「ミャンマーの地理・文化および観光の最新事情」というテーマで講演しました【前編:地理・文化】

2019年06月07日に成蹊大学でミャンマーをテーマに講演を行いました。

以前、法政大学で「学生旅行で訪れるべき東南アジア」と題し、講演を行いましたが、再び宋先生からご依頼をいただく形になりました。

今回の成蹊大学での講演テーマは「ミャンマーの地理・文化および観光の最新事情」です。

授業そのものが「アジア地域理解」という内容なので、ぴったりのテーマだったのではないかと思います。

当日の受講人数はおよそ100名で、そのうちシニアの方が6名ほどいらっしゃいました。

結果として、シニアの方にはもちろん、若い方にもある程度興味を持ってもらえた印象でした。

約60分間、僕が上記のテーマで知っていることのほぼ全てを実体験を混ぜ合わせながら共有できたかなと思っています。

このnoteでは、実際に講義でどういったことを話したか、その内容をほぼそのままにまとめていきます。

というか講演で話忘れたしまったことも記していくので、実質講演よりも内容の濃いものとなっています。

noteの前編(このnote)は講義の最初で話したミャンマーの地理・文化について、後編は最後に話したミャンマーの観光最新事情についてまとめます。

後編につきましてはミャンマーを個人で旅行するうえでの具体的なノウハウも一緒にまとめていきます(こちらは有料版にする予定です)。

前編はみなさんにミャンマーのことをもっと知って欲しいので、完全無料公開です。

権利の関係もあり、講義で使用した実際の資料についてはここでは公開いたしませんので、ご理解お願いいたします(その代わりのnoteといった認識で見てもらえれば幸いです)。

※僕はミャンマーの現地在住者ではないので、実際とは異なった認識をして解説をしていることがあるかもしれません、あらかじめご了承ください。

ミャンマーがどんな国か動画で紹介

まずは、ミャンマーがどんな国なのか視覚的に理解できるようにYouTubeの動画を紹介しました。

こちらは約8分と長い動画になりますが、ミャンマーの様々な地域を撮影しており、幅広くミャンマーの光景が分かる内容になっています。

4Kで映像がとても鮮明なところや、最後に綺麗な海とビーチの映像(メルギー諸島)があったことも、この動画を選んだ理由です。

ミャンマーにこんな綺麗な海と白い砂浜があるなんてさぞ驚きではないでしょうか?

ちなみに、非常に残念なことに実際の講義ではネットが悪く動画の再生はすることができませんでした...。

ミャンマーの場所

ミャンマーは東南アジアの西の果てに位置する国で、タイ・ラオス・中国・インド・バングラデシュと国境を接しています。

地図で見ると分かりますが、かなり国土の大きい国です。

ミャンマーの基本情報

国名:ミャンマー連邦共和国
首都:ネーピードー
最大都市:ヤンゴン
政治:議会制民主主義(2011年まで軍政)
人口:5,142万人(日本の約半分) ※2014年時点
面積:676,578㎢(日本の約1.8倍)
日本との時差:-2時間30分
公用語:ミャンマー語(ビルマ語)
通貨:チャット(Kyat) ※1,000k=約71円(2019年06月07日レート)

