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3切れに対する見解

今回は将棋ウォーズの「3分切れ負け」について思うことを。

通称“3切れ”とよばれ、ウォーズ対局のなかでも比較的人気の高いメニューではないだろうか。
実際私の周りの将棋仲間にもほとんど3切れだけを指している人が多い印象だ。
もちろん将棋の楽しみ方は個々の自由だし、友達対局(通称:友対)なんかは3切れでエキサイティングに指すのが楽しいので、好きになる気持ちは非常にわかる。

私もまったく指さないことはない。
他の対局に飽きてちょっと気分を変えたいときに指したり、棋力レーダーチャートの早指し力が下がってるから上げようかなぁというどうでもよい理由で指したりしている(笑)
ただ、どうしても反射神経の勝負になるし、最後盤上で決着がつかない状況ではひたすら時間の切らし合いの勝負になるので、純粋に将棋で勝負がしたい者にとってはそのあたりはどうしてもネックなのだ。
それを魅力的に感じる人もいるだろうけど、私はそれよりせっかくの棋譜が汚くなるのは嫌だし、局面をしっかり読むという将棋の基本が通用しないところはいかがなものかと感じてしまう。

また、将棋ウォーズユーザーでたまに3切れだけずば抜けて高段の人や「10分切れ負け」(10切れ)をまったく指さない人もいるのだが、正直なところ私はそういう人が本当に強いとは思っていない。
正確にいうと強さの正体がわからない。
ある程度時間の長い対局で読み合いの勝負をしないと、序盤の構想なのか、中盤の大局観なのか、終盤の正確さなのか、その人のどこが強いのかがわからないのだ。
まぁ所詮ネット対局というのは相手の顔もわからないし短時間で気軽にやる楽しみもあるから、相手に対する興味など持つものではないのだが、あまりクセになりたくはないなという思いはある。

しかし3切れにも良いところはもちろんある。
例えば、一つの得意戦法を何局も繰り返し指すことで、相手からのいろんな指し手のパターンに対応できる力を身につけられる。
特に振り飛車は基本的にその戦法を阻止されることがないため、毎局のように指すことができ必然的に経験値を高めていくことができる。
(私の周りにも振り飛車党で3切れが圧倒的に強くて敵わない人もいる)
あとは短時間で着手を求められる条件下に慣れてくれば直感の正確さも徐々に磨かれていく。
あるいは局面ごとの急所や筋、また最終盤の詰みも一瞬で見えやすくなってくる。
その点はあらゆる戦型にも通じるので、より筋の良い将棋になることは可能かなと思う。

3切れはどちらかというと一つの戦法に特化した人が好む印象で、実際周りもその傾向が強い。
その戦法に関しては人一倍経験豊富なわけだから短時間勝負の方が勝ちやすいのは当然である。
私は相手の出だしに合わせて自分の戦型を決めるタイプで基本的に毎局内容が変わるので、上記タイプの人に比べその点ではどうしても劣る。
やはり持ち時間の長い将棋の方が自分の力をフルに発揮しやすいと感じる。

これは人それぞれ見解が分かれることだが、私は将棋の強さはやはり読みの力だと思うので、3切れの成績や段位だけで自分や誰かを強い、弱いと判断することはないし、調子が良い、悪いと感じることもない。
なのである意味3切れはテキトーに、気軽にできるという良さはあるのかもしれない。
しかし、本格的に強くなりたいと思っているのなら、しっかり読みを入れて指せる対局や棋譜並べなど他の勉強法に切り替えるべきだと思う。


・・・とはいってみたもの、やっぱり私も3切れだけ中途半端に二段なのもアレなので今後振り飛車を指しまくってまた頑張ってみようかしら(笑)

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