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第2回sideM学会inオンライン レスポンス&こぼれ話

第2回オンラインsideM学会、お疲れ様でした!!

いや~~、今回も楽しくて、新しい知見が得られる発表ばかりで本当に沢山の刺激を得ることができました。
貴重な機会を提供して下さり、当日まで沢山の時間をかけて準備してくださった主催のみなさま、担当への、sideMへの愛をこれでもかと携えて登壇された発表者のみなさま、休憩時間も配信画面を見逃すことができない素敵なポスター展示に参加されたみなさま、そしてコメントで盛り上がったり、更なる知見を提供された視聴者の皆様に感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

アーカイブがありますので、まだご覧になってない方は是非見てください。

当日のTwitterハッシュタグ → #M学会2

さて、今回の発表においても、沢山のコメントと視聴ありがとうございました。あとから私もすべて拝見させて頂きまして、ニコニコにやにやさせていただきました。その中でも、いくつかのコメントレスポンスと、あと今回の発表に関するこぼれ話をいくつかまとめさせていただきます。

■コメントレスポンス

前回の発表をご覧頂けていた方がかなりいらっしゃったようで、暖かいコメントを沢山頂けて本当に嬉しかったです。

その中でもいくつか笑ってしまったコメントや、紹介したいコメントがありましたので、この場を借りてお返事させて頂きます。(全部とりあげられなくてすみません)

アンドロイドか?の流れにめちゃめちゃ笑いました。
こ、心が人間なら人間なんですよ…!!

これね~~、いいとこつきますね。
実は完結編バリィさんはケイン以上のブラックボックスで深追いできないのため、そっと脇に置いておいたんですが、サイバネ世界の技術力で、人間からマシンへ人格の転写が可能かどうかで話がかわると思います。
(攻殻機動隊で言うところのゴーストダビング問題です)

すごく鋭い指摘でハッとさせられました。
そうなんです、エルの身体に生身があることをほぼ確実に知っていたであろうと思われるキャラは、アンドロイド勢だとロイのみです(サイバネ無印でエルが倒れてロイが怒り狂うのは、エルは復元できない=アンドロイドではないと分かっていたからなのでは、とも見ることができます)。
他のアンドロイド勢はエルに生身があることに言及がなく、無条件にアンドロイドの王として迎え入れているように見えます。
アンドロイド側に明確な線引きがあったかどうかは、確かに怪しいのです。

これ自分でも割とびっくりして笑ったんですが、正直マスソン希望提出したとき徹夜明けの意識危うい状態だったので、まじで何故この選曲だったのか記憶がないんですよね…………何故この曲を選んだ私……???
ケインに、次こそ笑顔を約束したい……てこと……???ヒッ……(時間差被弾)

この他にも沢山のツイッターでのコメント、YouTubeでのコメントありがとうございました!
みなさんの悲鳴、ごちそう様でした!


■「ケインのグッドエンド」というテーマの話

時は前回のOnline sideM学会の話に遡ります。
こちらで、私は劇中劇であるサイバネを深堀するというニッチな発表をさせて頂きました。

正直、sideMの中でも、全員が触れてるわけではない、しかも小難しいイメージが付きまとうSFを、ある程度パブリックな場で取り上げることに躊躇いがないわけではなかったのですが、


笹島  あの、今から準備するならサイバネの話ぐらいしかできないんですけど……しかもSF語りになってきちゃうのでアイマス関係なくなってきますけど……
あくにん  それが聞きてえのよ。普段ツイートしてるヤバい内容そのままで来いや(要約)


という力強いプッシュを受けまして。

発表前からヤバい内容だと決めつけられていたのは、今から思うと笑いしかないんですが、おかげさまで全力で殴りに行くことができました。
また、このとき、主催のあくにんさん、兎爺さんだけでなく、とても沢山の方に楽しんでいただけたのが本当に励みになりました。改めてお礼申し上げます。

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アイマスの学会だというのに、法律におけるの責任能力の意味について説明し始めたスライド。これは、ヤバいと言われても仕方ないんだなぁ……


そこでサイバネやってもいいんだな、と味をしめた私は、今回も堂々とサイバネ喋るつもりで応募しまして。
前回の発表ではアンドロイドの社会性やメンタル面の話が多かったので、今回はフィジカル面、特に人間とアンドロイドの線引きについてを考えると同時に、その話題と切っても切れないケインを中心に据えることにしました。

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ケインは作中屈指のややこしくて悲しいキャラです。
どうしてもしんどい話が多くなってしまうため、題材査定の際、主催のみなさまに「しんどいネタ、非人道的なネタに触れる可能性があります」と事前に申告しておりました。

