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【出版記念】創作BL座談会


皆さんこんにちは。グロッタです。今回はなんとゲストとして、今月(2024年3月)商業デビューされたriikoさんにご協力いただいての座談会をお届けいたします!
実は私もこの度商業BL小説を刊行させていただくことができました。

riiko著『回帰したシリルの見る夢は』(左)/grotta著『派遣Ωは社長の抱き枕〜エリートαを寝かしつけるお仕事』(右)/共にアンダルシュノベルズより刊行


そこで、同時刊行のriikoさんと共に二人の創作に関するあれこれやデビュー作の見どころを語る場を設けてみました!

 他の作者さんがどうやって作品を書いているのか、皆さんは気になりませんか?
今回のインタビューでは「好きなジャンル」「執筆環境」など、BL創作におけるあれこれを聞いてみましたので、気になる目次の部分だけでもチェックしてみてください!

【二人のプロフィール】

riiko:東京都在住。2022年よりWEBで小説を公開。『回帰したシリルの見る夢は』で2024年に出版デビュー。特にオメガバースを好み、執着・溺愛・ハピエンも大好物。書くのも読むのも大好き。カフェでBL執筆が至福の時間。

grotta(グロッタ):北海道在住。2021年よりWEB上で小説掲載を始める。『派遣Ωは社長の抱き枕~エリートαを寝かしつけるお仕事~』で出版デビュー。チョコレートとコーヒーが好き。



Q1.初めて小説を書いたのはいつですか? また、そのきっかけは?

riikoさん(以下敬称略):書き始めたのがいつかは覚えていないです。←ありえます!?

grotta:覚えてないんですね!(笑) 

riiko:昔から物語を読むと、この後の展開が違うのも読んでみたいなぁと思うことがありました。それなら自分で書いてみる!?というのがおおまかな始まりでした。

grotta:わかります。私も見たり読んだりしたものから妄想が膨らみ、自分でも書きたくなったのが始まりです。特にコロナ禍でWEB小説を読むようになったのが大きなきっかけでした。今はこういうサイトがあるんだ!しかも面白い、と。

riiko:grottaさんは、コロナ禍からWEB小説読み始めたんですね。私は読みはじめはもっと前からでした。見つけたとき夢中になって読み漁ったのが懐かしいです。そう言われてみたらWEB小説を見たから、いつか書いて誰かに読んでほしいと思ったかも。会話すると記憶が刺激されていいですね~。

grotta:ですよね、私もこうして振り返ってみて書き始めの頃を思い出しました。riikoさんは、最初に書いたのはどんな話か覚えてます?

riiko:最初に書いたのは一万文字程度の未完結ファンタジーで、今読み直すと子供の感想文!これはもうなぜ書いたんだレベルです。多分BLにハマる前に(笑)

grotta:まずファンタジーを書かれたんですね。私は、ある歌の歌詞を元にしたクルーズ旅行BL(笑)同じく一万字程度で、一応完結してWEBに公開しました。全然読まれなかったけど!

riiko:それはなんの歌か気になりますね~。歌詞からインスピレーション湧いた作品は私もあります。頭にフレーズ残りますよね。

grotta:山口百恵さんのE=MC2という全くBL関係ない歌でした。懐メロをYouTubeで聴くのにハマっていて。他にも歌詞からインスピレーションを得た作品はいくつかあります。riikoさんもあるんですね!

riiko:おお百恵ちゃん!懐メロいいですよね。私もたまにYouTubeで聞きます。私が作品を思いついた懐メロは←いつの間にか歌じゃなくて懐メロ縛り(笑)小泉今日子さんの優しい雨です。「運命だなんて口にするのなら」「こんなに普通の毎日の中で出会ってしまった二人」昭和の作詞家さん凄くないですか!?そのフレーズがずっと頭にあって。これってもうオメガバースにピッタリでしょと、その言葉から妄想が爆発しました!

grotta:お~っ。キョンキョンからオメガバース!聞いてみます。懐メロの歌詞、今聞くとかなりエモいですよね。

 

Q2.初めて小説を投稿したのはいつですか? また、どこのサイトで公開しましたか?

