Gen Sugai

いちおうライターということになっている。主に、Webマガジン WAGTAIL(CMSに…

Gen Sugai

いちおうライターということになっている。主に、Webマガジン WAGTAIL(CMSにあらず)の中の人。https://wagtailmag.net/ 過去のノートはこちらから https://note.com/gsugai

マガジン

  • AIインプレ文学

    生成系AIのBing AIとBing Image Creatorを使って、自転車が絡むお話と、その挿絵を作ってみるシリーズです。主人公がときどき自転車の説明をして始めます。ただし完全に生成したままというわけではなく、テキストの微修正はしています。

  • プロ野球選手の話をしよう。

    少し前のプロ野球選手について。

最近の記事

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彼にMadone SLRが必要な理由

スペインバルのカウンターでワインを傾けながら、男は自分のスマホを女に差し出した。画面には、TREKのエアロロードバイク「Madone SLR」の写真が映っていた。 「これが、僕が買ったバイクなんだ。TREKのMadone SLRっていうんだけど」 女は、画面を見ながらうなずいた。自転車にはあまり興味がなかったが、男が話すときの目の輝きは好きだった。 「どうしてそのバイクを買ったの?」 「どうしてって、それはもう、最高・最軽量のエアロロードバイクだからさ。このフレームは

    • 空想自転車店「WAGTAIL(ワグテイル)」の評価

      立地とアクセス: 駅から徒歩圏内に位置する「WAGTAIL」は、これから自転車を購入したい方にとって非常に便利です。通勤や通学、ちょっとしたお出かけにも気軽に立ち寄れる立地は、多くのお客様から好評を得ています。 商品の多様性: シティサイクルから電動アシスト自転車、スポーツサイクルまで、幅広い種類の自転車を取り扱っており、どんなニーズにも応えられる品揃えが魅力です。ただし、店舗はコンパクトなため、展示されているモデルは限られています。 店頭にない商品でも、カタログを通じて

      • 佐野仙好

        プロ野球選手の顔と名前をちゃんと覚えるようになった頃「かっこいい」と思った選手は、以前に挙げた遠藤など何人かいるが、野手では阪神の佐野が欠かせない。 まず、背番号9と「SANO」と書かれたその背中が、かっこよかった。バッターボックスに立っていたり、守備についているときの後ろ姿がかっこいいのだ。 そして、1984年からしばらく使われていたのビジター用ユニフォーム、つまり「グレーのタテジマ」がすごくよく似合っていた。 さらに、もうひとつ。 私の記憶の中では、佐野は髭を蓄え

        • 小坂誠

          華麗な守備で千葉ロッテマリーンズを支えた、小坂誠。巨人に移籍後はセカンドを守ることが増え、楽天に移籍してからも大半が二塁手としての出場だった。そして楽天移籍初年度である2009年こそが、小坂が現役生活の中で最後に輝いたシーズンだ。 キャリア最後のホームラン、サヨナラヒットでのガッツポーズ、そして、難しいことを平然とやってのける美しい守備。セカンドを守っても、小坂はやっぱり小坂——そんなシーズンだった。 10月3日、CS進出を決めた西武戦では楽天の打線が帆足をめった打ちにす

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        記事

          カイル・ケラー

          本マガジンでは初めての外国人選手だ。しかし、阪神タイガースに所属したことがある外国人投手としては、オルセンに次いでふたりめだ。 2022年の来日当初に見られたように、キレがない状態だと得意であるはずのカーブに落差が出ず、どうにもならなくなってしまう。 それでも、2022年の開幕当初にクローザー失格の烙印を押された後、二軍での再調整を経てキレを取り戻し、フォークを習得したことで投球の幅も広がって見違える活躍であったのは記憶に新しい。 2022年、開幕当初からクローザーに抜

          カイル・ケラー

          草野大輔

          2009年、東北楽天ゴールデンイーグルスがシーズン2位でCSに進んだ際の立役者のひとり。 1976年生12月まれで、ドラフト指名されたのが2005年。社会人野球歴が長いオールドルーキーだった。しかもドラフト8巡目という下位指名だから、プロ入りはかなり勇気ある決断だったに違いない。 絶対的なレギュラーにはなれなかったけど、チーム事情に合わせてセカンド、サード、レフトを守り、なんならショートもファーストも守り、一方の打撃では勝負強さを発揮した。 そして何より、草野が内野を守

          草野大輔

          木下富雄

          広島カープで背番号25と言えば、やはり新井貴浩。しかし、この人も印象深い。ユーティリティプレーヤーとして活躍し、引退後は二軍監督など指導者としてもチームに関わった木下である。 実は子供の頃、水谷や水沼、ライトルやガードナー、アイルランドといった選手の記憶がない。でも木下がセカンドを守っていたのは、しっかり覚えている。バリバリのレギュラーというわけではないけれど、なんだかんだでセカンドをメインに、たまにサードやショートを守っている。スタメンではなくても、試合終盤に守備から出場

          加藤博一

          横浜大洋ホエールズ・近藤貞雄監督による「スーパーカートリオ」の一角を占めた、加藤博一。 高木豊、屋鋪要、そして加藤博一。この3人の中で最年長で、スーパーカートリオと命名された時点で33歳。でも、西鉄では試合に出してもらえず、阪神でもレギュラーとして活躍できたのは1年だけだった加藤にとって、1985年がもっとも輝いたシーズンであったことは間違いない。 現役なのにオフシーズンはスポーツバラエティ番組でレポーターみたいなことをやったりして、プロ野球界の峰竜太みたいな存在だった(

