『このコとあなたの奇跡のエピソード』3

明けましておめでとうございます! 編集部Kです。

お正月は愛犬とゆっくりお過ごしになられましたでしょうか。

不安も多い世の中ですが、愛犬たちのようにポジティブに明るく、優しく元気に過ごしていきたいですね🐶

さてさて、著者から届いたストーリーをお届けいたします!



外でトイレをする習慣のあるハッチは、病気の末期といわれた後も「散歩に行こう!」とAさんを誘ってくるといいます。でもAさんは、トイレをちゃんと外でしようとするハッチに対して「もう無理しなくていいんだよ。室内でしていいんだよ‥‥‥」と、心配になってしまい、散歩をするのを控えているとおっしゃいました。

私は、Aさんとハッチの出会いのストーリーからお伺いしました。
実はハッチと出会うまでは犬に触ったこともなかったAさん。でもAさんの家に泥棒が入り、知人から犬を飼いなさいとアドバイスを受けたことをキカッケに、その知人のお宅で生まれたハッチを飼うことになったのです。
そんな出会いを経て、定年後のAさんの退屈していた日常は、ハッチと朝晩の散歩を楽しめる新しい毎日へと変わっていったといいます。そして、泥棒への恐怖心も自然に消えていました。さらに、Aさんの奥様が亡くなられた3年前を振り返り、「ハッチがいたからこそ、不安が和らぎ立ち直ることもできた」ともおっしゃいました。

ハッチは、Aさんの家を安全に守る力と、家族の不安や恐怖を和らげる才能をそなえていたのだと私は思いました。
そして、13年間続けてきたAさんとの散歩は、そんなハッチの力と才能が勇気をもって発揮できた理由のひとつではないかと私は考えました。
散歩中のアイコンタクトは、愛犬の自信につながります。そしてそれによって、いつもの散歩コースが愛犬にとっても大切な場所になっていくのです。

私はAさんに、ハッチのためによかれと思って控えていた散歩を、もう一度はじめていただくようにお願いをしました。

それからAさんはハッチとの散歩を再開されました。
そしてハッチは最期の日も、いつもの散歩コースをAさんとアイコンタクトを取りながら歩んだといいます。保育園に立ち寄ったり、テニスコートの脇を上手に歩いてみせたり‥‥‥、そんないつものハッチの姿をAさんにしっかりと見せてくれた散歩後に、ハッチは亡くなりました。

Aさんはハッチが亡くなったあとも、ハッチのリードを片手に散歩を続けています。
堂々と歩くハッチの姿が思い出しながら、今も一緒に散歩コースを歩くことによって、Aさん自身の健康が守られているのです。