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スタディツアー参加者インタビュー 〜株式会社リミックスポイント代表取締役:小田玄紀さん〜

みなさま、こんにちは! フクシマ部運営メンバーの下村です。
GSCフクシマ部は、2021年11月12日(金)~14 日(日)に第2回フクシマ部スタディープログラムを開催しました。今回は、当プログラムにご参加いただいた小田玄紀さん(株式会社リミックスポイント代表取締役)に、実際に目にした福島の姿についてお話を伺いました。

小田玄紀さんプロフィール写真

小田玄紀さんプロフィール
 株式会社リミックスポイント代表取締役。世界経済フォーラムより2019年にYoungGlobalLeadersに選出される。2021年より日本人で唯一のYGL Advisory Boardに選ばれる。リミックスポイントでは「法律改正・規制緩和」の市場分野に積極的に投資・事業開発をしており、2015年より小売電気事業に参入をしている。
 『頑張る人が報われる』をテーマにして2001年に東大法学部時代に起業をし、2002年から社会起業家の支援・育成、2003年よりスタートアップベンチャーの投資などを行う。2011年の東日本大震災を契機に、事業再生に携わるようになり、2012年に事業再生の一環としてリミックスポイントに経営参画した。

ーーなぜ、ツアーに参加されたのですか。


 自分自身の人生の転機になったのが東日本大震災でした。東日本大震災では多くの人の人生や価値観に影響を与えました。私の周りの経営者も事業再生や自己破産をする人たちが多くいたのですが、彼らへの風当たりは強かった。その人たちに「再チャレンジが当たり前になるように」ということから事業再生に携わるようになりました。今回は、そこから10年たった今の福島がどうなっているかを視察したかったのです。
 また私自身、電力事業を展開する中で、改めて原発の必要性を感じています。実際に今、福島でどのような(原発に関する)取り組みがされているかを知りたいと思いました。

ーー福島に実際に足を運ばれて、どのように感じましたか。


 東京電力の方々が(原発事故の問題に)非常に真摯に取り組んでいることを強く感じました。また、1号機から4号機を目の当たりにして、改めて原発の効率性を実感しました。わずかあれだけの土地面積であれだけの発電が出来ることは非常に大きな価値があると思います。例えば太陽光発電で同じだけの電力を賄おうとすると、膨大な土地が必要ですから。

ーー原子力発電の運用に関しては、批判も根強いように見受けられますが。


 安全性は重要ですが、「事故が起きたから原発はもうだめ」と感情論に基づいて考えるのではなく、「事故が起きた要因を適切に分析し、どのように改善にいかしていくか」というマインドが重要だと思いました。
 以前、私の会社の運営する仮想通貨交換業でも、ハッキングによって35億円が流出してしまったことがありました。その事件を指して「だから(仮想通貨事業は)だめだ」と仰る人もいたのですが、私はそれでやめてしまうのではなく、問題がなぜ起こってどのように解決して、どのように対応するのか、をきちんと考えることが重要だと思っています。
 原発も同様で、ニュースで東京電力の原発管理に関するミスなどが報道されると、無闇に不安に苛まれてしまう。そうではなく、現場ではきちんと取り組んでいるのだということを発信することに価値があると思います。そのうえで、再生エネルギーだけでは達成しがたい安定した電力供給といったメリットを、きちんとファクトに基づいて考えるべきだと思います。

スタディーツアーでは実際に福島第一原発を訪れました

ーーこれからの福島での活動に期待することはありますか。


 福島がこれから世界に対して発信していけることは非常に多くあると感じました。世界から注目されるこのような状況だからこそ、福島発での省エネや発電、蓄電といったエネルギー分野でのチャレンジがもっとできるのではないでしょうか。
 また、農業・水産としても福島は大きな可能性があると思います。科学的エビデンスに基づいて、安全性の担保された美味しい食べ物は既にたくさんあります。ここを如何にして「安心」につなげるかはまさに若い人たちの発信力だと思っています。インターネットなどで容易に世界に繋がれる今だからこそ、福島の魅力を世界に発信していくべきだと思います。
 加えて、マスコミやメディアの関係者は、現状を知るために一度福島県を訪れるべきだと思います。

ーー最後に、フクシマ部へのメッセージをいただけますでしょうか。


 今回のツアーでは様々なバックグラウンドの参加者がおり、英語での議論も活発に行われていたのが印象的でした。福島をただ悲劇の地にしてしまうのではなく、その経験から学ぶ。これから生まれ変わっていく地であるということを、グローバルにアピールしていく活動に大きな意義があると思います。

本インタビューはZoom上にて行いました

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