riiko:2022年4月に、アルファポリスさんでした。

grotta:私は2021年6月に同じくアルファポリスさんで。

riiko: 10か月違いだったんですね。 えっ、じゃあ書き始めて5カ月で奨励賞?凄い!最初の作品を教えてください。

grotta:さっきお話した、クルーズものです。riikoさんが最初に公開した作品はどれになりますか?

riiko:『ローズゼラニウムの箱庭で』という超長編オメガバース作品でした。

grotta:えっ、それもお気に入り数4桁の人気作品ですよね?初公開した作品でそれは凄すぎる……!

riiko:連載中というより、二作目がヒットしてから作者読みをしてくださる読者様がいたんです。他の作品が上位になったときとか、徐々に4桁にしていただきました。私の性癖が一番爆発した作品なので、今は少し恥ずかしいです。

Q3.普段、小説は何で執筆していますか?また、どこで書いていますか?(作業環境、ツール、時間帯、BGMなど)

riiko:PCでWordを使用しています。場所はカフェか職場。 

grotta:カフェいいですね!私は大体ダイニングで。PCで、アルファポリスさんのサイトに直書き。子供の習い事を待つ間にスマホのアプリで書くことも。公募に出すときはサイトからテキスト一括ダウンロードできるので、それをWordに貼り付けて段組みを合わせています。便利!

riiko:直書きなんですね~。私は間違いとか起こしそうでまずは下書き派です。グロッタさんは執筆時間決めていますか?

grotta:私は主婦なので頑張れば1日平均2〜4時間くらい確保できます。riikoさんはいかがですか?

riiko:私は気分が乗ったときや、時間あるとき……適当です(笑)

grotta:お仕事していると、毎日決まった時間作業しにくいですよね。

riiko:そうなんです。書く時間帯は決まっていなくて、空き時間ができたときか、無性に書きたくなって無理やり空き時間を作ったときです。

grotta:すぐに書かなきゃ……書きたい!ってときありますよね。

BGMはどうですか? 

riiko:BGMはかけないです。カフェの雑音は気にならないけど、基本無音が好き(^^)

grotta:そうなんですね。私はシリアスな話の時はクラシックかジャズ。コメディならビリー・アイリッシュやデュア・リパなどのポップスを聞きながら書いています。今回書籍化した『派遣Ω〜』はルドヴィコ・エイナウディのIn a Time Lapseというアルバムを聞きながら作業していました。

riiko:おお、具体的。素敵すぎる。それ聞きながら『派遣Ω~』読むと、また世界観が変わりそう。ジャンルに合わせて気分を変える感じですね。


Q4.好きなジャンル、カップリングなどがあれば教えてください

riiko:これ、BLのジャンル? 私たちBL作家で間違いないですよね……?

grotta:そうですそうです! 間違いない(笑)

riiko:それならもちろんオメガバースです!!

grotta:ですよね〜。私達、オメガバースたくさん書いてる同志ですから!(笑)

オメガバースと一口に言っても最近は色々系統がありますが、好きなジャンルはありますか?

riiko:獣人は書いたことないけれど、読むのは大好きです。

grotta:人気ですよね、獣人BL。私も一作書いてみましたが、もふもふに癒やされました♡

riiko:癒されますよね~♡私は読む方ですが。

grotta:キャラクターの属性でいうと、どうですか?

riiko:執着強めの溺愛好きです……ただの甘々ではなくて、ストーカーばりに危ない攻めなのに、受けの許容範囲が広くてただの溺愛になるやつ

grotta:わかります〜!やっぱり趣味が似てますよね私達。品行方正な攻めが、受けのこと好きすぎるせいで頭おかしくて危ないヤツになっちゃうの大好き(笑)。今回の私の書籍化作品もまさにそれです。ちょっとヤバい攻めがグイグイくるという。

riiko:え、そうですか?ヤバい攻めかなぁ、私の好みな攻めでしたよ!……やはり趣味が似てますね私達。

grotta:好みが似てるからヤバく感じなかったのかも(笑)。マーキング(オメガバース特有の特殊設定)のシーンなどは令和コンプラ的にどうかなと、反応が怖いような楽しみなような。

カップリングに関してはどうですか?つい書いてしまいがちなのってあります?

riiko:カップリング……うーん。攻めは美形で、受けは可愛い系や綺麗系好き。平凡が溺愛されるのもいいですね。ガチムチ受けとかも見てみたい!要はあまりこだわりないです(笑)

grotta:ガチムチ受け!それは守備範囲広いですね!私の妹はガチムチ受けスキーです。彼女の布教のお陰で私もガチムチ受けを美味しくいただけるように……(笑)

ちなみに私は美人の襲い受けが好きです。そして、イケメンの攻めが泣くところが見たくてすぐ情けない攻めを書いちゃいます

riiko:わかります~、イケメン攻めの涙見たくなる。

grotta:ほんとですか!?同志がいて嬉しいです……!

