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キャディさんとの出会いとゲヌのはじまり

こんにちは、ゲヌ代表の宮村です。
今日は、ブランド立ち上げの経緯について、改めてお話させていただきたいと思います。

私がセネガルに行くことになったのは、セネガル人女性のキャディ・コイタさんが書いた本がきっかけでした。
タイトルは『切除されて』。

7歳で女性器切除を受け、13歳で見知らぬ男性と強制的に結婚した彼女が、女性の人権を勝ち取るために闘う半生を描いた自叙伝でした。

内容はとても過酷なもので、時にはページを開いていることもできず、何度も泣きながら読みました。

しかしながら、本を読んだ後、セネガルはいい国に違いないと感じたのです。悲しくて切ないことが沢山書かれているのに、どうしてこんなにも彼女のセネガルへの愛情が伝わってくるのだろうと不思議な気持ちでした。私はセネガルの人と話してみたいと思うようになりました。

大学を休学してセネガルに行くことを決め、無事到着した私は、キャディさんの団体へ感謝のメールを書きました。

思いもよらずキャディさんから返信がきて、その内容は、私の家に来なさい、というものでした。
トップの写真は、キャディさんの家で初めて会ったときの写真です。

それから彼女は女性たちを守るために建設中の避難所を見せてくれました。

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キャディさんの避難所

彼女は、女性が男性と対等に生きていくためには、教育を受け、仕事を持ち、自立することが不可欠であると私に話しました。そのため、彼女は避難所を作って女性たちを一時的にかくまうだけでなく、そこで職業訓練を行うことも計画しています。

ティエスは女性に対する暴力が多い地域ですが、まだ避難所がありません。昨年、ティエスでは12歳から19歳の少女の間で、351件の暴力事件が報告されています。病院に暴力を受けた女性が駆け込んできたときには、病院のスタッフから連絡があります。でも、避難所が完成するまでは、彼女たちが安心して生活できる場所がありません。

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ゲヌのはじまり

2011年、翌年には完成予定だと言っていた避難所。でも2020年に見た避難所には誰も避難できていませんでした。

水も電気も通っておらず、動物は入ってくるし、寝具も足りない。60歳を超えたキャディさんは体調不良で週6日病院通い...。

私は帰国してゲヌを立ち上げました。ゲヌはセネガルの言葉で「出口」を意味します。

ゲヌでは、キャディさんの避難所の建設に協力するため、以下2つのことを行っています。

①資金集めのサポート

避難所を完成させるためには多くのお金が必要になります。そのためには、政府や国際団体からの資金援助が不可欠です。私たちは、公的機関(政府や資金提供団体など)への資金援助の申請を行うため、資料作成のサポートなどを行っています。

②ブランドからの寄付

ブランドの売上の一部を避難所の支援に充てる活動をしています。公的機関からの資金援助は、運営費や消耗品などの費用が出ないことがあります。ゲヌからの寄付はそういったところに充てられる予定です。

そしてゆくゆくは、避難所の女性たちとゲヌの商品制作ができれば、女性たちの自立にも繋がる可能性があると考えています。

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↑2020年2月、ベルギーにて。キャディさんと私。指が入っていても、お気に入りの1枚。


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