24.01.14 コンサート曲目解説 ニュー・シネマ・パラダイスメドレー / Ennio Morricone 武藤理恵

2024年1月14日 アンサンブル「PentaTonika」第1回演奏会のために、noteで随時プログラムノートを公開していきます。


ニュー・シネマ・パラダイス, Ennio Morricone (1928-2020) / 武藤理恵

ニュー・シネマ・パラダイス (Nuovo Cinema Paradiso) は、1988年のイタリア映画である。特に、作曲家 エンニオ・モリコーネ (Ennio Morricone) が描き出す音楽が映画の内容と相まって大変有名になり、映画を見たことがなくとも、音楽は聞いたことがある、という方は多いのではないだろうか。

エンニオ・モリコーネはイタリアの作曲家。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院 (Conservatorio di Musica Santa Cecilia) でゴッフレド・ペトラッシ (Goffredo Petrassi) に作曲を学んだ後、数多くの映画音楽の作曲・編曲・楽曲指揮を行った。

編曲者の武藤理恵は、桐朋女子高等学校音楽科および桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業。1984年よりマンドリン独奏のリサイタルやコンクールで伴奏を務めると同時にマンドリン二重奏や合奏の編曲を始める。代表曲は「月に舞う」、「Paradiso」などで、今日のマンドリンオーケストラ界の中で、最も演奏機会の多い作曲家の一人である。

本曲はメドレー形式となっており、曲順は下記の通りである。
Ⅰ. Tema D'amore
Ⅱ. Nuovo Cinema Paradiso
Ⅲ. Totò e Alfredo
Ⅳ. Maturità
Ⅴ.Tema D'amore (Re.)
Ⅵ. Nuovo Cinema Paradiso (Re.)

*曲名は『ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK』記載の曲名を記載しています。

原曲は、B-Durであるが、武藤理恵氏により、A-Durに移調されている。移調については、おそらく演奏難易度の問題が大きいのかもしれない。開放弦が使いやすく、マンドリンが歌いやすい音域にまとまっている。曲順については、物語の順に置かれているわけではなく、メドレーとして聞いたときに全体としてまとまりが良くなるように、曲数を絞って上手くまとめ上げた印象がある。演奏難易度と演奏効果のバランスが非常に良く、アマチュア奏者が中心のマンドリン文化において、非常に取り組みやすい作品となっている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?