Q5.創作スタイルは? どこ(何)から書き始めますか?(プロットかっちり、思いつきやノリ)

riiko:ストーリーがぼんやりと浮かんだら、最初と最後を決めて真ん中を埋めていきます。思いつくままノリで(笑)

grotta:最初と最後を先に決めるんですね!結構直感タイプって感じでしょうか。

riiko:ここ怒られそうだけど……プロットなし、全て脳内完結。でも書籍作業してプロットの大切さを知ったので、これからはプロット作りも頑張りたいです!

grotta:プロットがあると、道しるべになるというか……特に今回のように編集者さんとやりとりする場合などはあると良いですよね。ただ私も今回の作品を書いたときはプロットをちゃんと作っていなくて。当時は「疲れてるから癒やされるΩ受けを抱きしめる話が読みたい」という思いでキャラクターを考えて。ラストは決めないで書き始めました。
私は頭から順番に書くタイプですが、riikoさんはそうじゃないということでしょうか?

riiko:私は結末だけはゆるぎなく決めています。ラストを決めないで書き始めるgrottaさんは、柔軟に書けるタイプですね。
私の作業はハチャメチャで、途中飽きると終わりかけを書いては、全然違うところ書き、また戻り、なので最後まで書かないと連載は難しい書き方しています。長く連載できる方尊敬です。私は短期集中型で、ほぼ出来上がってからしか投稿できません。

grotta:最後まで書き上げてからの投稿なんですね。私はせっかちなので、今回書籍化した話を書いた当時は5000文字〜10,000文字書けたら見切り発車(連載スタート)してました。自転車操業で、書いてその日のうちに投稿。続きはお風呂などで妄想して、朝晩の2回更新してました。今はさすがにこのやり方は怖くてできないです(笑)
最近はnolaという小説執筆ツールで一応プロットらしきものを作ってから書くか、紙のノートに一応ラストまで箇条書きしてから書きはじめています。

riiko:私も最後まで書かずに連載できるかなと思ったことがあり、見切り発車の自転車操業やりました……あれは辛かった。
そういうツールがあるんですね。今さらですが見習わせていただきます。

grotta:私も他の小説書きさんが利用されていて知りました!プロットやテーマなどを見やすく整理できるのでおすすめです。


Q6.好きな作品や作者さんについて教えてください(BLでは?それ以外では?)

riiko:えっ、この質問難しい。

grotta:それはたくさんありすぎて選べないという……?

riiko:そうですね。BL小説の好みはXで披露している気がするけど、多すぎて書き漏れる恐れあるので……ここでは秘密です(笑)

grotta:なるほど(笑) riikoさんはたくさん読んでいるイメージがありますが、どうやって読む作品を選んでいますか?

riiko:作者読みもしますが、基本「タグ」探し。好きな幅が狭いんです。grottaさんは?

grotta:タグで検索されるんですね。私は最近はBL漫画の方が多く読んでるかな。漫画でもBLは読みますか?

riiko:BL漫画もいいですよね~。私は吉田秋生先生の『バナナフィッシュ』に衝撃を受けました。きっとまだBLを知らなかった頃かな?物語としても衝撃を受けて泣きました。
シリルのイラストを描いてくださった(←シリルの宣伝も兼ねてすいません)たつもとみお先生の『としのさ夫夫』も好きです。嫉妬や執着が見えて、さらにエッチなので読む価値あり!絵がタイプ過ぎて、シリルを書いてくださったことにもう!大興奮です。

grotta:『バナナフィッシュ』私も大好きでした~!たしかにBLという言葉は知らずに少女漫画の一つのジャンルとして読んでいた気がします。たつもとみお先生については、元からファンだったんですね!私は未読だったので、読んでみます!

