【タバコ】ラッキー・ストライク

レビュー

ブリティッシュ・アメリカン・タバコが生産しているアメリカ産のタバコ.バーレー葉を使っている.熟成期間は24ヶ月らしい.

基本スペック
タール:11mg
ニコチン:1.0mg
シャグ:バーレー葉
紙:薄い
フィルター:薄い
燃焼速度:速い
扱いやすさ:難しい

マルボロに並ぶアメリカ産のタバコ.燃焼剤が入っている上にフィルターがほぼ綿.そのため,普通に吸おうと思うとやたら速く燃える

吸口は普通に吸うと非常に辛い.舌や喉に痺れが残って非常に不味い.特に,煙を吐くときに強い辛味を感じる.クローゼットの隙間を覗くと眼の前にクリスタルレイクの殺人鬼がいる程度の流量で吸うと美味しい.洋モク独特の甘さと香ばしさを楽しめる.つまるところ,燃えるのが速すぎるので扱いが非常に難しい.

ラッキー・ストライクの特徴は,タバコの甘みにある.燃焼速度が速いとタールが多く出てしまうためツバを吐きたくなる.しかし,慎重に吸うとタール感を超えてタバコが持つ風味が出てくる.ラッキー・ストライクは香ばしさとコクが強く,非常に甘くて旨味がある.雑味,苦味,酸味も少なく,舌にコクが残るため唾を飲み込んでも気持ち悪くならない.

ラッキー・ストライクはこの特徴を「IT'S TOASTED」と表現していて,なるほどこれがトースト感なのかと思わせる.しかし,そのトースト感はどちらかと言うと,辛さと香ばしさの間にあると思う.香ばしさとコクの強さをロースト感とすると,ラッキー・ストライクの旨味の部分はロースト感にあると思う.

吸い方さえ気をつければ,トースト&ローストな旨みが引き出されて非常に美味しい.また,鼻腔喫煙では挽きたての深煎りコーヒー豆の香りして心地よい.ただし,流量をミスったり,副流煙を入れすぎると鼻が焼ける.

欠点として挙げるなら,カフェオレとの組み合わせは雑巾で拭いた粘土並みなのでカフェオレ党は注意したほうがいい.燃焼速度が速いので普通に深呼吸する程度で辛いと感じない人は喉が焼けているので中毒だと思う.指にはタバコらしい雑草感が残る.渋い香りが好きな人は残り香も気に入ると思う.

あと,吸い殻を台所に放っておいてもドブ臭くならない.ピースは台所の環境を劣悪にするが,ラッキー・ストライクは残り香がタバコらしくていい.洋モクの特徴を継承している.

燃焼速度が速いということは,環境にとても左右される.風の強い日に吸うと辛すぎて涙が出る.本当に美味しくないタバコを買ってしまったものだと思ったが,吸い方を工夫すれば美味しく感じるようになる.

美味しい吸い方

辛いのが好きならば,勢いよく息を吐くとあり得ないレベルの辛さを感じる.吸うときはそれほど強く辛味が残らないが,吐くときに辛味を感じられる.

吸うときにトースト感,吐くときにロースト感がある吸うときは空気を多めに取り込み,吐くときは煙を出さない程度が目安になると思う.そして,慎重に呼吸すること.すぐ辛くなるしだから扱いが難しい.

鼻腔喫煙は中間ほどに留めたほうがいい.確かに,挽きたてのコーヒー豆の香りがするものの,最後らへんはこれまた鼻が焼ける思いをする.2回も書いたが痛いレベル.あまりやらないほうがいい.

唾を吐くほど舌に残るとあまり美味しくない.美味しく喫煙できていると残り香に後ろ髪を引かれる.唾を吐くのがもったいないと感じる.

当然ながらこの喫煙方法は明らかにニコチン摂取を目的としていない.このような方法で喫煙すると燃焼温度が足りずにタールが作られにくい.ビターテイストで美味しく楽しく喫煙できればいいなーって人こそこのタバコを薦めたい.

個人的な感想

メーカーは値上げしてでも燃焼剤を抜いたほうがいいと思う.最初に吸ったときはあまりにも不味いタバコだと思ったが,真剣にこのタバコの美味しさと向き合って美味しさがわかった.それ故に扱いが非常に難しいタバコだと思う.

まず,吸うときの流量,吐くときの勢いで味が大きく変わる.これはタバコの手軽さを損ねる.一方で,うまく喫煙できたときは,美味しいコーヒーを淹れられたときの達成感に近い.コーヒーほど手間はかからないので余計に美味しいと感じる.

このタバコは一般常識的な喫煙とは異なり,グルメなのだと思う.味覚,嗅覚,視覚,(舌の)触覚をフルに使ってやっと成立する辺り,非常に気難しいタバコだと思った.

点数を付けるなら,5点満点中の5点.タバコはニコチンを摂取して煙を吐くだけが楽しみではない,ということを辛いと痛いの両方の刺激でもってわからせてくれる.

普段は研究していて生活が厳しいのでサポートしてくれる方がいるととても嬉しいです.生活的な余裕が出ると神が僕の脳に落書きを残してくれるようになります.