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街で知らん人に話しかけられまくる人の話12人目

近年ではね、やれインバウンドだなんだと、
どんだけバウンドさせるんじゃと、思うほどにね。
海外の人をね、こう。沢山呼び込んでるわけですよねジャパンは。

その成果、旨いカレー屋とかもね、めちゃくちゃ増えましたし、
話しかけて来る人もね、めっちゃくちゃ増えたってわけです。
ほんとカレー屋って最高。
明太チーズナン、24時間中15時間は口に入れていたい味ですよ。
カレーの話だけしてえ。

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たまにはね、こう。地方都市在住の自分もね繰り出すわけです。
都会のオシャレタウンにね。
並木に銀杏植わってるからこの時期苦痛極まりないようなオシャレタウンすよ。

そんなオシャレタウンのね、バックススター。そうスターバックス。
あっわかりますか?わかっちまうか~~。
シャレのオツのシンボルの、スターバックスなんかでね
あえて普通のコーヒー買っちまうような浮かれた休日です。

スターバックスでね、コーヒー買って、否。「テイクアウト」してね、
ゴキゲンで駅に向かうか~つって歩き出したらね、
平均身長180cmくらいの家族がね、近づいてくるわけです。

おいおい、目合わせたらこりゃ「殺られちまうぞ」と。
本能で察するほどの圧。

ホホオホ~~オワ~~!!!!
あっ足元に地面がある~~~!!!!
地面大好き~~いつも支えてくれて、サンキュ~デス★


なんてね、
いつだってベストフレンド、この星の大地<ガイア>に囁いていたらですよ。

次の瞬間目の前ドデカShadowですよ。
アレ?地面急に暗くなったね、悩み、屋上で聞こっか?
顔上げたら中東系のね、エスニックな紳士ですよ。


スパイスパラダイス~~~~~


なんつってね、突然香る香辛料的な匂いに
思わず頭の中では本田未央が
「スパイス利かせて頑張りまっしょい~~」つってね、言う始末です。

「English?」

「iya~~ ingrissyu ha naidesune.」

ここはこう、言うわけです。
スタバで喜んでコーヒー買うジャパニーズ、ノーイングリッシュですと。
a littleとかbitとか言わんぞと。

そうするとね、ジェスチャーで聞いてくるわけですよ。

「(あの列なに?)」

つって。

振り返るとそのスタバの近所の階段で、
上階から行列がこう出来てるわけですね。


いや知らんわ。


と、答えられたら良いんですけどね、
JIS規格外の大きい瞳でね、
こちとらそのまま穴が開くんじゃないか?というくらい
見てくるわけですよ紳士が。


▼ にげられない !


思わずそんなメッセージウインドウがポップアップですよ。
ポップアップのコメントにアップアップなわけですが、
行列の人達の格好を目えかっぴらいてズームアップするわけですね。


そうすると
「○○Tour 2019」

なんて書いてるTee(最近オシャレタウンではTシャツのことTeeって言うんですってね)

を着たヒューマンがポツポツ居るわけですね。


バシュゥィッ!!!!!
(名探偵コナンで閃いた時に鳴る
黒背景に斜めの白い線が入った画面の時の音)

へへ、そうかわかったぜ。
あの行列の正体がよォ!!!!!

ギィーーー!!バタァン!!!(CM明け)


「…ンド…」


「??」


「バンド!!!!!!!!」


「!?」


「ギター!!!!!ギター!!」


「ドラム!!!!ドラムドラム!!!」

「歌う奴!!!!!!オッケー!?!?!??!」


急にしゃべりだした目の前のジャパニーズ対、
未だ穴が開くように見つめてくるスパイス紳士。


(オイオ~イ、茫然としちまったか?cv高山みなみ)


なんてね、思うのにもワケがあるつって。


サムズアップした右手を
ゆっくり下ろしながら今日のライブを振り返る
わけですよ。


なんと今回のエアドラムは普通のエアドラムじゃねえと。
まさかのドラム歴15年の自分が、
満を持してお届けするエアドラム。

このスピードに付いてこれるか?刻むリズム、見えてっか?と。
クゥ、こりゃBPM、上げすぎちまったかも、な…?つって
フィ~…こりゃやっちまったな、と。


ま~たサウンドが無くても人の心に響く音、奏でちまった、と。


自分の<サウンド>が国を超えた瞬間を噛みしめながらね、
アウトロ終わり、ギターの残響だけが残るようなね、
しばしの沈黙を味わってたらですよ。


「はぁ?」

え?

完全に日本と同じ発音の「はぁ?」を言い残し、
遠ざかってゆく背中。

今まで道を聞かれても、
答えた時「はぁ?」と言われた事は無かったので
流石にね、若干テンションが下がるも、一つだけわかることがある。

意味もジェスチャーも伝わらなくても、国を超えて伝わるもの。

「はぁ?」

ビートと一緒に、心に刻んでいきたい。つってね。
スタバの茶色い袋の中、激しい動きでまき散ったコーヒーとともに。

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