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信用の対価


どうにも横着なもので、

本来、開店前に済ませておかなければならない作業を、

お店を開けた後にやる習性が、

なかなか直らないでいる。

特に「表を履く」「植物に水をやる」「打ち水をする」

といった、

直接営業に関わりがないものは、常に後回しで

「店始まってからでいいか。どうせ開店直後なんて暇だし。」

なんて、たかをくくっていて

常習化しているところさえある。


よろしくない。


そんななまくら店主を叱咤するように、


たまに、5時ぴったりの来店があったりすることがある。


店主慌てふためいて


改心するかというと


そうでもなくて


とりあえず、一杯お作りすると


お客さんそっちのけで


さっさと表へ出て


やっぱり「打ち水」などを始めたりする。


懲りない店主だ。




でも、


実は


これも、


ちょっとしたサービスの一環という側面がある。



5時ぴったりに来るお客さんというのは、


大概、決まってその時間に来る、


馴染みの方が多い。


もう、そういう方々は、オーダーも決まっていて、


オートメーション的に事が運ぶので、


こちらとしても、行動を取りやすい。


今更、雑談の必要もなし。


それに、まあ、こう言っては何だが、


ある程度「信用」もしている。


もちろん、初めて来られた一見さんに、こういった行動は取らない。


当然の話だ。


ところで、どこがサービスの一環かというと、


本来、お客さんが「店の中に一人」というシチュエーションというのは


有り得ない話だ。


それは、店主の僕だけが体験できる、ある意味「特異」な時間だ。


都心のど真ん中で、誰もいない、あの空間を、独り占め。


それが一瞬だとしても、


なかなか出来ない体験だと思う。


これをサービスと言わずして、何と言おう(笑。


何も、フルケアで構ってばかりいるのがサービスではないのだ。


いわば「信用の対価」である。


と、


勝手な独りよがりを、また楽しんでいる。


いつも有難うございます。


はたして分かってもらってるでしょうか??(笑。


まあ、ガラス張りの大きな扉だからこそ、


成せる技なのですが(やっぱり信用してないじゃん(笑。)。


通ってみてください。


開けたての BAR 。


最高ですから。


神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

そのうち店主も改心します(笑。

お待ちしております。


Trust Me / SwuM Swum
SwuM Released
2018

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)


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