ググればすぐに分かる情報なのであえて取り上げようか迷いましたが、基本的なところなので一応サクッと解説しました。

2011年以降に民主化したこと、人口と面積の日本との比較はぜひ知って欲しいところなので、重点的に取り上げました。

ミャンマーの特色① 多民族・多宗教国家

【多民族について】

政府の公式的な見解では、ミャンマーには135の民族が住むと言われています。

特に、シャン州やカチン州には山岳民族が数多く暮らしているため、このように多くの民族が暮らす構図となっています。

部分的には、文化が多少違うだけでも別民族という括り方をしています。

そのため、日本で考えれば青森県民と秋田県民は別の民族として捉えるているような形とも言えるでしょう。

加えて、都市部を中心に華僑(中華系移民)印僑(インド系移民)もおり、ほとんどがミャンマー人(かなり現地と同化している印象です)として生活をしています。

一方で、この135の中には今何かと話題のロヒンギャは含まれていません。

ロヒンギャはミャンマーの民族ではなく、「バングラデシュからの不法移民」というのがミャンマー政府の見解だからです。

【多宗教について】

ミャンマーで最も一般的な宗教は仏教で、約85%~90%の国民が仏教徒と言われています。

宗派は上座部仏教(テーラワーダ)になるため、日本の大乗仏教(マハーヤーナ)とは考え方が少し異なります。

中華系の方々は中国の仏教を信仰されている方もいます(こちらはおそらく大乗仏教になるかと思います)。

仏教のイメージが強いミャンマーですが、他の宗教も多く存在します。

まずはキリスト教で、こちらは少数民族(カレン族、カチン族、チン族など)を中心に広く信仰されています。

こちらはカトリックとアメリカ由来のバプテスト教会の2宗派が主流です。

次いでイスラム教徒(スンニ派)が多いです。

こちらはインド系移民に多いですが、ビルマ系の人にも一定数のイスラム教徒の方がいらっしゃいます(バーマ・ムスリム)。

また、カマン・ムスリム(中東地域から移住してきたグループの末裔)や回族(中華系ムスリム)も数はとても少ないですがいます。

そして、ロヒンギャも同じようにイスラム教を信仰する人たちです。

他には主に以下の宗教があります。

ヒンドゥー教:インド系移民の一部が信仰
ナッ信仰:ミャンマー土着のアニミズム信仰で仏教との交わりが深い
その他のアニミズム:少数民族の一部が信仰

ナッ信仰については、日本の神道と仏教が互いに融合し共存している関係性(神仏習合)と同じような認識と捉えれば分かりやすいかと思います。

ミャンマーの特色② パゴダに代表される仏教建築

ミャンマーは仏教建築の宝庫で、国中いたるところにパゴダ(仏塔)が乱立しているのが特徴です。

ちなみに、パゴダ(Pagoda)は英語で、日本で言うところの五重塔がこのパゴダにあたりますね。

パゴダは、ミャンマー語ではペヤー(Paya)と言います。

※日本語表記だとスペルから「パヤー」と書かれていることもありますが、現地語の発音は「ペヤー」に近い音です。

このパゴダの他には

・寺院(ゼディ)
・僧院(チャウン)

といった仏教にまつわる建物が存在します。

こうした仏教建築の中でもとりわけ巨大であったり、豪華絢爛なものが外国人向けの観光地としても機能しています。

ミャンマーの特色③ アジア最後のフロンティア

ミャンマーはよく外部から「アジア最後のフロンティア」と称されます。

その理由は、2011年に軍政から民政への移行を果たし、外国から新たな投資先として非常に注目されているからです。

また、人口が多くそのうち若年層が多数を占めるため、経済成長が今後も大いに見込まれる国となっています。

銅・ニッケル・ヒスイなどの鉱物資源や天然ガスなど、国土が大きくて資源が豊富であることも今後の経済成長に役立つであろう材料と言えるでしょう。

ミャンマーは日本との関わりも深い

ミャンマーは日本との関わりも実は深いです。

まず、日本人として1つ知っておかなくてはならないことは、日本はかつてミャンマーを占領していた事実があることです。

戦時中の1942年~1945年に、日本はミャンマー(当時のビルマ)を占領しました。

多くの餓死者を出したことで有名な対イギリスのインパール作戦は、ミャンマーとインドの国境地帯で起きた出来事です。

インパール作戦以外にも、ミャンマーのほぼ全域でイギリスやアメリカ率いる連合国を相手に日本は戦いました。

そのため、今でもこの地には多くの旧日本兵の遺骨が眠っています。

また現在、国家顧問兼外務大臣として実質的に国を指導しているアウンサンスーチー氏の父親アウンサン将軍は、抗日運動を指揮してミャンマーの独立を導いた「建国の父」であるということは忘れてはいけません。

