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中小企業診断士二次試験受験生インタビュー *かわいい豆腐には旅をさせよ*

今日は先週末、初めての中小企業診断士二次試験に挑戦されたばかりのフエコ選手にお話をうかがってみたいと思います。フエコ選手、試験お疲れさまでした。
ありがとうございます。

手ごたえはいかがですか?
不甲斐ない出来でした。ファンの皆さんの期待に応えられず、残念な気持ちでいっぱいです。事例IからIIIは比較的いい戦いができたと思うのですが、事例IVで大崩れしました。足切りの可能性もあると覚悟しています。試験が終わった時は本当にショックでしばらく茫然としてしまいました。気が付いたら周り、誰もいなくてビックリしたくらいで。

それは残念でしたね。事例IVの話はまたあとで伺いたいと思います。二次試験は初挑戦だと思いますが、まずは全体を振り返ってどんな試験でしたか? コンディションは万全だったのでしょうか?
想像以上にハードな試験でした。事例IIIあたりからどんどん集中力が落ちていくのが自分でもわかりました。そうして体力・精神力の限界に近づいた事例IVでフルセルフレジとかセミセルフレジとか魚50,000 kgですからね。まあ、言い訳はやめましょう。前日はあまりよく眠れず寝不足の状態でしたが、それは皆さん同じだと思います。前日にいつも通り眠れる受験生の方が少ないのではないでしょうか。

診断士試験の二次試験は国語の試験のようなものだ、という意見もありますが、フエコ選手はどう感じられました?
そうですね、ある意味国語の試験のような要素もあると思います。今回も非常に読解力が試される難解な与件文、問題文でした。でも決定的に違うのが、文章の意図を理解するために一次試験の知識が必須になることです。一次の知識がなければただ事実の羅列にしか見えないと思います。あとはなんといっても制限時間ですよね。制限時間は本当にキツかったです。

でも、二次試験って一科目80分ですよね。とても長い試験だと思うのですが。
私も最初そう思いました。しかも私、読むのは結構早い方なんですよ。時間で苦労するとは思いもしませんでした。でも、最初、時間制限をかけずに過去問に取り組んだ時、事例Iから事例IIIは解答に平均120分かかりましたからね。120分を80分にするんですから、3割以上の削減です。普通だったらシステム導入でもしないと達成できないレベルの効率化ですよ。これをアナログでやろうとするのが二次試験なんです。

なるほど、それはかなりの削減ですね。どうやって達成されました?
診断士の二次試験をどういうプロセスで解答するか、というのは王道のやり方がいくつかあるのでそれに倣いました。そして何分に次のステップに移るのか、というタイミングを繰り返し練習する中で自分用にカスタマイズしていく感じです。あとは単純に、時間が足らなくなりそうになったら早めに見極めて、捨て問を作る、という作戦でした。実際の本番では事例I~IIIでは作戦発動には至らなかったのですが、時間不足を想定していなかった事例IVで予想外に時間が足らなくなって。

それでは事例IVのお話を伺いましょうか。いったい何があったのでしょう?
自分でもまだわかりません。集中力が落ちていたのは確かです。少数を百分率に直すところで間違えている始末ですから。普通だったら見落とさない制約条件もことごとく見落としていました。でも、一番まずかったのは解答の順番をあやまったことなのかな、と思います。

NPV分析とCVP分析の大問、俗にいうフルセルフレジ・セミセルフレジ問題と魚問題ですね。
そうです。NPV分析は後回しにすべき、という先人の知恵は知っていました。でも時間との闘いだった事例I~IIIと違って、事例IVはいつも時間に余裕があったんです。なので、前から順番に解いていきました。

いつもは時間に余裕があったのですね。解答の順番を間違っても、時間に余裕があれば問題ないのではないでしょうか。
はい、そう思っていました。でも、普通に解ければ時間に余裕はありますが、試行錯誤したり、間違えて解きなおしたりするほどの時間の余裕はないんですよね。こつこつと計算していって、出てきた答えを見て、なんか違う気がする。それで、もう一度問題文を読み直して、作戦を変更してもう一度計算。そんなことを繰り返しているとあっという間に時間がなくなります。これはまずい、とようやく見切って次の魚問題に移りましたが、焦って問題を読み違えるので、計算しても数が合わない。安くなるはずのフルセルフレジが高くなったり、50,000 kgをはるかに超える天文学的な量の魚が出てきたりして、パニックになっているうちに時間切れになりました。

