海

連載『オスカルな女たち』

《 孤独な闘い 》・・・6

「美古都(みこと)ちゃん、いい子ですよねえ。ケンカなんか想像もつきませんけど?」
「女同士、同じ屋根の下に3人。一番いちゃいけない取り合わせでしょ。息子ならよかったよ。殴れば済む」
「また、そんなこと言って…」
「そうだけど…」
(いじめてるみたいで喋りたくない…)
 また今日も泣かせてしまった。
(あたしも我が子には気を遣えないか)
 いつか自分の方が泣くことになるのだろうか…とふと考える。

 既に嫌われてると思っているし、自分がいなくても操(みさお)のおかげでなんでもひとりでこなせるように育っている。そんな彼女(娘)が、どうも昔から苦手だった。
「難しい年頃ですからね」
「そんなときがきちゃったかー、って感じだよ。あたしと違って真っすぐなもんで、ついついからかいたくなる…それ、やりすぎたんだろうなぁ。ケンカしたいわけじゃないのに最後まで穏やかにいられない。
(あたしの性格なんだろうけど、今更大人になれないよなぁ…)

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