただきました。

「レジン(樹脂)で時を止めて、枯れたり姿形を変えなくなったとしても、
その中ではちゃんと時が刻まれ変化している。素敵ですね。」

もう聞いた瞬間感動してしまって。何年も前のことですが、とても印象に残る言葉でした。その頃の私は、変化についての説明をしていただけで変化を素敵だと思う感覚はまだ持っていなかったんですね。

この方との出会いをきっかけに、色の変化の捉え方は随分変わりました。

【Gretel's Garden-グレーテルの庭-】は、
植物の個性を大切にしてアクセサリー作りをしています。

大きさや形、色の変化具合も含めて個体差があり、人と同じように一つ一つ違った表情があるので、「植物が私たちに話しかけてくれている」そんな気持ちで、お作りするアクセサリーのデザインもそれぞれの植物の個性に耳を澄ませながら考えています。

そして、数ある中からお客様にとっての気の合う友人を選ぶような気分でアクセサリーを手に取っていただきたいのです。

そのままの色を長く楽しめる事も素敵な事ですが、時を刻んで変化していく植物も、何だかお客様と一緒に歩んで行ってくれているみたいで、いいなと思いませんか(◍•ᴗ•◍)

どんなに時を止めようとしても変化していく植物の変化もまた素敵なのです。


今日の記事が、貴方のアクセサリー選びの参考になれば幸いです♪

最後までお読みいただき、ありがとうございました。







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