▼アウンサン将軍

そんなミャンマーですが、現在は日本との関係は極めて良好で、多くの日系企業がミャンマーに進出をしています。

▼ミャンマーに進出している日系企業の例
三菱商事、三井物産、パナソニック、東急建設、JCB、大和証券、スズキ、
ヤクルト、力の源(一風堂)、トリゼンフーズ(博多華味鳥)

ミャンマーと韓国の関わり

僕に講演依頼をくださった宋先生は韓国出身であるため、今回の講義ではミャンマーと韓国の関わりもついでに解説しました。

▼サムスンの進出

ミャンマーではサムスンのスマホが一般的です(もしくはファーウェイなど中国のスマホ)。iPhoneは高級品なので買えない人が多いです。

▼ヒュンダイの進出

最近になって中古の日本車に代わり韓国ヒュンダイの中古車が輸入されるようになっています。これは、ミャンマーは右側通行の国なので左ハンドルへの統一も意識されているのではないかと考えています。

▼ロッテの進出

ファストフードチェーンのロッテリアが多く進出しています。また、最近ではヤンゴンに5つ星のロッテホテルも誕生しました。

▼ロッテホテル・ヤンゴン

ミャンマーの独特な文化① ロンジー

ミャンマーは他の国にはない独特で固有な文化を有する国です。

その代表格に、ロンジー(Longyi)という民族衣装が挙げられます。

ロンジーはミャンマーの伝統的な民族衣装のことを言い、男性用は「パッソ―」、女性用は「タメイン」とも呼ばれます。

伝統的とは言いますが、実際は今でもミャンマー人は日常的にこのロンジーを着ており、「世界で最も民族衣装を着る国」と称されることもあります。

また、豪華な柄が施された高級品は主に正装として用いられます。

ロンジーは民族ごとに柄ご異なり、その中でもカチン族やカレン族のロンジーはデザインが綺麗なことを理由に国内での人気が高いです。

ミャンマーに来たらぜひ自分好みのデザインのロンジーを買って実際にそれを着て街歩きをしてみてください。

きっと良い思い出になると思いますよ。

▼ロンジーの履き方を紹介している動画(男性版)