やっぱり先人の言葉には意味があったんですね。それでは少し時間をさかのぼって、二次試験に向けた勉強を振り返りたいと思います。何かこうすればよかった、というようなことはありますか?
時間がなかったので、基本的に60点を目指す勉強をしていました。その作戦は間違ってなかったと思いますし、事例I~IIIは概ね作戦通りの勉強ができました。ただ、やり直せるとしたら、もう少し日本語の表現に気を配った勉強をすると思います。再現答案を作るために試験の残り時間で解答を問題用紙に写してきたんですが、試験の後にそれを見て、あまりにも日本語が酷いのでびっくりしました。時間のない中、「これを書かねば」という気持ちが先走りすぎて、何が言いたいのかわからない珍解答を量産していましたね。それでよく考えてみたら、過去問を解いたらふぞろいでキーワード採点して、与件文や問題文の解釈の抜け漏れを確認はしましたが、肝心の解答の文章をしっかり見直したことがなかったんですよ。いや、私はこんな酷い文章を書いていたのかと。

本番でそれに気づくとは皮肉ですね。
そして、一番苦手だった事例IVは二次の勉強時間の7割を費やして取り組んだんですが、あまりにも戦略がなさすぎた。まず、最初に「全知全ノウ」を解き始めて、あまりにも分からないので途中で断念して「30日完成」に切り替えて、という回り道もしています。勉強時間が足りないから両方やるのは無理だろう、という読みだったのですが、だったら「30日完成」を選ぶべきだった。いきなり「全知全ノウ」を解いて身につく人はもともと素養のある人だけなんじゃないかな。取り組み方も、ただ漫然と回すだけになっていました。

もう一度やり直せるならどう取り組みますか?
まず、経営分析、CVP分析、NPV分析、キャッシュフロー計算書以外は完全に捨てると思います。その上で、できるだけ早く2回ぐらい回してから、公式に当てはめる数字が問題文にどういう埋め込まれ方をしているのかを分析して、それこそ事例I~IIIみたいに解答のプロセスを固める努力をしたと思います。NPVだけは本当に苦手だったので少しだけそれをやったんですが、CVPでもやるべきだった。なんとなく雰囲気で解けてしまうのが一番まずいですね。応用が利かないし、今回のように試行錯誤で時間を削るはめになる。

まあ、それもこれも後になって初めてわかることで、初めての受験勉強では仕方のない部分もありますよ。ところで勉強時間は確保できたんですか?
はい。一次が終わってから慌てて勉強をはじめたんですが、二次試験までに180時間ほど確保できました。コロナのせいでリモートワークになったので、通勤時間が無くなった分、平日も勉強時間をとれたのが幸いでした。理想は200時間だと思うんですが、社会人があまり無理せず確保できる勉強時間は180時間ぐらいが限界じゃなかったのかな。180時間でも効率的に勉強すれば間に合っていたと思います。ただ、経験のない分野の勉強を効率的に、というのも難しんですよね。そうなると、やはり少々無理してでも量で稼ぐ作戦で、となります。情熱タイマーの同じグループで一緒に勉強していた皆さんはすごかったです。

同じ受験生の皆さんの頑張りが見えるというのはいいですね。
はい、孤独な社会人受験生の皆さんにお勧めしたいです。あと、二次試験に取り組むにあたっては、Twitterの活用もお勧めです。一次と違って、どういう勉強をすればいいのか、というのがあまりクリアでないじゃないですか。Twitterで他の受験生の皆さんをフォローして、どういう勉強をされているかをリアルタイムで眺めながら参考にしていました。事例IVの勉強で「30日完成」に切り替えることが出来たのも、Twitterでの情報収集のおかげです。

SNSも使いようですね。さて、今回の出来はいまひとつ、となると来年また再挑戦される?
もちろんです。なにしろどういう勉強をすべきだったか、ということはわかっていますから。体力もしっかりつけて、次こそはぶっちぎりで合格したいと思います。

楽しみにしています。それでは最後に応援してくださったファンの皆さんに一言。
これからも応援よろしくお願いいたします。

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