riiko:ぜひぜひ~。grottaさんの好きな漫画も教えてください!

grotta:最近SNSで試し読みして買うことが多いのですが、表紙だけでジャケ買い(って今は言わない?)して中身も好みだったのがざぞん先生の『ワンアワーラヴァー』。とにかく可愛い・美人受けが好きで。密かに溺愛されてるシチュが良かったです。あとはしゅがーぺろぺろ先生の『ラストノートが香るとき』はオメガバースじゃないけど匂いフェチ好きは絶対読むべき!過去作品も含めると無限にありますが、長くなるのでまた別の機会に語れたらと……

riiko:これ終わらないやつだ……そうしましょう(笑)

grotta:BL以外ではどうでしょうか?

riiko:BL以外ではファンタジー。『ハリーポッター』『十二国記』が特に好きです。

grotta:ファンタジーがお好きなのですね!私はハリーポッターは映画は見ましたが本では読んでいなくて。十二国記の小野不由美先生でいうと、昔『屍鬼』にハマってました!ミステリーが好きなので、旦那様の綾辻行人先生の作品もよく読んでました。海外物だと、アガサクリスティの『そして誰もいなくなった』などが好きです。最近読んだのだとSFの『三体』も面白かった。

riiko:grottaさんミステリー好きだったんですね。新たな発見があるから、BL以外のお話も面白いですね!

grotta:いずれ機会があればBL以外についても語りたいですね!

 

Q7.影響を受けた作品は?(小説や漫画、映画やアニメなどなんでも!)

riiko:影響は見るもの全てに受けていると思います。だから作品名限定は難しいです。

grotta:見た時代や、書く作品にもよるので、なかなか難しいですね。

たしかXで好きな漫画として『俺だけレベルアップな件』を挙げてらしたと思うのですが。(私も今86話まで読んでます)こういうバトルものも読むんだ〜!と意外に思いました。漫画も小説も、結構ジャンル問わず幅広く読んでらっしゃいますよね。それがriikoさんの創作に活かされてるのかなと思いました!

riiko:少年みたいですよね。『俺だけレベルアップな件』、grottaさんも読んでるんですね!なんか嬉しい。grottaさんはどんな作品に影響を受けました?

grotta:私は江戸川乱歩や横溝正史が原点で、コメディを書いているときでもフェチズム的な影響が根底にずっとある気がしています。

riiko:おおおお、そこが原点なんですね。素敵です。

 

Q8.得意なジャンルを教えてください (シリアス・コメディ、溺愛、甘々、切ないetc.)また、今後挑戦してみたいジャンルはありますか?

riiko:得意は基本シリアス、切ない系(得意というか……本格的に書きたいのはそういった問題作です)たまに疲れるとコメディ書きますが得意ではない。今後は獣人に挑戦したいです! grottaさんはどうですか?

grotta:私も本当はシリアスを書きたいんですけど、読者様 の反応を見るに、どうもコメディの方が向いているようです。

riiko:grottaさんのシリアス好きだけど、コメディが反応良いのがわかる気がします。受けが天真爛漫で明るい方が好まれますよね。反応良いコメディって……私が初めてgrottaさんのとこにアクション起こしたやつかな。コメディ書くのって楽しいですよね!

grotta:そうそう、riikoさんが反応くださった『恋活パーティーサクラの俺、苦手な上司に遭遇し溺愛されてしまう』という話(笑)。

riiko:やっぱり!あれは凄く面白かったです。今からでもみんな読んで~、ワクワクしてページが進むから。

grotta:riikoさんの『運命を知っているオメガ』というコメディも拝読しましたが、読みながら声出して笑っちゃいましたよ!キャラクターが生き生きしていて、つい応援したくなる受けくんで。

riiko:あれが私の2作品目なんです。褒められると嬉しいです!やっぱりコメディは面白いですよね、読むのも書くのも!

grotta:ちなみに先日エブリスタさんでデスゲーム要素のあるミステリ風のオメガバース(シリアス)を公開したのですが自分は楽しかったです。ほぼ爆死と言っていい反応でしたが(笑)自己満足!いつか挑戦したいのは、中華後宮もの!

riiko:エブリスタさんで上位にいるイメージあったけど、そんなことが?自分の好きなものと読者様が好むものが交差しないことありますよね。いつか、grottaさんは中華後宮で私は獣人、挑戦しましょう!

grotta:普通に未だに爆死しますよ。シリアスを手直しして、アルファポリスさんに載せるときはコメディに改変して載せようかな……(涙)riikoさんの獣人、楽しみにしてます!