▼女性版はなかなか見つからず、この動画しか探せませんでした

ミャンマーの独特な文化② タナカ

タナカ(Thanaka)は、ミャンマーに自生している木の名称です。

このタナカの木を水と合わせて擦って抽出したエキスを、ミャンマーでは天然の化粧品として利用します。

▼タナカの木と擦るための道具

僕のミャンマーの知人曰く、このタナカの文化はミャンマーのみでしか見られないものなんだそうです(実際に僕もそう思います)。

そんなタナカですが、日焼け止め・保湿に効果があるとされています。

女性や子どもが塗っていることが多いですが、たまに男性も塗っていますね。

ミャンマーの独特な文化③ キンマ

キンマはミャンマーの男性が好む嗜好品です。

ビンロウジュ(檳榔樹)という植物の木の実(ビンロウジ)に石灰を混ぜ、キンマの葉で巻いて口にするものになります。

▼キンマの特徴
・強烈なハッカの臭いと渋みの混ざった味で、眠気防止効果がある
・噛んでいるうちにビンロウジの赤いエキスで口の中が真っ赤になる

キンマを噛み終わった後、ミャンマー人はよく道路に赤い唾液を吐いています。

そのため、ミャンマーへ来るとアスファルトの道路がところどころ赤く染まっているんですね。

少し汚い話かもしれませんが、この光景が見られるのもミャンマーならではです。

昔はタイでも広く愛用されていたそうですが、環境保護の観点から現在では禁止されているそう。

そのうち、ミャンマー政府もこうした規制をかけるはずです(実際にそうした動きになってきています)。

ミャンマーの地理

ここからはミャンマーの地理について、人文地理や経済の視点からを中心に解説していきます。

ミャンマーの地理は大きく7つの地方域と7つの州、そして1つの連邦領に分けることができます。

地方域(Division)は最大多数のビルマ族が多く暮らし地域で、「地方」や「管区」という呼ばれ方もします。

一方、州(State)はビルマ族ではなく少数民族が主体となる地域です。

連邦領(Union Territory)は、ミャンマーの首都ネーピードーがある行政区画で、全域がマンダレー地方域に囲まれています。

1つずつ解説していきますので、ぜひこの機会にそれぞれの地域にどのような特徴があるのかなど、何となく理解していただければ幸いです。

ヤンゴン地方域

ヤンゴン地方域(Yangon Division)は、ミャンマーで最も工業化が進んだ地域になります。

南にモッタマ湾、北にバゴー地方域、西にエーヤワディー地方域と接しています。

▼ヤンゴン地方域の基本情報
州都:ヤンゴン
地域:下ビルマ
面積:10,170 km²
人口:5,420,000人(1999年)
民族:ビルマ族、カレン族、華僑、印僑など
宗教:仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教など

州都であり国の最大都市であるヤンゴン(Yangon)は、仏塔や寺院・イギリス統治時代のコロニアル建築など昔ながらの雰囲気を程よく残しつつ、近年では「ミャンマー・プラザ」や「ジャンクション・シティ」といったショッピングモールや高層ビル、外資系ホテルなど建設ラッシュが進んでいます。

日本の援助によって郊外に「ティラワ経済特区」が建設されていることもぜひ知っておきましょう。

数多くの日系企業がティラワ経済特区に進出しており、物流の拠点として今後さらなる発展が期待されています。

▼ヤンゴン地方域の主な都市
ヤンゴン

▼ヤンゴン地方域の主な見所
シュエダゴン・パゴダ(ヤンゴン)、スーレー・パゴダ(ヤンゴン)、チャウッタージー寝仏(ヤンゴン)、ボージョー・アウンサン・マーケット(ヤンゴン)

▼シュエダゴン・パゴダ

▼スーレー・パゴダ

▼ボージョー・アウンサン・マーケット

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バゴー地方域

バゴー地方域(Bago Division)は、過去にいくつか王朝があった地域です。

北はマグウェイ地方域・マンダレー地方域、東はカイン州・モン州、南はヤンゴン地方域・エーヤワディ地方域、西はラカイン州、そして南東部をアンダマン海に面しています。

▼バゴー地方域の基本情報
州都:バゴー
地域:下ビルマ
面積:39,404 km²
人口:5,014,000人
民族:ビルマ族、カレン族、モン族、シャン族、印僑など
宗教:仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教など

州都のバゴー(Bago)はかつてペグー(Pegu)と呼ばれ、ペグー朝というビルマの王朝の首都としても過去に栄えました。

今でもバゴーには仏教に関係する歴史的な建築物が多く残っています。

バゴーはヤンゴンから日帰りで訪れることもできるので、ヤンゴン滞在中に時間があればぜひ訪れてみましょう。

また、バゴーの他にもピィ(Pyay)やタウングー(Taungoo)といった歴史都市が存在します。

▼バゴー地方域の主な都市
バゴー、ピィ、タウングー

▼バゴー地方域の主な見所
シュエモードー・パゴダ(バゴー)、シュエターリャウン寝仏(バゴー)、
シュエサンドー・パゴダ(ピィ)、ボーボージー・パゴダ(ピィ)

▼シュエモードー・パゴダ

▼シュエターリャウン寝仏

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マンダレー地方域

マンダレー地方域(Mandalay Division)は、ミャンマー中部エリアの中心地域です。

ミャンマーにおける乾燥地帯で最高気温が高く、かつ昼夜の気温差が激しい地域になります。

▼マンダレー地方域の基本情報
州都:マンダレー
地域:ミャンマー中部
面積:37,023 km²
人口:6,442,000人
民族:ビルマ族、シャン族,、チン族、カレン族、華僑など
宗教:仏教、キリスト教、イスラム教

