見出し画像

DOKKARS REPORT Episode3 JAPAN EVフェスティバル(後編)+α

EVトラックベンチャーのHW ELEMOがおもしろい!

前回の試乗体験レポにつづいて、今回はイベント参加のもう一つの目的であったELEMOのEVトラックについてレポートしたいと思います。まずはELEMOのEVトラックの紹介として、いただいたパンフレットの一部を掲載します。

スクリーンショット 2020-12-11 162345

字が細かいので読めないかもしれませんが、外観はなかなかキュートで、完全なEVです。軽トラタイプのEVと言ったサイズなのですが、この形状であれば、バッテリーの搭載位置が確保しやすいようです。(バタバタしていて、せっかく許可をいただいたのに構造の写真を撮り忘れるました、、、)
前回も紹介したように、アウディe-tronのような現在の高級EVにはSUVタイプが多いのもバッテリーの搭載位置の自由度が高いからだと思われます。
こうしたバッテリーの搭載方法以外にも、いわゆる軽トラはその利用方法として”チョイ乗り”とでも表現できるような短い距離での利用が多いでしょうから、航続距離や最高速度において既存の自動車のレベルを満たすことができなかったとしても、ニーズに対応した機能を備えることができるという点で、目の付け所が素晴らしいと思いました。

実際に運転席に座ってみても、普通の軽自動車とあまり変わらない感じで、地方における農業での利用などにも対応できるのではないでしょうか。

画像3

発売はまだ少し先を予定していて、来年の7月の見込みとのことです。実車を見る限りでは公道を走るに十分なクルマのようでしたが、日本はこういう分野でのレギュレーションが厳しいのでまだまだクリアするべきハードルがあるのかもしれません。

キャプチャ

画像のように荷台のバリエーションを変えれば様々な用途に使うことができます。和倉温泉の”よさこい祭り”などで路上パフォーマンスの先導車として使えば静かでクリーンな車両で踊りが引き立つのではないかと考えたりしました。

自家用としての用途であれば、急速充電器や大きなバッテリーを積むことよりも家庭用の100Vで充電できる手軽さの方が重要だと思います。実際に、こうしたイベントで話を聞くと、都市部では駐車場に電源を設置するのが大変だとかなりの割合でおっしゃる方がいるので、持ち家率が高く駐車場が家の前にあるのが普通な地方のほうが、政策誘導によって早く普及する可能性があるのではないかと私は考えています。

2030年代半ばにエンジン車が販売禁止になるということの意味

ちょうど私がこのイベントに行く直前に、政府が2030年代半ばにはエンジン車を新車販売禁止にするという方針を発表しました。それに追随して東京都は2030年からそれを先行して取り入れるという発表も続きました。
以下のリンクは私がいつも読んでいるEVスマートの記事で、この件についてよくまとめられているので、参考にしてください。


2050年にカーボンニュートラルを目指すという方針は現政権の誕生したときの目玉政策として打ち出されていましたから、それが自動車に及ぶことは十分予想来ていたものの、この方針によって人とクルマの関係は大きく変わっていくでしょう。15年先は決して遠い未来ではありません。しかも、今後エンジン搭載のクルマが減っていくことが既定路線となれば、ガソリンスタンドをはじめとした既存のクルマを前提としたインフラへの投資は確実に小さくなっていき、さらには需要の減少によりガソリン価格も安くなっていくでしょう。そうなるとガソリンスタンドは利益が出ませんから、ガソリン車よりも先にガソリンスタンドが無くなっていくという可能性も低くはありません。そしてこの分野の撤退は地方から進んでいくでしょうから、ガソリンスタンド空白地帯が今後は珍しくなくなっていくでしょう。

だからこそ、EV化を見据えた取り組みが必要だと私は考えています。

住む場所や世代、趣味嗜好によって様々な乗り物を所有したりシェアしたりしながら暮らしの中に取り込んでいく。そしてそれが暮らしの豊かさと環境保護の両立を可能とするものに置き換わっていく。これがEV化の真の意味だと思うのです。こうした理想に加えて、世界における日本の産業の優位性を維持するためにも本格的なEV社会の推進を目指していかなければならないと思うのですが、何となくそのスピードや規模において物足りなく感じるのは私だけなのでしょうか?

