ニボルマブ(オプジーボ)

・各種抗がん剤の特徴
分子標的薬(抗PD-1ヒト型モノクローナル抗体)

T細胞上のPD-1に結合し、T細胞の活性化を維持し、抗腫瘍効果を回復させる。

・投与方法
1回240mgを2週間間隔で点滴静注

・副作用

免疫関連有害事象(irAE)
間質性肺炎、重症筋無力症、大腸炎、Ⅰ型糖尿病、肝機能障害、甲状腺機能障害、神経障害、腎障害などがある。
頻度は多くないが、発現時は速やかに専門医へ相談する。

Ⅰ型糖尿病
発現した場合の進展は急速なことが多く致死的になりやすい。
口渇、多飲、多尿などの高血糖症状や、激しい倦怠感、悪心嘔吐などの糖尿病性ケトアシドーシス症状に注意。発生時はニボルマブを中止し、補液や電解質補充、インスリン投与を開始する。

甲状腺機能障害
高い確率で発生する免疫関連有害事象のひとつ。
甲状腺機能亢進症(動機、発汗、暑がり、軟便、体重減少、不眠、振戦、眼球突出)
甲状腺機能低下症(易疲労、脱力感、寒がり、便秘、体重増加、徐脈、眼瞼浮腫、こむら返り)がある。
機能が亢進した後に機能低下に転じることがある。

甲状腺亢進症の治療
β遮断薬

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンを補充する。

・間質性肺炎
息苦しい、乾いた咳が続く、発熱があった場合は主治医に連絡する。
胸部X線検査で肺を確認する必要がある。
「今までにあった症状」「風邪だから」と思わず診察する。


注意点
生ワクチン、弱毒化ワクチン、不活化ワクチンは併用注意
細胞活性化作用があるため、過度の免疫反応が懸念される。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?