州都のマンダレー(Mandalay)は、ミャンマー第2の都市でかつて王朝があった場所。

また、マンダレー郊外のアマラプラやインワもかつて王朝があった古都として知られています。

世界三大仏教遺跡のバガン遺跡群もこのマンダレー地方域に所在し、ニャウンウーという町がバガン観光の拠点となっています。

▼マンダレー地方域の主な都市
マンダレー、アマラプラ、インワ、ニャウンウー、メイティーラー、ピンウールイン

▼マンダレー地方域の主な見所
マンダレー・ヒル(マンダレー)、マハムニ・パゴダ(マンダレー)、クトードー・パゴダ(マンダレー)、ウーベイン橋(アマラプラ)、バガン遺跡群(バガン)、ポッパ山(バガン郊外)

▼ウーベイン橋

▼バガン遺跡群

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サガイン地方域

サガイン地方域(Sagaing Division)は、ミャンマー北西部を占める広大な地域で、チンドウィン川の流域に位置します。

カチン州、シャン州、マンダレー地方域、マグウェイ地方域、チン州、インドのナガランド州とマニプル州に接しています。

銅など、鉱物資源も多く産出される地域です。

▼サガイン地方域の基本情報
州都:サガイン
地域:ミャンマー北西部
面積:93,704.5 km²
人口:5,325,347人(2014年)
民族:ビルマ族、シャン族、ナガ族、チン族
宗教:仏教、キリスト教、アニミズム

州都のサガイン(Sagaing)は、マンダレーから南西15キロの場所に位置し、数多くの僧院を有する宗教都市となっています。

サガイン地方域ではサガインのほか、ミングォン(Mingun)やモンユワ(Monywa)がマンダレーから日帰りで訪れることができる場所です。

▼サガイン地方域の主な都市
サガイン、ミングォン、モンユワ、シュエボー、タム

▼サガイン地方域の主な見所
サガイン・ヒル(サガイン)、カウンムドー・パゴダ(サガイン)、シンピューメ・パゴダ(ミングォン)、タウンボッデー寺院(モンユワ)

▼サガイン・ヒルからの眺望

▼シンピューメ・パゴダ

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エーヤワディー地方域

エーヤワディー地方域(Ayeyarwady Division)は、ミャンマーを南北に流れるエーヤワディー川のデルタ地帯に位置しています。

河川が多い地域ですが、インフラはあまり整っておらず、ミャンマーの中でも比較的貧しい地域です。

2008年のサイクロン・ナルギスでは甚大な被害を受けました。

▼エーヤワディー地方域の基本情報
州都:パテイン
地域:下ビルマ
面積:35,138 km²
人口:6,663,000人
民族:ビルマ族、ラカイン族、印僑、カレン族
宗教:仏教、キリスト教、イスラム教

州都のパテイン(Pathein)は、ヤンゴンに次ぐミャンマー第2の港湾都市です。

観光スポットとしては、グエサウンやチャウンターといったビーチリゾートが存在します。

▼エーヤワディー地方域の主な都市
パテイン、ヒンタダ

▼エーヤワディー地方域の主な見所
グエサウン・ビーチ、チャウンター・ビーチ

▼グエサウン・ビーチ

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マグウェイ地方域

マグウェイ地方域(Magway Division)は、ミャンマー中部に位置し、ザガイン地方域、マンダレー地方域、バゴー地方域、ラカイン州、チン州に接しています。

▼マグウェイ地方域の基本情報
州都:マグウェイ
地域:上ビルマ
面積:44,819 km²
人口:4,464,000人
民族:ビルマ族、チン族、ラカイン族、シャン族、カレン族
宗教:仏教、キリスト教、アニミズム

州都はマグウェイ(Magway)になります。

ここは個人的に「ミャンマーで1番マイナーだな...」と思う地域です笑

開発も遅れていて、農業が地域の産業のほとんどを占めています。

▼マグウェイ地方域の主な都市
マグウェイ、パコックー

▼マグウェイ地方域の主な見所
特になし

タニンダーリ地方域

タニンダーリ地方域(Tanintharyi Division)は、ミャンマー最南部に位置します。

クラ地峡以北の細長い地域を占め、西はアンダマン海、東と南はタイ、北はモン州に接しています。

▼タニンダーリ地方域の基本情報
州都:ダウェイ
地域:ミャンマー南部
面積:43,328 km²
人口:1,327,400人
民族:ビルマ族、モン族、カレン族、モーケン族、タイ系、マレー系
宗教:仏教、イスラム教、キリスト教