Q9.小説のアイデアの源はなんですか? どうやってお話を作られているか、ざっくりでいいので教えて下さい(キャラから作る、シーンが浮かぶ、世界観を作り込む所からなど)

riiko:突然、物語が脳内に湧いてきます!
なんとなくストーリーの盛り上がり部分が頭に浮かんで、物語が脳内で展開。

grotta:脳内に湧いてくるんだ!例えばどういうときですか?

riiko:浮かぶきっかけは、季節、自分の目に入った何か、直近で誰かと話した会話や読んだ本や映画ドラマの影響も強いかもしれません。

grotta:私も、映画を見てる途中などにパッとインスピレーションが浮かぶときがあります。それから、どう広がっていきますか?

riiko:受けの性格とかおおまかなことを決めて、そこから攻めが生まれ、当て馬、もう1人くらい友人とかライバルとか3人~4人が主要キャストで、頭の中でその子たちの日常が始まり、恋してワチャワチャして、試練を乗り越え最後はハピエン。脳内でクライマックス迎えると一人涙を流している変態は私です。

grotta:変態って(笑)結構ばーっと一気に浮かぶタイプなんですね。
私は「こういう受けと攻めの組み合わせって面白いんじゃない?」という属性が浮かんで、riikoさんと同じように友人などが増えて……って感じです。私も、シーンを思い浮かべて泣きながら書いてるときあります(笑)
設定を先に思いつくこともあるのですが、どっちかというとキャラから発想をしたものの方が受けがいいかなって感触です。キャラが大事ってよく公募の選評でも言われてますもんね。

riiko:キャラ大事……言われてますよね。grottaさんは絵も描けるし、キャラ設定得意そうですね。

grotta:キャラ設定実は苦手なんですよ~。推理小説ばかり読んできたからか、状況設定やストーリーの方が先行しがちです。

 

Q10.長編と短編、どちらが得意? 長編を書くコツ・短編を書くコツなどはありますか? 秘訣があれば教えてください

grotta:今回書籍化にあたり、riikoさんは長いお話を短く、逆に私は短い話を長くする方向で改稿しましたよね。riikoさんは長編がお得意だと思いますが、いかがでしょうか?

riiko:だらだら書くと、長編になります。コツなんてないです!
むしろ短編を書くコツを誰か私に教えてください(涙)

grotta:私は単一視点の長編だと大体8〜9万字で終わっちゃうので、長く書ける人はすごいと思ってます。連載開始すると早く終わりたくなる症候群なので、コツというよりとにかく最後のシーンが見たいという一心で最短ルートを書いてます(笑)

Q11.スランプや、モチベーションの低下などを感じることはありますか? またそれを克服するためにしていること(執筆以外の趣味やリフレッシュ方法)はありますか?

riiko:今のとこスランプは無いです。脳内に物語が生まれたら書いて、心に余裕ないと妄想はしないのでスランプというか、ただ生まれないから書く必要がないかな~と。

grotta:なるほど。妄想が生まれたときに書く!ということなんですね。

riiko:grottaさんはスランプありました?

grotta:私はここ1年は主にコンテスト向けに書いていたので、締切があるから間に合うように書かないといけなくて。そういう場合は、気分が乗らず書きたくないな~というときもありました。でも、プロットが決まっていると無の心で機械的に書けるタイプなので、とにかくまずプロットを作るようにしていましたね。

riikoさんは書いている途中でモチベーションが下がることはありませんか?

