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Cybernetics Warsという4年間の祭 ~サイバネ史概論と読んでみる方法~

sideM学会の興奮覚めやらず、ツイッターをうろうろしていたところ、サイバネって結局なに?という電波を受信しました。

言われてみれば、最初のイベント「Cybernetics Wars~機械仕掛けの反逆者~」が開催されたのは2016年のこと。もはや4年前の話です。

そりゃご存じない方もいらして当然。というか、私のツイッターをフォローされている方には、sideMご存知ない方もいらっしゃるわけで、何を受動喫煙させられているのだろうと訝しんでいる方もいらっしゃることでしょう。面目ない。

そんなわけで、サイバネのはじまりから展開まで、ざっくり概観してみようと思います。
ついでに、読み方や、どこ読めばいいのかのリストも用意しましたので、ご興味ある方はお付き合いください。


Cybernetics Warsとは

モバゲーで絶賛配信中のゲーム「アイドルマスターsideM」の劇中劇
初出は2016年1月15日~25日の間に開催された期間限定ゲーム内イベントCybernetics Wars ~機械仕掛けの反逆者~」。

このイベントでは、sideMの舞台となるアイドルプロダクション・315プロに所属するユニット、Beit(バイト)、THE虎牙道(ザ・こがどう)がテレビドラマの撮影に挑む様子が描かれました。

同イベントはsideM史上初(たぶん?)、アイドルが出演したドラマシーンが断片的に描写されており、劇中劇の内容を伺い知ることができます

ドラマの設定は、近未来で起こるアンドロイド(ヒト型ロボット)vs人間の戦いを描くSFもの。
どちらかと言えば、古典SFっぽい雰囲気ですね。

このイベントは大変な人気を博し、2016年に開催された「パッション爆裂! 315CD大作戦!!」のユーザー人気投票により、続編制作が決定
2017年2018年にそれぞれ続編イベントを執り行った後、さらに2019年に「完結編」と銘打ってゲーム内コミックが連載されました。
この完結編が終了したのが2020年11月のことでありました。

(人気投票でサイバネが余りに突出して人気だったため、結果的に続編が2本も作られたって噂を聞いたことあるんですが、マジですか?)


Cybernetics Warsの展開 ~2つの続編~

上の通り、続編は2本作られます。

1本目は、2017年6月6日~6月15日に開催された期間限定ゲーム内イベント「Cybernetics Wars ZERO~願いを宿す機械の子~」。

今度は「機械仕掛けの~」とは異なる315プロのメンバーが、それぞれメインの役柄を演じています。

小出しに描写されるドラマシーンから、前作「機械仕掛けの~」の過去編、アンドロイドが初めて心を持った出来事とそれにまつわる事件を描く物語であることが分かります。

本イベントはリアルでCDも発売されており、出演したアイドルたちによる主題歌を聞くことができます。

余談ですが、このイベント開催中に主演のアイドル・天ケ瀬冬馬の声優さんである寺島さんのご結婚が発表され、みんなでご祝儀ガシャを回したのはいい思い出です。(冬馬は来なかったけど)

そして2本目は、2018年11月20日~30日に開催された期間限定ゲーム内イベント「Cybernetics Wars 2 ~希望を繋ぐ解放者~」。

こちらも「機械仕掛けの~」「ZERO」とは違う、315プロ選抜メンバーがメインの役柄を演じています。

本イベントでは「機械仕掛けの~」の2年後、未だに憎しみに支配されているアンドロイドと人間の物語が描かれます。

本作は、あの、ぜひご自身で読んで悶絶してほしいんでネタバレできないんですけど、ストーリーの展開が二転三転してマジではちゃめちゃ面白いです。
あと、サイバネシリーズは全てフルボイス化されているんですが、特に本作は各アイドルが本人とはかなり異なる性格のキャラクターを演じているため、アイドルの素のときと役を演じているときの声の落差が本当にすごいです。
すごすぎて、温度差で風邪をひきます。特に正義のヒーローを地でやっていた男、天道輝で苦しんで。よろしく頼む。

ちなみに私はこのサイバネ2で完全に落ちました。担当全員いるし。担当が私の大好きなアンドロイドものに出演するし。お話が馬鹿みたいに面白いし。はしゃいで金トロも頂きました。

以上、3作がゲーム内期間限定イベントとして開催されました。

また、上記続編2作は、2019年3月に開催された声優さんによるリアルイベント「THE IDOLM@STER SideM PRODUCER MEETING 315 SP@RKLING TIME WITH ALL!!!」(通称プロミ2019)でミニ朗読劇とZEROの主題歌「Genesis Contact」のお披露目があり、同時に完結編の連載が告知されました。


Cybernetics Wars 完結編

プロミ2019で告知された完結編は、月一で更新されるゲーム内コミックの形で2019年9月~2020年11月の間、連載されました。

本作はサイバネ2から地続きで、人間とアンドロイドが協力し、混乱と分断を収束させるまでの物語を描いており、シリーズ全作のキャラが総出演します(一部キャラは声のみの出演)。

