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もふもふを描いた謎の絵師|長沢芦雪展

先日、福岡の九州国立博物館にて開催中の長沢芦雪展に行ってきました。

美術系番組「新美の巨人たち」で初めて知った江戸時代の絵師、長沢芦雪。
放送のサブタイトルは「長沢芦雪のゆるかわ子犬」でした。
ゆるかわのもふもふ子犬といえば「円山応挙」を思い浮かべますが、彼はそのお弟子さん。

18世紀半ばに丹波篠山藩(兵庫)の武家に生まれ、その後、淀藩(京都)の武家に養子に出されたそうです。

会場で、まずは年表を読みながら・・・???

武家に養子に出されたということは、その家を継ぐためではなかったのか。そうだとしたら、芦雪が円山応挙に入門するにあたって揉めなかったのか?それとも養子先はかなり寛大な家で、芦雪の才能に気づいて応援したのかしら?

年表には養子に出された理由も書いてありませんでしたし、応挙に入門した時期もよくわかっていないようです。謎の絵師、長沢芦雪。

芦雪が描いた龍・虎図絵を収蔵する無量寺(和歌山)の公式サイトによると、酒好きで奔放、快活である一方、傲慢な面があったと伝えられており、いろんな噂や破門説まであるそうです。46歳で突然亡くなった原因もわかっておらず、最期まで・・・謎。

芦雪の謎はさておき。

彼の作品には、ゆるかわ子犬のほか人物画や孔雀など細かい描写の絵もありましたが、印象に残ったのは「月竹図」。

芦雪が描く月は、月の部分を塗らずに月の周囲を墨で塗って、まるい月が"ほわ〜っ"と浮かびあがっています。
うまく表現する言葉が見つかりませんが、とにかく優しい月なのです。

そしてこの作品は、とても細長い。
極端に細長い画面に書いた作品のことを「柱絵(はしらえ)」と呼ぶそうですが、すーっと細長い竹を中心に、そして後方にまあるい朧月が描かれていて、写真を切り取ったような面白い構図でした。

※会場内は撮影禁止だったため、今回撮った写真はありません。
「竹月図」を紹介してあるページのリンクを貼っておきます。

さらに奥へと進んで行きます。

この展覧会でいちばん見たかった襖絵「虎図」は目玉だったのか、やはり終盤に展示されていました。これは芦雪の代表作とも言われ、ポスターにも使われるくらいですから、この場所に置かれるのも頷けます。

「虎図」と、対になっている「龍図」は無量寺(和歌山)というお寺の襖絵です。

それぞれ6枚の襖に描かれた虎と龍は迫力あり!
でも、虎をよく見ると「あんよ」がもふもふなんです。
「前足」ではなく、敢えて「あんよ」と言いたい♡
妙にしっぽが長い虎だけど、もふもふをわしゃわしゃ触ってみたいくらいに可愛かったです。

最後に、ミュージアムショップで買い物を。
「虎図」「龍図」のクリアファイル、「花鳥遊魚図巻」の子犬たち&「群猿図襖」のお猿さんたち&「虎図」&「龍図」の4種類のブックマーク、そして戯れるもふもふ子犬たちのトートバッグ。

龍もご利益ありそうな迫力です

そして最後の最後に。
ミュージアムショップのレシートが洒落ていました♪

芦雪は「長沢芦雪」を名乗るようになってから、氷型の枠に入った「魚」印を使っており、その印がレシートに印刷されていたのです!

写真で残しておきたくなるレシートは初めてでした

「やるな、長沢芦雪展」という感想で締め括った展覧会でした。


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