犬とパソコン__2_

書く → 実践


中学校から高校にかけ、わたしは何度か雑誌に投稿をしている
表紙にタイトルを書き、次のページにプロフィールと、あればP.N.
原稿用紙2枚程度のあらすじ、そして本文…というのがだいたいの必要事項
そして右上を閉じる
当然ホチキスでは閉じれない量なので、黒い綴り紐をたくさん持っていた

結果は…といえば、橋にも棒にもかからずというところだ。でも楽しかった

わたしの最高評価は「第一次予選通過」という時点で名前が載ったくらいだろうか。それは10代の少女の殺し屋家業の話だった。150枚程度だったかと思う

いつもわたしは、2枚程度のあらすじでつまづいていた
でも「あらすじ」というのは、あとからではなく、小説を書く最初の段階で決めるものらしいことを最近知った。あとからの方が書きやすいかと思っていたけれど、そもそも「あらすじ」というものは、テーマがあってそれにそったものをいうのだろう
書けないはずである。当時のわたしにはこれといったこだわりテーマなどなかったのだから

国語の授業の中で、高学年になると物語の「段落まとめ」という作業があった。わたしはそれが大変苦手だったことを思い出した。当然だ。教科書に出てくるつまらない読み物なんて、読む気もなかったのだから、それを簡略にまとめるなんて到底できるはずはなかったのだ
国語の成績は良かったけど、それは漢字が書けたからということと、作文が好きだったからだろうと今は思う。でも感想文は当然書けない
結果「あらすじ」も書けないという結論に至る

作家ってどうやって原稿を書いているんだろう?
まだ、あの頃は手書き原稿が多かったはず。パソコンはあっても、使ってる人はそうはいなかったろう時代。ワープロも容易に持ち運びできるほどコンパクトなものではなかったはずだ
学生のわたしは当然そんな高級なものは持っておらず、ルーズリーフや大学ノートにひたすら、書いては消し消しては書いて、読み返しては喜んだり落ち込んだり、そんな毎日を送っていたと思う

雑誌の特集記事で「小説の書き方」とか「小説家になるために」なんて題材で、現役の作家が実際どのような書き方をしているのか…なんてのを読みながら、自分にもそんな日が来ることを夢見ていた頃がある
わたし、小説家になりたかったんだなぁ…今は、作家であればいいかな
でもその記事も、雑誌から切り取り収集するだけで満足して終わったように思う

その中に、書き方の練習のひとつとして「図鑑に倣って書く」という項目があった。図鑑というのは万人に解るよう、丁寧かつ簡潔な文章で書かれてあるため…というような理由からだったように思う
結局、わたしはそれをしなかったけれど、実際どのようにすればよかったのか、それをしていたらもう少し上達していたのかな?
最悪なことにわたしは、幼い頃から「書く」ことは好きだったが「読む」ことは得意ではなかった。むしろ嫌いと言ってもいいくらいだ。当然ながら、図鑑を読むなんてことはできなかった。絵を眺めるのがいいところだ

本を読まないということは、言葉を知らないということだ
それは作家としては致命的ではないだろうか…

そこで高校の夏休み、意を決して、頑張って小説を読むことにした
そう、読書は頑張らないとできなかった。学校の宿題のようには期限も義務もなかったが、それがないだけでわたしには同等の苦痛だったことはいうまでもない。でも、読めないわけではなかった
頑張った結果、1年、2年の夏休みで10冊ずつの文庫本を読むことが出来た
シリーズ物のライトノベルだったが、わたしにはそれでも上出来と言える

不思議だ。読めなくても書けるもんなんだな…いいのかな

オスカルな女たち』を書くにあたり、わたしは2冊の文庫本を読んだ
書こうと思ったきっかけは、久しぶりに聴いた「安全地帯」のなまめかしい男女関係への憧れと「昼顔」への興味からだったけれど、いざ書いてみようと思ったら、小説を書かなくなって久しかったので、いまいちどう書いていいか解らずちょっと資料が欲しくなった

探している時ってすんなり手に入るものなのか、引き寄せ効果だったのか、その2冊は充分なほどわたしに想像力と書く意欲を与えてくれた
なんだかずるい気もするけど、いいお手本が手に入ったわけだ

書き始めたのは多分、おととしの8月くらいだったと思う
そこから書き溜めて、3割ができたあたりでnoteの存在を知った。これもいわゆる引き寄せだったのか、うまい具合に続けるためのができた
遅筆ゆえに実に細かく分断しての連載ではあるが、なんとか続いている

noteに書き続けていくうちに、「昼顔」はどっかに行ってしまった。今は、なんと80年代アイドルソングを聴きながら書いている。しかもそれは82年以降のアイドル。だから聖子ちゃんや明菜ちゃんではないということ…どうでもいい情報だけど
「安全地帯」のなまめかしい男女関係からも遠ざかり、ただ一つ今までと違うのは、あの頃にはなかった「テーマ」があるということだろうか

そんなこんなで連載も間もなく1年を迎えようとしている。現時点で350枚程度。だが、手元の小説はまだ仕上がってはいない。いつお尻に火が付くか解らない状態なのだ
連載も途中で中断しなければならなくなる状況に追い込まれるかもしれないでも、書き上げたい気持ちだけはあるので、まだ大丈夫かなとは思っているけれど、不安は尽きない


あれ? また長くなっちゃったな
でも、時々こうして意思表示というか、意識確認しておかないと飽きてポイしてしまいそうな気がするので、これはわたしには必要なこと
おつきあいくださりありがとうございました

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです