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【徒然書き】憧れだった機材たちを揃えた【mng報告】

今年も既に年の瀬であり、2023年を総括するとかそういう時期に入ってきた。
巷では紅白の出場者が発表されたりして、いよいよ年末へラストスパートがかかっているが、DTMerとしては紅白より見過ごせない(当社比)イベントが年の瀬には残っている。

今の時期といえば───。
そう、ブラックフライデーである。


 超ド級スランプ

といいつつ、ここ2年ほどの私はドがつくほどのスランプであり、最後に楽曲をアップしたのは2022年6月である。
(良かったらどうぞ、ということでリンクを貼り付けておきます。一応DTMerなんですよ、一応ね。)

この楽曲自体は元々アルバムの先行リリースシングル、みたいな位置づけでリリースしたもので、説明欄にもそう書いている。
だが、体調不良に見舞われたり、制作が上手くいかなくなったりしてしまい、結局アルバムの制作自体を一度白紙にした。
そこから新曲はなにも作れていないくらいの超ド級スランプである。

もちろん体調不良はすごく大きく左右しているんだけれど、音楽的な面でスランプになった原因は早々に分かっていて、自分の手元の音に飽きてしまったということ。
それなりに楽器(VST)は集めてきたし、いい音を出せるようにしてきたんだけど、最近はほぼ新シンセ音源の導入がなかった。(オーディオインターフェースは壊れたので買い直したが)
その結果、自分の中での新鮮味が消えて、自分の音にピンと来なくなったのである。
なんか出したい音とズレてるなと思うし、いい音だとも思えなかった。

アルバム制作、再始動。 

そうしてるうちに1年半が経過。
趣味でやっているものだったからそこまで気負わずにやっていたけど、
さすがにこのままDTMerを名乗るのもどうなのか、という疑問も湧いてきて引退も考えた。
まあ別に本気で引退したとて誰に影響がある訳でもなく、別に音楽好きの一般人に戻るだけなので、それでも良かったんだけれど
自分で作るという楽しさを知ることが出来た以上、諦めたくはなかった。

そんな時、最近よくいるコミュニティ内でクラブミュージックのイベントが開催される告知を目にした。
残念ながら全部の時間帯に参加することは出来なかったし、あまりEDMのようなタイプの音も聴かない民だが、クラブみたいなノリは大好物なので足を運んでみた。
すると、そこには普段交流することもあるコミュニティの方々がDJとしてその場を盛り上げて、それに応えてリスナーも盛り上がる、とてもいいイベントが広がっていたのである。
イベントは、オンラインでありながら超満員の言葉がふさわしい大イベントだった。
クラブミュージックというものの特性ももちろんあると分かっている。
それでもその熱狂を見ていた私は、自分もこういうイベントがしたい……!!と久しぶりに前向きに思えたのだ。
そうして2023年夏、わたしは凍結させていたアルバム制作を進め、何年かかってもいいから、同じコミュニティでライブ風のイベントを開催したいと思い立ったのである。

しかし、そのためには音色に飽きている今の現状を変えねばならない。
ということで、今年のブラックフライデーで、久しぶりに大型mng(=my new gear…の略。音楽機材を購入した際に使われたりする)することに決めた。


 ブラックフライデーとは

ブラックフライデーというのはアメリカ発祥の文化で、11月の第4木曜の翌日の金曜日のこと。
あまり日本には馴染みがなかったものの、最近はAmazonを始めとしてイオンやビックカメラなどでもブラックフライデーに関連したセールを見かけるようになった。

音楽機材系は色々なものが安く出る

そんなブラックフライデー、実は音楽機材系のデベロッパーがこぞってセールをやる期間でもあるのである。
大体は11月の頭か半ばから始まることが多く、高価な音源やソフトウェアが手の届く金額になったりすることも珍しくない。
お得に買うにはうってつけのシーズンだ。 
……しかし久しぶりに機材を買うとなると、こんなに世界は輝いていたのかと思うほど魅力的なセール情報がたくさんある。 
この記事執筆時点で11月半ばであり、まだブラックフライデー当日にもなっていないが、セールとしては既に始まっているのだ。

シンセを買って打ち込みを始め、機材沼に沈んで数年。
久しぶりに赴いたセール会場はものすごいことになっていた。
それでは、以下、わたしが買った機材の紹介である。


戦利品1:IK MULTIMEDIA 『Syntronik 2 MAX』

まず1つ目がこれ。
IK MULTIMEDIAから出ている『Syntronik 2 MAX』。聞いて驚け、6190円だった。

要は大量のシンセ音色詰め合わせみたいなセットで、定価は4.4万円。
元々これに入っているシンセのうち、YAMAHAの最初期のFM音源シンセだったGS1と、アナログシンセの名機としておなじみのProphet5、1990年代初頭にYAMAHAのフラッグシップとして活躍したSY99の音源が欲しくて、密かに狙っていたものだった。
この音源たちを個別で買うことも可能なのだが、せっかく最上位グレードのバンドル、Syntronik 2 MAXがその値段ということでそちらを購入。


GS1へのあこがれ

特にGS1は、CASIOPEAの『Mint Jams』で向谷実さんが使っていた機材として、ずっと僕の中で憧れだった。

リアル世代ではもちろんないのだが、
そもそもが鉄道ファン、そしてCASIOPEAに、向谷さんに憧れてYAMAHAのシンセを持った身としては、『やっとあれと同じ音が出せる!!!』という気持ちでいっぱいである。
のちに一世を風靡して80sの音楽シーンを引っ張る機材となり、
今や世界を席巻する電子の歌姫『初音ミク』のカラーリングのモデルにもなった名機、YAMAHA DX7ともまた違う柔らかい音が特徴で、まさに唯一無二のその音が自宅で出せるのだ……!
ちなみにGS1の発売当時の価格は260万円だと言うから驚く
セール価格だった今回の金額だと1/420である。