州都はダウェイ(Dawei)で、近年ではインドシナ半島を結ぶ南部経済回廊の西の端として投資が集まっています。

ただし、地域の中心都市はミェイク(Myeik)です。

ミェイク一帯のアンダマン海沿いにはいくつもの島々があり、通称メルギー諸島(Mergui Archipelago)と呼ばれていてミャンマー屈指のダイビングスポットとなっています。

またメルギー諸島にはモーケン族という海洋民族(ほぼ1年を通して海上で暮らす民族)が暮らしています。

▼タニンダーリ地方域の主な都市
ミェイク、ダウェイ、コ―タウン

▼タニンダーリ地方域の主な見所
メルギー諸島

▼メルギー諸島の動画

シャン州

シャン州(Shan State)は、ミャンマー東部に位置する大きな地域です。

カチン州、サガイン地方域、マンダレー地方域、カレン州、カヤー州、中国(雲南省)、ラオス(ボーケーオ県、ルアンナムター県)、タイ(メーホンソーン県、チエンマイ県、チエンラーイ県)と接しています。

ここはシャン丘陵に代表される山岳地帯で、シャン族を筆頭にミャンマーの少数民族が多く暮らしている地域です。

そういった土地柄もあっていくつかの自治区も存在し、国境地域では度々独立紛争も抱えています。

▼シャン州の基本情報
州都:タウンジー
地域:ミャンマー東部
面積:155,800 km²
人口:4,702,000人 (1999)
民族:シャン族、ビルマ族、コーカン族、ワ族、カチン族、ダヌ族、インダー族、パラウン族、カヤン族、パオ族、タウンヨー族、華僑など
宗教:仏教、キリスト教、アニミズム

州都はタウンジー(Taunggyi)で、避暑地としても知られている場所です。

また、タウンジーから西へ15キロのところには、シャン州屈指の観光地でもあるインレー湖(Inle Lake)が存在します。

シャン州はインレー湖以外にも数多くの見所を有する場所で、観光ではぜひとも訪れておきたい場所です。

シャン州の郷土料理である「シャン料理」は、北タイ料理と似ていてミャンマーでは最も日本人が食べやすい料理として知られています。

▼シャン州の主な都市
タウンジー、ニャウンシュエ、ヘーホー、カロー、ラーショー、チャウメー、チャイントン、タチレク

▼シャン州の主な見所
インレー湖、カックー遺跡、ピンダヤ洞窟、ゴッティ鉄橋、

▼インレー湖の動画

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モン州

モン州(Mon State)は、ミャンマー南東部のアンダマン海沿いに位置し、カイン州およびタニンダーリ地方域と接しています。

その名の通り、モン族が多く暮らしている地域ですが、モン族はビルマ族との混血が広く進んでいます。

▼モン州の基本情報
州都:モーラミャイン
地域:ミャンマー南部
面積:12,155 km²
人口:2,466,000人
民族:モン族、ビルマ族、印僑、イギリス系ビルマ人
宗教:仏教、キリスト教、イスラム教

州都のモーラミャイン(Mawlamyine)は、ミャンマー第3の規模を誇る街です。

また、ゴールデン・ロックとして有名なチャイティーヨー・パゴダ(Kyaiktiyo Pagoda)は、このモン州に立地しています。

▼モン州の主な都市
モーラミャイン、タンビュザヤ、ムドン、チャイトー、キンプン

▼モン州の主な見所
チャイティーヨー・パゴダ、チャイタンラン・パゴダ(モーリャミャイン)、ウィンセントーヤ寝仏(ムドン郊外)、死の鉄道博物館(タンビュザヤ)

▼チャイティーヨー・パゴダ

▼チャイタンラン・パゴダ

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カイン州

カイン州(Kayin State)は、旧名だとカレン州(Karen State)と呼ばれていた場所で、東側をタイと接しています。

少数民族のカレン族が多く暮らしている地域で、ミャンマー最大の反政府武装組織であるカレン民族同盟(KNU)が存在するなど、かつては独立運動が盛んな場所でした(現在は停戦中)。