しかしながら、「これが人間のやることかよォッ!」と悲劇を嘆くためだけに発表するのは私の趣味ではありません。
悲劇があるなら救済を。救われなかった物語があるなら、救いとは何だったのかをいつまでも考えられるのが物語の受け手である我々読者の権利であり、唯一与えられた武器であると、「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」を通ってきて、未だ反芻し続けているオタクは考えます。

ということで、ケインの話をするなら、その救いとは何だったのかを考えることがセットだと思い、今回のテーマに掲げることにしたのです。


■先行研究の話

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今回、オチに繋がる展開として、自分の前回の発表で生かしきれなかった「アンドロイドの本質=人間性」という視点から、それを引用して発展させて下さったあくにんさんの「人間性=ブランドのテーマ性」という見識を元に、「ブランドのテーマ=理由(ワケ)=アンドロイド/人間の本質」という図式を構築しました。

裏話をすると、この図式、スライド提出日前日くらいに思いついてまして、真夜中にあくにんさんに引用許可を取った覚えがあります。
実は、アンチsideM、オルタナティブsideMというオチは早々に言葉として出ていたのですが、そこまに繋がるケインの心情がうまくまとめられず、ずっと頭抱えてたんですね。ここであくにんさんのアイマス学会FESの発表を思い出したのは本当にラッキーでした。(担当はインテリなのに計画性ZERO)

(アイマス学会FESのアーカイブはこちら↓)

まあこの図式が出来てからは本当に何もかもがきれいに紐づいていきまして、当初の想定より壮大なオチに見事に繋がりました。
文字通りの"キー"ワードを見つけた瞬間の気持ち良さよ。

主催の和海さんに「研究が繋がっていくのが学会っぽくていい」とお褒めの言葉を頂戴しましたが、分野的に学会発表に無縁で、とても不真面目な学生時代を送った私としては、また一つ貴重な経験をさせて頂いたなと思います。


■載せられなかった動画の話

初期の構想段階で、アンドロイドのフィジカル(ハード)面の話をするなら、実際のロボット開発を紹介しようと思っていました。

というのも、ソルがアンドロイドに対する誤解を話してくれたこのシーン。

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アンドロイド開発って100%、人の手打ちのプログラミングでどうにかするレベルの話じゃねぇのでは!?
と私が読みながらツッコんだシーンでもありまして。

アンドロイドの前身であろう、人工知能。その研究の主流のひとつが強化学習です(多分)。
強化学習とは、簡単に言うと「ある程度のところまでは人間がお膳立てするけれど、あとは自分でいっぱいチャレンジして出来るようになってね!」と人工知能自身にお勉強させる手法です。

とりあえず、実例見た方が早いと思うので、こちらの動画をご覧ください。

関連記事:「二足歩行ロボをゼロから訓練、強化学習で=UCバークレー」

これ、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームがロボットに歩行を覚えさせる一連の動画なんですが、冒頭左型の廊下を歩いている絵でキャスターに足引っ掛けてこけかけたり、そのあとの初期の歩行では足踏みが微妙に覚束なくてリズム崩したりしてます。かわいいですね。
それがだんだんと、リノリウムの床でなくても普通に歩けるようになっていき、障害物にもへこたれなくなっていきます。

これと同じような発達過程をサイバネのアンドロイドの頭脳である人工知能も経ており、アンドロイド自身が自分で学習した結果、今の彼らがあるのではないかと思うのです。
実際、サイバネZEROの主題歌CDに収録されたドラマパートで、ADAMに言葉や概念を教え込んでいくシーンがあり、この推測はある程度説得力があるのではないでしょうか。

自分で学習し、学習したものから自身の意思を構築していくなら、それは人間とどこが違うのか……

なんて話を盛り込もうと思っていたのですが、そんな時間はなくなったので、没になりました。
動画の運用について相談に乗って下さった主催のNestleさん、本当にありがとうございました。


最後に

今回も沢山の方に支えられ、沢山の方に応援を頂いて、学会を楽しむことができました。

SideMの劇中劇がすごいのは、そもそも私ごときが語るまでもないことですが、きっと私が気付いていないだけでもっと沢山の鉱脈が埋まっているのだと思います。
これを機にサイバネやSideMの劇中劇に触れてみようと思って下さった方、読み直そうと思って下さった方々が、さらなる鉱脈を発掘してくださることを楽しみにしております。私も読めてない劇中劇読まなければ。

ところで、劇中劇学会マダァ-?(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン


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