戦利品2:UVI 『Digital Synsations Vol.1』(無料配布▶半額セールに移行)

お次はUVIの『Digital Synsations』。
これはなんとブラックフライデーのセールに先がけて24時間限定ではあったものの無料配布された。
無料配布が終了した現在は定価149ドルの半額、74ドルでの販売となっている。

無料配布されているソフトシンセというのも世の中には数多くあるし、フリーのシンセでも遜色ないものを作ることは全然可能なんだけれど、ブラックフライデー、こういうことがあるから油断出来ない。

これは90年代のシンセ4台を再現したプラグイン。

  • Roland D-50

  • YAMAHA SY77

  • KORG M1

  • Ensoniq VFX

の4台が再現されて収録されている。

これもまたCASIOPEAとかSQUAREなんかで使われていた機材たちでもある。
それが無料なんて言われたらもらわない理由は何も無かったので、仕事終わりに情報をキャッチした瞬間にもらいに行った。瞬発力大事。
Ensoniq VFXは小室哲哉さんも使っていらしたようなので、その世代の方やファンの方には聞き馴染みのあるサウンドが多いかもしれない。


戦利品3:KORG 『TRITON VST』

3つ目はKORGの『TRITON VST』。
おそらくこれを入手できたことが今回のブラックフライデー最大の収穫であったとしても過言では無いレベルで嬉しかった。
というのもDTMを始めた割と初期から、とある動画で見たこのTRITONの音に惚れて、ずっと欲しい欲しいと言い続けてきたからである。

これは3年前のわたしのポスト。

この後、時が流れて心優しいFFさんからTRITON-RACKというラック音源型のTRITONをお借りさせていただくことになったのだが、同時期のバタバタ(在宅勤務でPC周辺の機材が増えた)のおかげで置き場がなくなってしまい、泣く泣く別の場所に保管することとなり(あまりに申し訳なかったのでFFさんには平謝りした)、制作に活かせない日々が続いていた。
一方でこのTRITON VSTも安くなっても2万を切ることが私の体感ではなく、ちょっと手が出にくい高嶺の花であった。

しかし今年のブラックフライデー、KORGはこう銘打ってブラックフライデーセールを開催したのである。 

https://www.korg.com/jp/news/2023/1113/

『最大50%OFF!! さらにKORG TRITON VSTはさらに10パーOFFの60%OFF!!』

……そう言われてしまうと憧れを前にして抗うことは出来ず、ついに購入と相成った。
当初はブラックフライデーと言えど、おそらくここまでは安くならない!と思って、全く違うシンセの購入を予定していただけに、この棚ぼたは本当に奇跡的であった。

ありがとうKORGさん。 
わたしと同い年のTRITON、すごく楽しみです。

余談ではあるが、このポストにいいねしていただいたことが、もしかしたら伏線だった可能性もあるのかもしれないなと思ったりもする。
真相はいかに。


戦利品その4:Gospel Musicians『BLUE BEAST』


さあ長々とお送りした戦利品紹介もいよいよ最後。
4つめはGospel Musiciansの『BLUE BEAST』である。

あまり聞きなれない海外のデベロッパーだが、公式YouTubeを見るとYAMAHA SY77/85/99のそれぞれをハイクオリティにVST化していたりするメーカー。
SY99は先述したSyntronikにも入っているが、これもまたいい音なので、次の買い物はそれになるかもしれないなと思っている。

これはそんなメーカーのYAMAHA EX5というシンセの再現ソフトウェアである。

YAMAHAのRhodesエレピの音が出したくて

これもまた90年代、CASIOPEA時代に向谷実さんが一時期使用していたシンセで、何よりもエレクトリック・ピアノの音が最高なのである。
エレピといっても、単純なよく聞くような音じゃないのだ。
質感が独特で、その音は後継機種にあたるMOTIF以降にも引き継がれている。
(下記動画を見ていただくと早い)

当初はこれも買う予定が一切無かったのだが、これもブラックフライデーで半額になっていたので購入してしまった。
憧れの人と同じ音というのは、打ち込みであれなんであれ、その人にとってのキラーコンテンツだなぁと、今回の買い物で改めて思った次第。


これらの機材を新しい仲間に加えました

ということでこの4つの機材が我が家に仲間入りした。
今後は既存の機材に、私と同い年かもしくは年上の新しい機材たちを加えて、身体に負担をかけない程度にゆっくりと、まずは楽曲のデモを制作するフェーズに入っていく予定なので、温かい目で見守っていただけると幸いである。
事前に立てた計画では1年がかりで楽器を集め、1年がかりでレコーディングして完成予定だったのだが、図らずも楽器集めが爆速で終了した。
というのも、ずーっと欲しかったシンセがこれでひとまずオールコンプリートになったのである。

手元にここまで全部集まるとは思っていなかった。
もちろんこれから更にDAWのアプグレであったり、既存の音源のアプデ・アプグレであったりは続くのだが、一区切りついたと考えると、感慨深いものがある。

アルバム、頑張ります

ということでまだまだ何も始まっていないアルバム制作。
先ほども言った通り、身体に負担をかけないように、ゆっくりと2年間かけるつもり(延びる可能性もある)でいるので、期待していてとも言いづらいのだが、できあがった際には、『おお、あいつも頑張ったんだな』という気持ちで、温かく迎え入れていただけたら幸いである。

どうぞよろしくお願い致します。
以上、2023ブラックフライデーmng報告でした。


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