カニ鍋

連載『オスカルな女たち』

《 最初で最後の晩餐 》・・・18

ノックをし、
「…寝苦しくない?」
 と、顔をのぞかせる。
「えぇ平気よ。つかさは…?」
「あたしはいつも通り下で…」
「ここに寝ればいいじゃない」
「だって、ひとりじゃないとダメなんじゃ…?」
「そんなこと言ったかしら?」
「うん。言ったよ。え…っだったら、下の布団運んで…」
 そう言って、「まさか」とつい先ほど出てきた部屋を振り返るつかさ。
「そうでも言わなきゃ、こんなチャンス滅多にないじゃない?」
「あきら?」
「あのふたり…どうにかなると思う?」
 玲(あきら)は意地悪な笑みを浮かべて見せ、キングサイズのベッドの左側の枕を叩いて見せた。
「そういうこと?」
 眉をしかめて言いながら、そそくさと玲の隣に潜り込むつかさ。
「やっぱり、そうなの?」
 やばいじゃん…などと言いながらも嬉しそうに玲と顔を合わせる。
「そうかどうかは解らないけれど、マコのナイトっぷりはただものじゃないわ」
 と、楽しそうに話す玲。

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