▼カイン州の基本情報
州都:パアン
地域:ミャンマー中南部
面積:30,383 km²
人口:1,431,377人
民族:カレン族、カヤン族、ビルマ族、シャン族、モン族など
宗教:仏教、キリスト教、アニミズム

州都のパアン(Hpa-An)は、風光明媚な自然と仏教にまつわる洞窟寺院が数多く存在する個人的におすすめの観光地です。

また、最東部のミャワディ(Myawaddy)にはタイとの国境(メーソート・ミャワディ間国境)が存在します。

▼カイン州の主な都市
パアン、ミャワディ、コーカレイ

▼カイン州の主な見所
チャウカラッ・パゴダ(パアン)、コーグン洞窟(パアン)、ヤテッピャン洞窟(パアン)

▼チャウカラッ・パゴダ

▼コーグン洞窟

▼ヤテッピャン洞窟

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カヤー州

カヤー州(Kaya State)はミャンマー東部に位置し、ミャンマーの地方域および州の中で最も小さい地域になります。

カヤー州には、カレン族の姉妹グループであるカレンニー族(赤カレン族)が多く暮らしていますが、それ以外の少数民族も小さい地域に数多く暮らしています。

▼カヤー州の基本情報
州都:ロイコー
地域:ミャンマー東部
面積:11,670 km²
人口:259,000人
民族:カレンニー族、カレン族、カヤン族、ビルマ族、シャン族、パオ族
宗教:仏教、キリスト教、アニミズム

州都はロイコー(Loikaw)です。

▼カヤー州の主な都市
ロイコー

▼カヤー州の主な見所
タウンウェ・パゴダ(ロイコー)、アウンターピェー洞窟(ロイコー)

カチン州

カチン州(Kachin State)は、ミャンマー最北部に位置しています。

州内では山間の北部地域に少数民族でキリスト教徒のカチン族が多く暮らし、南部には仏教徒のビルマ族やシャン族が暮らしています。

ミャンマー屈指のヒスイやコハクの産地として知られていますが、カチン州もシャン州と同様にたびたび民族紛争が勃発している地域です。

▼カチン州の基本情報
州都:ミッチーナー
地域:ミャンマー北部
面積:89,041 km²
人口:1,200,000人
民族:カチン族、ビルマ族、シャン族、ナガ族、印僑、華僑
宗教:キリスト教、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教

州都はミッチーナー(Myitkyina )になります。

ここは第2次世界大戦時には「ビルマの戦い」の戦場(ミイトキーナの戦い)にもなり、旧日本軍がアメリカ・イギリス率いる連合国と戦った場所です。

カチン州の最北部にはヒマラヤ山脈が通っており、カカボラジ山(標高5,881m)はミャンマー、そして東南アジア最高峰として知られています。

▼カチン州の主な都市
ミッチーナー、バーモ、プータオ

▼カチン州の主な見所
インドージ湖

チン州

チン州(Chin State)は、ミャンマーの西部に位置し、サガイン地方域、マグウェイ地方域、ラカイン州、インド(マニプル州、ミゾラム州)、バングラデシュのチッタゴン管区と接しています。

少数民族でキリスト教徒のチン族が多く暮らしている地域です。

▼チン州の基本情報
州都:ハーカ
地域:ミャンマー西部
面積:36,018 km²
人口:538,000人(2005年)
民族:チン族、ビルマ族
宗教:キリスト教、仏教

州都はハーカ(Hakha)になります。

チン族はその昔、女性の顔に刺青を施す文化を持つことで知られていました。

▼チン族の女性

今でもその最後の世代が生き残っていて見ることができますが、今後10~20年のうちに完全に絶滅する文化となっています。

▼チン州の主な都市
ハーカ、カレーミョ、ミンダ

▼チン州の主な見所
マウント・ヴィクトリア国立公園

ラカイン州

ラカイン州(Rakhine State)は、ミャンマー南西部に位置し、インド洋のベンガル湾に面している地域です。

西端部は、バングラデシュと国境を接しています。

▼ラカイン州の基本情報
州都:シットウェ
地域:ミャンマー南西部
面積:36,780 km²
人口:2,698,000人
民族:ラカイン族、チン族、ビルマ族、ロヒンギャ、カマン・ムスリム
宗教:仏教、イスラム教、ヒンドゥー教

