24.01.14 コンサート曲目解説 LES CHEMINS DE L'AMOUR / Francis Jean Marcel Poulenc

2024年1月14日 アンサンブル「PentaTonika」第1回演奏会のために、noteで随時プログラムノートを公開していきます。


LES CHEMINS DE L'AMOUR (1940) / Francis Jean Marcel Poulenc (1899-1963)

フランシス・プーランクはフランスの作曲家、ピアニスト。幼いころからピアノを弾き始め、母親の影響でモーツァルトやシューベルトの他、当時のポピュラー音楽を練習していた。父親の言いつけにより、一般的な教育課程を進む中、1914-1917年にかけて、ピアニストのリカルド・ビニェス (Ricardo Viñes) に師事、ビニェスは彼に多大な影響と人脈を与えることとなる。なお、作曲は独学で勉強しており、レッスンや、助言を仰ぐことはあったが、コンセルヴァトワールなどで作曲を学ぶことはなかった。彼の生きた時代には調性音楽の崩壊から、無調音楽が流行した時期が含まれるが、その中でも彼は、作曲家としてのキャリアの中で調性感を失うことはなかった。
本曲は、劇作家、ジャン・アヌイ (Jean Marie Lucien Pierre Anouilh) の「レオカディア」の劇付随音楽の一つである。
以下にピティナ・ピアノ曲事典から、「レオカディア (Léocadia) 」のあらすじを引用します。

劇の主人公のアルベール王子は、ある日レオカディアという名の芸術家と出会い恋に落ちるが、彼女は3日目の夜に事故で他界してしまった。悲しみにくれる王子は、母の公爵夫人が所有する城の中に、レオカディアと出会った場所を再現する。それから2年経ったある日、母公はアマンダというレオカディアそっくりの娘を見つけ、彼女に城の中で3日間、レオカディアのふりをするよう依頼する。王子はアマンダと過ごすうち、過去の思い出であるレオカディアの死を受け入れ、自分の目の前で生きているアマンダを愛するようになった・・・という物語である。

ピティナ・ピアノ曲事典

「愛の小径」は、劇の第3幕で、アマンダが歌うワルツであり、失われた過去の愛を想う歌はたちまち人気になり、単独での楽譜が出版され、以降、多くの歌手に愛され、また、様々な楽器により演奏されている。
今回、出版された歌とピアノの編成を、マンドラテノーレとギターの編成で演奏致します。なるべく出版譜に忠実に、調性も変更せず、ギターで演奏可能な形にピアノ譜をギターに落とし込みました。ギターはピアノと異なり、調による演奏難易度の違いが顕著で、それ故の良さもあるのですが、今回はスコルダトゥーラ (Des - As - Des - Ges - B - Es) を用いることで、あまりにも演奏が困難な形を避け、尚且つ原曲の持つ調性感を表現できる形を追求しました。

参考:
ピティナ・ピアノ曲事典
岡田尚之 公式ホームページより、対訳 ((Microsoft Word - \211\314\216\214\221\316\226\363les chemins de l'amour.docx) (naoyukiokadatenor.com))


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