riiko:モチベの低下は、コメント欄が荒れたり、読まれてないことですかね。連載中って目に見えてわかるじゃないですか!だから怖いですよね。

grotta:めっちゃわかります(笑)怖いですよね〜リアルタイムで数字が見えるから。コメントもドキッとするものがたまに来ますし。

riiko:つまらない作品を世に生み出したとき(自分では楽しいと思って書いている)、うわぁぁぁーとモチベ下がるので、一気に完結させてそこから立ち去る!未完結は読んでくれた方に申し訳ないので、ここはもう無です(笑)

grotta:わかります。自分としては他の作品と同じテンションで書いてるのに、どうしても人気が出るのと出ないのがあるから。「え、これダメだった!?どこが?」って(笑)私も同じく、無の心でひたすら完結させて、静かに終わります。

riiko:ね!そこどうして?ってなりますよね。実はひとつ未完で取り下げた作品があるので、いつか書いて終わらせたいです。 忙しくなり手が止まると、物語の続きの内容忘れる←プロット書いてないから最悪な結果になりました。

grotta:途中で止まってしまうとなかなか復帰が難しいですよね。そこで大事なのがプロットか〜!
私も、完結せずにもう2年くらい経ってる話があります。今年こそ完結させたい……!
ちなみにriikoさんは行き詰まったときに気持ちを切り替えるための趣味などはありますか?

riiko:執筆以外のリフレッシュ方法は、スタジオに行って集中してヨガをすることです。部屋から出られない時は三点倒立しています。

grotta:えっ!三点倒立!?

riiko:すーっと全身の力が抜ける感じ好きなんです。変ですかね!?あと、最大の趣味は当たり前ですが、BL小説を読むことです!
それからジェンガ!これはチビリそうになるくらい興奮しますが、一緒にやってくれる人が必要なので(盛り上がりが大事!)執筆中のリフレッシュではない?執筆でうわーっとなっても、ジェンガをしたら大抵のことを忘れられる。ぜひ試してみてください!

grotta:待って待って。三点倒立もびっくりしたけどジェンガ!?もう、何十年もやってないよ。というか、持ってる人が周りにいない!riikoさんの知られざる生態が今明かされた気がします。皆さんジェンガを買おう!

riiko:ぜひやってください~。ほんと面白いから!最近ハマってて、急に私の周りマイブームきてます。大人になってやるとまた違いますよ。私もgrottaさんのリフレッシュ法聞きたいです。

grotta:私のリフレッシュ法は、映画などの映像コンテンツを見ることかなあ。あとは、溺愛BL漫画を読む(笑)文字を書いていると、映像や漫画を見てリフレッシュしたくなるんですよね。あと、ペーパークラフトが好きです。お花作ったり。それと裁縫も気分転換になります!最近は甥っ子姪っ子の小学校入学グッズを作ってます。

riiko:わかります~、映像いいですよね!えっ、裁縫素敵すぎる!家庭的で憧れます。趣味がとても可愛くて人柄が出ていますね。私の趣味……どんな人柄だよ~!?

grotta:私はriikoさんの趣味を聞いておしゃれで都会的だなと思いましたよ!あ、でも今気づいたけどジェンガも裁縫も指先を使って集中する作業なのが同じですね。単純作業に集中するのがリフレッシュの秘訣なのかも!

Q12.商業デビュー作となる『回帰したシリルの見る夢は』『派遣Ωは社長の抱きまくら』の創作秘話や、見どころ、本編には出てこなかった裏設定などがあれば、言える範囲で語ってください!また、特にお気に入りのキャラクターがいたら教えてください

riiko:創作秘話?裏設定?単純な私に高度な質問はちょっと……

grotta:そこをなんとか、お願いします!

riiko:あー、でも!シリルの話を書いている時にいきなり設定が浮かんで、攻めの母である男性オメガ王妃の過去を思いついたんです。

grotta:お、創作秘話だ!

riiko:これが秘話か!!彼らの若き頃の恋愛ストーリーを別作品として『王太子専属閨係の見る夢は』を書きました。その主人公が『回帰した~』お気に入りのキャラで、オメガ王妃です。彼はシリルに対していい仕事しますよ~。

grotta:なるほど、親世代のストーリーも浮かんだんですね。それが別作品となったと。じゃあ、シリルを読むとこちらの世界も楽しめるわけですね!