ちなみにHW ELEMOの代表の蕭 偉城(ショウ・ウェイチェン)さんは中国の方だと思われますが、小さな車を作っていらっしゃるとは思えない大きな方でした(笑) 
とてもエネルギッシュで野心的で面白い人なので、今度は個人的にインタビューに行ってきます。

画像4

少し話は変わりますが、私の運営している進学塾GRIPの塾生に2050年の話をしても、2035年の話をしても最初はほとんどピンときません。塾生たちは、毎日の勉強がどこに繋がっているかという意識や、この社会において自分にはミッションがあるのではないかという課題意識がとても希薄です。蕭代表のようなイノベーターを育てていくための種まきのような仕事も自分にとって重要だと再確認しました。

ついでにBMWとトヨタのショウルームへ

まずはBMW

お台場に行ったついでに、イベントの後でBMWとトヨタのショウルームに行ってきました。BMWにいったのはEVであるi8の実物を見るためだったのですが、めちゃくちゃかっこよかった!

画像5

お値段は2135万円からとのことで、いまのところ全くの無縁ですが、だれかお持ちの方がいらっしゃったら乗せてください。このクルマの説明をしていただけるようなオーラを出すこともできず、セールスの方も寄ってきませんでした。BMW、アウディ、ボルボ、ベンツ、、、ヨーロッパにおいてはどのメーカーもフラッグシップモデルにはEVがラインナップされています。ここからも本気度が伝わってくるのですが、日本のメーカーは本当に大丈夫なのでしょうか?

そして、TOYOTA MEGAWEBへ

そして最後の訪問場所として、TOYOTA MEGAWEBに行ってきました。2フロアのかなり広いスペースにほとんどすべてのトヨタ車が展示してあります。もちろんコムスも置いてある!

画像6

”日本市場で活躍する超小型EV”と書いてありますが、それほどの活躍を今のところ確認出来てはいません(笑)。早く新型を打ち出してほしいものです。

さて、今回は今まで実物を見たことがなかったiRoadを見るのが重要なミッションでした。できれば試乗も、、、という願望も携えていったのですが、残念ながら触れることすらできず、こんな感じでショウタイムを柵越しに見るだけしかできませんでした。残念。

画像7

一番左側の黄色い乗り物がiRoadです。前が二輪で後ろが一輪のトライクで前の車輪が非対称に上下に動いて車体を傾けて曲がるクルマです。ガンダムのモビルスーツの頭みたいでかっこいい。しかもコムスとは違ってドアもあるし、ぜひとも売り出してほしいのですが、これまたなぜかいつまでたっても市場には出てきません。
残りの二台はセグウェイのような乗り物です。すでにアメリカでは生産を中止してしまった過去の乗り物とでもいうべきものを近未来の乗り物として柵の内側でプレゼンするのもどうかと思いますが、実際に4名のスタッフによるデモンストレーションを見ていたのは私ともう一人だけだったので、新型コロナの影響下とはいえもっと頑張ってほしいところです。

EV購入計画 本格始動! (6)

これらの展示は全て動きません。私がこうした静的な展示だけを観て感動したのは、35年前に行った東京ディズニーランドのスペースマウンテンに並んでいたときでしょうか。デザインコンセプトがあの頃のままで時が止まっているように感じました。製品そのものが機能的であることは大前提だし、それがクルマともなれば安全性能など付加すべき機能も盛りだくさんあります。その分野において日本の自動車は確かに世界の最先端を行っているのかもしれません。しかし、それだけではマーケットで勝ち続けることができないことはすでにここ20年の日本の産業が証明しています。

マーケティングはもちろんのこと、デザイン、哲学に日本らしさをミックスしてさらにSDGs的な文脈に添った商品を打ち出していくことができるかどうかという、非常に難しい問いを突き付けられているにもかかわらず、かつての成功と言う殻に閉じこもっているという印象をぬぐうことができない。そんな空気に満ちたMEGAWEBでした。

最後に

こうして現地に足を運び、実物に触れるとき、常に「じゃあ自分にできることはなんだ?」と問いながら歩いています。
今もまだマイクロEVというツールには可能性があると感じるものの、それをどのようにして社会に打ち出していくかについての明確な答えは見えていません。
そういう意味では、今の自分は”ちょっと変わったユーザー”の一人にすぎないともいえます。しかし、何を使うか?どこでやるか?という問いに対する答えは明確なので、誰と何をどうやってするかについて模索しているところです。それから、いつから始めるかも決まっていて、来春に向けて準備しているので、まだまだ形が定まらないところもありますが、これを読んでいる皆さんには楽しみにしていてほしいと思います。

マイクロEVで地方のエブリディ20マイルを支える!
マイクロEV伝道師 高橋正浩の活動は続きます。
応援よろしくね~



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?