もう、これでもかってくらいにお祭り騒ぎの本作は、しんどいところはとことんしんどく熱い展開はとことん熱く!!とめちゃめちゃストーリーがしっかり作られていて、めちゃめちゃ面白いです。
その上、過去のイベントで提示された伏線もきっちり回収されていくのがまたアツい。

ついでにSFとしてもガッツリ味に仕上がっており、普通にSFとしてみても面白いです。特に定番設定をきちんと考察した上で落とし込んでくるのがほんとにお上手。そのストーリーテリングの技術の高さはさすがsideMです。

また、演じるアイドル本人の努力や苦労の過程の物語で半分を占めていたイベントストーリーとは異なり、本作は混じりっけなしの劇中劇の本編のみが描かれたことも、ガッツリに拍車をかけました。
(それまでのイベントシナリオでは、アイドル本人の努力や成功を描くというそもそものアイマスの特性上、劇中劇シーンはどちらかというと、いいシーンの選り抜きになっていました。)
こういう取り組みもsideM史上初でしたね。

その出来の良さに、毎月、更新される度、しんどさに呻いたPの新鮮な死体がTLに転がっていたのはいい思い出。

加えて、連載終了時に公開された設定資料もめちゃめちゃガッツリで、もうはしゃぐしかないんだこれが。なんだこのスクロール量。これ書いたライターさんめちゃめちゃ楽しくなっちゃってるでしょ!!わかる!!!!!!!!!
誰がここまで振り切れと言った。マジで本当にありがとうございました。


そんなサイバネを読んでみるには

とまあ、sideMの6年ほどの歴史の中で、4年かけて開催されたお祭りの名前がサイバネなのでございます。

改めてまとめると長い気がしますが、ゲーム内イベントと完結編をざっくり追う程度なら、条件が整ってさえいれば、ボイスを再生しても多分2時間もかからず摂取できるんじゃないですかね?完結編以外は短いですし。
映画1本見る程度の量ですよ。

それなら読んでみようかな?と思って下さった方の出鼻を挫くようで大変心苦しいのですが、1つにして最大の問題があります。

実は、過去のイベントストーリー、及び完結編の開放にはゲーム内アイテム「思い出メモ」が必要でして、その数がネックになります。

ざっくりどれくらいの数の思い出メモが必要かと言いますと、
・過去イベントのストーリー開放に必要なメモ  1枚×3回分
・完結編1話開放ごとに必要なメモ  1枚×64話分
です。
つまり、今ご紹介したシナリオを読むには、67枚メモを集める必要があります。

加えて、イベント開催時は必ず「雑誌 増刊号」という名前で、イベントのサイドストーリーを描くゲーム内コミックが公開されます。
こちらにも結構、劇中劇の描写があるので、できれば読んでほしい。しかし、こちらも読むとなると、思い出メモが最低でも+9枚必要です。

つまりですね、はじめにお伝えした2時間とは、思い出メモに76枚余裕がある前提になるのですね。

しかし、この思い出メモ、集めるのにひと手間かかるんですよね……(しかも、このアイテム、金で解決できないのが更にしんどい。)
本当に申し訳ない。私の力でどうにかなる話ではないのですが、心からそう思います。

一応、思い出メモの集め方をまとめている方がいらっしゃいましたので参考に貼っときます。

sideMは、アイテムやカードをユーザー間でやり取りできるシステムがあります。そのため、初心者プレイヤーが比較的先輩ユーザーの助けを借りやすいのですが、思い出メモはやり取り出来ないんですよ。一番必要なのに。


ですので、気になる方はとりあえず、特に話の展開が早くて面白いサイバネ2のイベントストーリーから読み始めて頂ければと思います。
これならとりあえず思い出メモ1枚からいけます。新人ミッションで多分入手できる範囲のはず。

それで、面白ければこれを機にsideMをコツコツやって頂いて(オート機能はあるのである程度は放置できますし)、思い出メモを地道に稼ぎつつ、残りのイベントや完結編を開いて頂く、と。そうなるのではないかと思います。

知り合いの方に限り、支援させて頂きます。主に思い出メモ回収に重要なRカードと金と山村の在庫を送りつけます。
もし初めてみてもわけわからん!と詰まったら、とりあえずsideMはwikiが優秀なのでこちらを見て頂きたく。→https://wikiwiki.jp/sidem/FAQ
あと先輩Pが周りにいる方は助けて!!って叫ぶと呼ばれてない人まで寄ってきて教えてくれます。そういうとこある。

いやポチポチゲーはちょっと……、という方は書籍化のご要望が通るのを気長にお待ちいただくということに……

いやもう、いいから早く書籍化してくれ!!本当に!!そういうとこ!!!!!頼むよ!!!!!!!!!いっぱい買って配って回るから!!!!!!