          リチャード・オルセン

          1985年の阪神タイガース優勝前夜とも言える1984年、先発ローテーションにはオルセンがいた。 こんな書き方をして申し訳ないが、テレビの野球中継を見ていて、阪神の先発が伊藤(文隆)とオルセンだと「ああ、負けだな」と思ったものだ。 1984年の彼らの成績を見ると、オルセンが2勝9敗で防御率4.65、伊藤が4勝11敗2セーブ、防御率4.84だった。 オルセンは独特なフォームだった記憶がある。体が大きく倒れ込むのだ。そのフォームを矯正したら、不振に陥ったらしい。オルセンには申

          リチャード・オルセン

          遠藤一彦

          子供の頃のテレビ観戦とはいえ、先発投手として第一線で活躍する遠藤一彦は、ひたすら格好良かった。 当時の大洋には、スタイルの良い選手が多かった。投手で言えば斉藤明雄、大門、そしてなんといっても遠藤である。遠藤はフォームも格好良かった。 1987年のシーズン終盤、ランナーとして二塁から三塁に向かう途中で遠藤が足を故障したときの映像は、今でも覚えている。 翌年からの、成績の振るわない遠藤を見るのは辛かった。1989年に巨人がリーグ優勝を決めた試合で、大学の後輩である原に本塁打

          遠藤一彦

          上田浩明

          西武ライオンズひと筋18年、その大半を守備職人として過ごしたのが上田浩明だ。 北陽高校出身で、1987年ドラフト2位で西武に入団した上田。1軍でよく使われるようになったのは1994年からで、その年は54試合に出場して打席には28回しか立っていないから、この時点で既に「守備の人」だったことがわかる。 ちなみに1994年は、森監督のラストイヤー。内野の布陣は清原・辻、石毛、田辺、さらには鈴木健、パグリアルーロに奈良原とメンバーが揃っていた。フル出場が難しいベテランの存在やパグ

          石本貴昭

          近鉄バファローズで、吉井理人の前に抑えを務めていたのが石本だった。ただでさえ中継の少ない80年代のパ・リーグ、近鉄の投手をテレビで見る機会はプロ野球ニュースくらいだった。 しかも自分がプロ野球ニュースを見るようになったのは中学生以降で、そのときすでに石本は酷使がたたり、登板数が減っていた。でも、私の中では「かっこいい左投手」のひとりだった。 1985年はリリーフで70試合に登板し、投球回が131.1を数えている。規定投球回をクリアして19勝3敗7セーブ、防御率3.56。

          阿井英二郎

          土橋監督時代の弱いヤクルトスワローズにおいて、リリーフの一角を担っていたのが阿井英二郎だった。 当時「急に出てきた投手」という印象をもっていたが、3年目の1985年に1軍デビューして、そのシーズンの44試合登板というのが、結果としてキャリアハイとなった。1985年が登板44試合(先発4)で投球回が105.0、1986年が登板43試合(先発2)で投球回が104.1で、イニングまたぎが当たり前だった。 しばらく見ないなと思ったらロッテに金銭トレードされるのだが、コミック誌「ま

          阿井英二郎

          スマートトレーナーなら孤独じゃない

          彼は、スマートトレーナーでロードバイクのトレーニングを積んでいた。「ズイフト」で仮想の山道を走り、自分のタイムをどんどん更新していた。彼は、自分の脚力に自信があった。彼は、ヒルクライムレースに参戦することにした。 レース当日、会場に着いた彼は、他の参加者たちの姿を見た。彼は、彼らの筋肉や装備に圧倒された。彼は、彼らの話し声や笑い声に緊張した。今まで、こんなふうに大勢のロードバイクやサイクリストを間近に見たことがなかった。 彼は、レースがスタートすると、全力でペダルを漕いだ

          スマートトレーナーなら孤独じゃない

          マイヨ・アルカンシェルを着る

          彼はロードバイクに乗るのが好きだったが、レースに出るのは恥ずかしかった。彼は自分の実力が低いことを知っていたからだ。でも、彼はツール・ド・フランスに憧れていた。彼は山岳ステージを走る選手たちの姿に感動していた。彼は自分もいつかそうなりたいと思っていた。 彼はヒルクライムレースというものを知った。彼が見つけたのは、富士山の麓から5合目まで登る自転車のレースだった。彼はヒルクライムレースに出ることで、ツール・ド・フランスの気分を味わえると思った。彼はヒルクライムレースに出るため

          マイヨ・アルカンシェルを着る

          タチアオイとクロモリロード

          暗い夜の帳が綾瀬駅周辺を包み込んでいた。2人は近くのバーで数時間を過ごした後、街の喧騒から少し離れた場所を歩いていた。 バーでは、彼らは少し飲み過ぎていた。男はウイスキーのグラスを手にしながら、それまでの日常生活に戻れない葛藤を抱えていた。彼が心の中で想いを寄せる相手がいることを思い出すたびに、罪悪感と寂しさが彼の心を蝕んでいた。 一方、女はカクテルのグラスを優雅に手にしていたが、その指先に微かな震えがあった。彼女は友人の男に寄り添うことで、心の隙間を埋めようとしていたの

          タチアオイとクロモリロード