他に、裏設定もあったりしますか?

riiko:本編に出ない裏設定は、王子(攻め)の護衛騎士の父親を『王太子専属~』に出てくる国王の親友にしました。その物語のエピローグで子供たち(シリルとフラン)は出会い、恋が始まります。

grotta:耳寄り情報いただきました。これは『王太子専属〜』も読まないとですね。

この勢いで、書籍版シリルの見どころも教えていただけますか?

riiko:「シリルの気持ちの変化」と「心理描写」ですかね。

grotta:BLで大事なやつですね!

riiko:私は会話だけで進む傾向が強かったので、書籍化にあたり地の文で、心の描写、一人一人の動きの表現に力を入れました。それと今回はシリル目線で話を進めているので、他の登場人物の心の描写を読者様にどう伝えるか、シリルが見た彼らの心の変化などをがんばって書きました!

grotta:WEB小説、会話中心になりがち問題ありますもんね。

riiko:ありますよね!会話以外をちゃんと描写しないとね。grottaさんはどうですか?

grotta:私の方は連載時と比較してそこまで変わっていないのですが、Rシーンを加筆することになったので心理描写を多めにするようになるべく気をつけました。

riiko:Rシーン加筆は読者様は嬉しいですよ!私としてはBLの醍醐味だと思うのでRシーンはぜひ読みたい!やはり、心理描写大事ですね!創作秘話はありますか?

grotta:創作秘話……というほどではありませんが、こちらはオメガ受け視点のストーリーなのですが、どちらかというと私は攻め目線で「こういう受けに癒やされたいんだ!」という理想のオメガキャラを考えたのが始まりでした。癒やし=抱き枕だろ、という短絡的な発想でお話が生まれています。

riiko:癒やされたかったんですね!

grotta:どうもその時、疲れていたみたいです(笑)それが起点なので、大の男が成人男性を抱き枕にするためにはどうするか……とそこからストーリーを組み立てた感じです。ささいなきっかけを元に話をふくらませるのは結構好きなんですよね。

riiko:わかるわかる!それに、疲れてるときって現実世界から離れたいから、脳内で幸せ物語スタートさせちゃう……脳内幸せ自己発電。物語の裏設定はありますか?

grotta:この話は番外編で脇役のサイドストーリーまでぜ~んぶ書いちゃったので出してない設定ってないかもしれません。

riiko:脇役のお話、良かったです~。細部にわたって丁寧な感じでした。

grotta:そう言っていただけて嬉しいです!

Q13.書籍化作業で苦労したことについて、言える範囲で教えてください。逆に、楽しかったことや嬉しかった瞬間があればそれも教えて下さい!

riiko:えっ、たくさんありますよ。ここでは言えないことの方が多いかな(笑)

grotta:同じくです。

riiko:こんなに辛い作業だと思わなかったです。片手間にできることではなかったです。その間、お仕事も家庭もボロボロでした。

grotta:わかります!専業主婦でも最後はかなりキツかったです。ご飯の用意が遅くなったり、子供の宿題の丸付けを忘れたり、ボロボロ(笑)

riiko: 私は、言葉の使い方、言いまわしなど、間違って使っていたことが多くあったと痛感しました。

grotta:私も実は最近になって高校の国語ドリルを問いたりしています。(小説の書き方動画でプロ作家さんがおすすめしていた)でも満点って取れません!日本語がちゃんとわかっているつもりで、間違えて覚えてること、知らないことってありますよね。

riiko:そうですね。それにしても、その勉強方法いいなぁ。
私の最初の難関は、28万文字あった作品を1冊分の分量にしたこと。ここで1度心が折れそうに。でもそれをしたからこそ文章に無駄が多いと知れたので、客観的に見えて勉強になりました。

grotta:WEBで書いてるときは文字数制限がないので、思いついてそのまま書いてしまいますもんね。私の文章も無駄が多かった。

riiko:あと最後の方になるともう、やること多くてヒーヒ―言ってgrottaさんに泣きついていましたよね(笑)

grotta:私も後半結構キツかったです。ちょうど子供の冬休み中だったのもあったし、途中で子供がインフルエンザになったり。たまたま夫の繁忙期と重なってしまったのもあり最後は同じくヒーヒー言ってました!

riiko:お互いに辛い時期が一緒で、相談できて心強かったです。もし、書籍打診受けた方が見ているなら一言。これ、グロッタさんや他の先輩も苦労されたと聞いたので。
漢字やひらがな、カタカナ、同じ文字を違う形で乱用したりしている方は、要チェックです。ここは作業始まる前に直せる。私は全ての文章作ってから探し出したからもう大変、気をつけていても結構出てきました。300頁越えを何度も見直したのは初めてです。しばらく厚い本読みたくない。

grotta:ですね。これを探すのが地味に大変でしたよね。 表記揺れ、Wordですぐ検索して一発変換で早いうちに整えましょう〜!
つらいことばかりではなんですので、楽しかったことや嬉しかったことはどうでしょう?

