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税金を取り戻せ!~確定申告書作成会場はそりゃあもう大騒ぎさ@築地~

初めて確定申告をした。
昨年末に退職、これまでずっとカイシャの年末調整で済んできた。やってもらう年末調整ですら面倒だったし、ほとんど意味も分からず書類を出していたが、今年からは自分で申告するんだ、と思うと少し真面目に取り掛かった。

ところが拍子抜けするほど、簡単だった。
国税庁HPの作成コーナーに行けば、源泉徴収票や支払い済み保険料通知、住宅ローン残高の通知などを見ながら入力すれば、還付金の額まですぐに分かる。
なんだよ、ずいぶん簡単便利じゃないか。(ワタシは国税の回し者ではない)

国税庁 確定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

しかーし。
何気なく見ていたネット記事で、「インプラントも医療費控除対象」というのを知ってしまった。私はそれまで「保険外診療=控除対象ではない」と完全に思い込んでいた。
インプラントはしていないが、その手前の歯科治療を2年ほど前に行っていた。保険外診療だったため、15万円超の費用は歯痛よりも痛かった。

そこで、これを控除に入れ込み、2年前に支払い済みの税金を取り戻すべく、簡単便利な(はずの)作成コーナーにアクセスした。

ところが、だ。
当該年度の確定申告はあんなにスムーズだったのに、過去分を取り戻す手続きは入口こそ見つけられたものの、一向にうまくいかない。「更正の請求書」を作成する必要があるという。(更生ではありません)

自宅でパソコンと格闘するも、全く歯が立たない。おかしい・・・。
ある日の夕食後、寝る前までかかって堂々巡りしてしまい、これは時間の無駄だと諦めかけた。だがざっくりイメージで数万は戻ってくるはず。

こりゃもう、相談会場へ行って税務署員にやってもらおう、と思ったのだ。ここでやっと相談会場のハナシ。
近所の税務署では多忙を極めているのか、相談には応じられず、東京国税局(築地)へ行ってくれという。まあ遠くはないし、ちょうどそっち方面に出かける用事もあり、予約のうえ指定日時に到着。

ロビーの椅子に座ってひたすら待つこと30分。番号を呼ばれ、会場入口でまた並ぶ。すると、場内から
「おい、動くな、おまえ、動くな!」
とおじさんの大声が聞こえる。場内はまだ見られないのでどういう状況なのかは全く分からない。

やっと場内へ入ると思ったよりはるかに広く、長机が幾重にも並ぶ。まずは所定の書類を書き込むのだが、税務署員ひとりに対して10名くらいを相手にしているだろうか、将棋の「多面指し」状態だ。(結局、おじさんの大声は何を怒っていたのか不明)


ここまで混んでいないけどこんな雰囲気(2020年の報道画像)

申告は3月15日までなので、相談会場の熱気は正にたけなわ。いくつも貼り紙がしてあり、基本的に納税者自身がスマホ、パソコンでする手続きをサポートする、と訴えている。「計算して」「やって」という納税者も多いのだろう。

机にレシートの山(本当に山)を広げ、仕分けしながら途方に暮れる若い女性もいる。

私はと言えば、自分の用件を伝えると「今回の申請ではなくて、以前の医療費控除ですね、それだと更正ですね」と言って、次の担当者へパスしてもらった。パソコンスペースへ移動し、若い署員の指示に従い、各種数字を入力。その間、
「あれ?うーん、これかな、こうかな、あ、こうですね」と
署員の方もぶつぶつ言いながら、結果やってくれた。

自宅パソコンの作業を早々にあきらめたのは全く正解。多少時間はかかったけれど、確実に手続きは終わり、めでたく数万円が戻ることに。

全員が思っていることだけど、勝手に多めに徴収しておいて(給与引きの所得税)、なんでこんな手続きをしないと払った税金が戻らないのか。そして医療費控除で言えば、知っている、知らないで万円単位を失ったままというのがどうにも解せない。

今回の私の相談は還付、取り戻すためだったが、納税すなわち支払うための「面倒な」手続きだったら、大声のひとつも出したくなるのはちょっと理解できる。


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