Cybernetics Wars シナリオ一覧

思い出メモのハードルをクリア出来る方向けに、シナリオとサイドストーリーを追うだけなら、ここをピンポイントで開くと読めます、というリストを乗っけておきます。
(アイドル本人の役作りのシーンをすっ飛ばすことになります。気になる子ができたら、是非頭から読んであげてください。)

※ 各イベントページは、イベントアルバムのページで「特別版(ボイス付き)」で検索をかけてから遡ると早く辿り着きます。
※ サイドストーリーが載っている雑誌は、各イベントページ下部の「増刊号を見る」から飛べます。
※ 各イベントシナリオはお芝居のシーンと、楽屋裏の素のアイドルのシーンで構成されています。役名はカタカナ、ピエール以外のアイドル名は日本名なので区別はつくと思います。


Cybernetics Wars ~機械仕掛けの反逆者~(消費メモ数 2枚(最大4))

○イベントシナリオ(消費思い出メモ ×1枚)
 エピソード 18~22、24
○サイドストーリー(消費思い出メモ ×各1枚)
 渡辺みのり「 アンドロイドは謎の少女の夢を見るか」
 (大河タケル「もっと高く!」(アクションシーンのみ))
 (牙崎漣「オレ様はアクションスター!」(アクションシーンのみ))

Cybernetics Wars ZERO~願いを宿す機械の子~(消費メモ数 4枚)

○イベントシナリオ(消費思い出メモ ×1枚)
 エピソード 14~24
○サイドストーリー(消費思い出メモ ×各1枚)
 天ケ瀬冬馬「 羅刹の眼光」
 都築圭「未来の歌」
 冬美旬「今となっては難しい?」

Cybernetics Wars 2 ~希望を繋ぐ解放者~(消費メモ数 6枚)

○イベントシナリオ(消費思い出メモ ×1枚)
 エピソード 14~25
○サイドストーリー(消費思い出メモ ×各1枚)
 天道輝「幸せの記憶」
 握野英雄「それぞれの正義」
 神谷幸広「心をこめてお淹れします」
 舞田類「受け継がれる意志」
 葛之葉雨彦「ちょいと野暮用さ」


Cybernetics Wars 完結編 (消費メモ数 64枚)

全編 64話(消費思い出メモ ×各1枚)

※ イベントとは異なり、完結編はキャンペーンと呼ばれる形式になるため、イベントとは違う場所から見れます。
以下の手順で辿り着けます。マントルより深いところに格納されてて申し訳ない。

トップページ>「メニュー」>「マイデータ」>「P手帳」>「キャンペーンアルバム」>「Cybernetics Wars 完結記念キャンペーン」>「雑誌」>「Cybernetics Wars 完結編」

(2020年3月9日追記) いつの間にか雑誌から飛べるようになっていました。雑誌のソート機能から「Cybernetics Wars」選ぶと4つめの雑誌として表示されます。
※ エピソードの切替えは、「Ep.○」って青いボタンと同じ列にある左右矢印を押して入替えて、「Ep.★」って出た青いボタンを押すと切替わります
本当に分かりにくくて申し訳ない。

他にサイバネを摂取するなら、

・各キャラのカードの各種セリフ(wikiに載ってます。ここでしか分からない設定があります。)
・完結編終了記念で登場した複数キャラセットのカードのリーダー任命セリフ(wikiにまとめられてます。完結編のその後、各キャラがどうなったのかが分かります。)
・設定資料(wikiで見れます。シナリオに出てこない設定、山の如し。)
CD(主題歌)
リアルイベントのミニ朗読劇&主題歌のライブ

がおすすめです。


さいごに

ここまで読んで、なんか大変そうだな~、やっぱやめとこ~~~と思われる方もいるかもしれません。
でもな、ほんと熱くて面白いシナリオなんで!!!!!お話が上手なんで、アイドルわかんなくても、細かいことわかんなくても楽しめます!!!!!!読んで損はないと思います!!!!!!それがアイテム1つから読み始められるだって!?!?!?sideMくんはすげえんだな!!!!!!!!!!

真面目な話、sideMの魅力として、我々と出会う前もこの世界の片隅で生きてきた、肉体のある人間としての緻密なキャラクター設計と、アイドルとして日常を過ごしつつ数年経って振り返れば実は結構成長してたな、と実感するリアルで丁寧な物語の描写を挙げる方は多いと思います。

他ではちょっと体験できない、異様なまでにリアルな時間の流れの中で高解像度の物語を6年提供し続けるsideMシナリオ陣の、とても高いストーリーテリングの技術を余すことなく発揮し、凝縮しきったのがsideMの劇中劇なのです。(サイバネ以外の劇中劇も中々にやばいものが多いです。)

sideMも6年の月日を重ね、アイドルの物語を丹念に追うには、中々の物量になってきました。新人Pや、途中復帰P、他事務所Pなどは、sideMの魅力を感じるのに少々努力が必要になってきているかもしれません。

それであれば、逆に、数個のイベントを見れば把握できる劇中劇は、sideMの魅力を知る一つのきっかけとして、悪くないのではないかと思うのです。

どうか、この記事を読んだ貴方が、サイバネを、そしてsideMを楽しんでくださいますように。

サイバネはいいぞ。



2020年3月9日 完結編の雑誌追加について追記 

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