riiko:それは読者様が本になるのを待ってくれていたことです!
あと書籍先輩たちが優しかったこと、これもこの作業で嬉しかったことの一つです。

grotta:本当ですね。私の作品は連載からかなり時間が経っている話だから誰も覚えてないと思っていたのです。だけど書籍化を喜んでくれる読者様がいて、すごく嬉しかった!

riiko:私もgrottaさんの告知見て喜びました~!連載中見ていたから、わぁ!となりました。書籍化進行中と情報解禁されてから、他の書籍化先輩やグロッタさんに作業中の悩みを打ち明けることができて心が軽くなりました!私の進行具合から、そこからが本当に辛い作業の始まりだったので、どれだけ救われたかわかりません!この場で、グロッタさんはじめ支えてくださった先輩方に感謝の言葉を言わせてください。本当にありがとうございました!

grotta:私もriikoさんがたまたま同月刊行になったので本当に心強かったです!そして、おっしゃるように書籍化した先輩たちは質問したら皆さん優しく教えてくれて……!大変お世話になりました。ここを読んでくださるかはわかりませんが、この場を借りて感謝申し上げます。

 

☆最後に、読者様に向けて一言お願いします!

riiko:『回帰したシリルの見る夢は』連載中は賛否両論あった作品でしたが、プロの編集さんが入ってくれたことで、受け入れやすい作品に仕上がったと思います。
連載中多くの方が読んでくださったからこそ書籍化に繋がりました。応援してくれた読者様のお力だと思っております。本当にありがとうございました!
書籍化にあたりほぼ改稿している作品につき、途中経過が連載中と少し変わります。
改稿にあたりシリルの気持ち部分を考え直したので、当初戸惑いや矛盾ばかりが生まれてしまい、本当に大変な作業でした。修正し最終的な確認のときにすべて繋がったように思えます。書籍はweb連載を読んでくださった方でも、新鮮な気持ちで見られると思います。
全然一言じゃない!?
作業中にシリルの話を何度も読みました。それなのに毎回、最後に同じ場所で泣いてしまうくらい、ラストは私のとても気に入っている仕上がりになりました。
長くなってしまいましたが、良かったらお手に取って楽しんでください!

 

grotta:『派遣Ωは社長の抱き枕』も賛否両論あった作品でした。様々なご意見やご感想など、読者様の反応があったからこその書籍化です。皆様の応援によりこうして装いも新たにお目見えする機会を得られたこと、大変ありがたく思っております!
不憫な境遇でも明るく乗り切っていくΩの志信と、少し鈍感だけれど愛情深いαの宗吾の王道溺愛ストーリーを楽しんでいただけたら幸いです。
小説を書き始めてわりと初期に書いた作品なので拙い部分がたくさんありました。だけど、勢いがあって自分で言うのもなんですがクスッと笑える楽しい作品になっていると思います。
疲れているけど頑張らないといけない、そんな日々の中で読者様がこのお話を読んで少しでも癒やされていただけたら嬉しいです。お勤めされてる方、経営者の方、主婦の方、学生さん、みんな頑張ってるから……BL小説を読んでリフレッシュしましょう!

おわりに

ここまで御覧頂き、誠にありがとうございました。
またこの度はriikoさんに多大なるご協力をいただき、とても参考になるお話をたくさんお聞きすることができました。本当にありがとうございます!

この記事がriikoさんのファンの方(&もしいてくださるなら私のファンの方……)に届けばいいなと思います。また一方で、BL小説を執筆されている方にとって少しでも参考になればいいなと企画してみました。
私が個人的にriikoさんの創作の源を聞いてみたかったのが一番の理由なんですけれども!
(他の人がどうやって小説を書いてるか、気になりませんか?私はとっても気になる!)

 スペースで声の配信(出版記念トークなど)をするのが流行りだと思うのですが、自分の声でフリートークする自信がないため、文章にしてみました。お楽しみいただけたら幸いです!

二人の書籍の詳細につきましてはこちらをご覧ください♪


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