州都は、ベンガル湾沿いの港町シットウェ(Sittwe)です。

ラカイン州一帯はかつて300年以上に渡りアラカン王国が支配した地域であり、ミャウー遺跡群など、その当時建てられた仏教建築もいくつか残されています。

近年ではロヒンギャ問題によってたびたび話題になる地域です。

ロヒンギャ(Rohingya)はベンガル系の民族とされていますが、バングラデシュ本土のベンガル人ともまた異なるグループで、アラカン王国があった時代から今のラカイン州に居住し、ミャンマーの文化も合わせ持つ民族グループです。

現在のロヒンギャはミャンマー政府から自国の民族として認められておらず、「バングラデシュからの不法移民」という扱いです(ちなみに、バングラデシュからはミャンマー人であり自国民ではないという扱いを受けています)。

2017年8月に生じた大規模な衝突によって、現在大量のロヒンギャがラカイン州からバングラデシュのチッタゴン一帯に逃れ、難民状態となっています。

▼ロヒンギャ問題について詳しくはこちら

ラカイン州では、ビルマ族に民族的に近縁のラカイン族が多数派を占めますがが、歴史的背景からビルマ族とラカイン族の間でも緊張があります。

直近ではラカイン族グループの反政府武装組織であるアラカン軍(AA)がミャンマー政府軍とシットウェやミャウーで銃撃戦を行っており、治安が悪化傾向です。

現状、ガパリ・ビーチより北側(ラカイン州中部・北部エリア)への訪問は自粛したほうが良いでしょう(2019年6月時点)。

ガパリ・ビーチ(Ngapali Beach)は、イタリアのナポリに似た長い海岸を持つことで知られるミャンマー屈指のビーチリゾートで、ラカイン州南部に位置するため現在でも情勢が安定している場所になります。

▼ラカイン州の主な都市
シットウェ、ミャウー、タンドウェ、マウンドー(外国人立入り禁止特別区)

▼ラカイン州の主な見所
ミャウー遺跡群、ガパリ・ビーチ

▼ガパリ・ビーチの動画

ネーピードー連邦領

ネーピードー連邦領(Naypyidaw Union Territory)は、ミャンマーの首都ネーピードーが所在する地域です。

周辺全域をマンダレー地方域に囲まれています。

2006年にヤンゴンから遷都されたミャンマーの新しい首都で、ほぼ政府関係の建物しか存在しません。

移住者を呼び込もうと開発を進めていますがなかなか上手く行っておらず、街中はゴーストタウンのような雰囲気もあります。

「ネーピードーには何もない」とミャンマー人も外国人旅行者によく言っている場所ですね。

ただし、シュエダゴン・パゴダを模倣して建てられたウッパタサンティ・パゴダや有事の際に滑走路にもできるように作れた20車線(片側10車線)の広い幹線道路など、見所と呼べそうなものはいくつか存在します。

▼ネーピードーの紹介動画

本note(前編)はここまでになります

これにて、前編(ミャンマー地理・文化)は以上です。

ここまで1万2,000字超えの長文をお読みいただきありがとうございました。

続きの後編(ミャンマー観光の最新事情と個人旅行のノウハウ)は後日公開予定ですので、そちらもよろしくお願いいたします。

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【追記】

後編を公開しました(2019年6月19日)。


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ぐちを

ミャンマーなど海外の旅行情報を中心にブログを書いている人です。ブログではあまり書かない、自分の言葉を使ったダイアリーをこのnoteでは記していきます。 ▶Twitter:@guchiwo583 ▶︎Blog:https://guchiwo-globe.com/

東南アジア旅

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