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ただひたすら魚介類を感じ続けられるタイ・バンセーン市場は単品直売マーケテイングを学べる学校だった。

 バンコクから近い"本格的"な魚市場を知っていますか?友人から受けた質問がバンセーン市場を知るきっかけでした。バンセーン市場はタイ湾に面したタイ東部にあります。近隣には日系企業が数百社入居するアマタナコン工業団地や、日本人が数千人以上住むシラチャ地区があります。バンコクではなく、タイ東部に住む日本人たちにとっては馴染みの深い本格的な魚市場です。(地図:Google Map

 バンセン市場は小さな漁港に横付けされた市場です。船が漁から戻るとすぐにここで販売されます。近隣港で水揚げされた魚介類も一部はここに入ってきているそうです。

 写真で見ると物凄いローカルな市場の雰囲気があります。実際、確かに店舗にはローカルさはあるのですが、バンコクから買い付けに来ている人も少なくないようで、どうみても近所の人じゃないなというファッションの方も多かった印象です。

 すぐ裏側にある埠頭には"わさわさ"と水揚げを終えた漁船が休んでいます。

 もう何がなんだかわからないくらい密集しています。てかくっつきすぎで傾きすぎなんじゃ・・・。

 近距離漁なので装備は軽めの船ですね。ちょっと5Sの必要はありそうです。それでは市場の中を見てまわることにします。

 エビですね。1キロ280バーツ(900円程度)で販売しています。タイには川エビと海エビがありどちらもトムヤムクンで使われますが味が違います。ここで販売されているのは近海で取れたエビです。ここでは2種類のエビのみ扱っていました。

 こちらはカニ専門店ですね。ここから車で1時間程度の位置に観光で有名なパタヤがありますが、パタヤで食べるシーフードには必ずと行っていいほどカニの丸焼きやカニカレーがあります。あのカニです。ここは1種類のカニ限定販売です。

 こちらのお店は魚とイカを扱っています。魚の1つには日本でも有名なアジがあります。サイズもそこそこあって水揚げされたばかりということもあって美味しそうです。このお店で僕もアジを買いました。

 エビの絨毯のような感じになっています。ここもエビ特化専門店です。既にお気付きの方もいるかと思いますが、この市場では1つのお店が扱う品数が少ないのが特徴です。日本では単品通販というマーケティングが効果を上げているとよく聞きますが、ここはまさに単品直売です。

 ここは貝1種類専門店です。1,000個近い貝が積み上げられて70cmくらいの山になっていました。ここまで山積みにしても下の方の貝は潰れません。貝の強さに脱帽です。

 貝専門店の隣にはエビ専門店、こちらも負けじと山盛りです。でもこれ以上盛ったらエビが潰れてしまいますのでやめてください。

 やっと複数の品物を扱ういわゆる"総合ショップ"に出会いました。イカ、カニ、貝、魚を扱っています。ワタリガニ美味しそうですね。味噌汁にいれて食べたいです。

 ここはTHE貝専門店という感じで様々な種類の貝が販売されています。これだけ揃うとちょっと恐怖心を覚えますが味はおいしいです。

 日々の漁獲高に左右されるというのもあるのかもしれませんが、この日の魚類はあまり多くはありません。しかしそれでも魚専門店では魚を沢山並べようと努力をしているのがわかります。ところで手前の魚、胴体はどこにいったのでしょうか・・・。

 ここも魚専門ですね。なんとか店頭の大きな魚9匹、売り切って家に帰って欲しいと思います。

 ここは沢山仕入れましたね。魚が1番多かったお店です。この日も暑かったので、早く売らないと大変そうです。

 ここはイカがメインですが、切り身も置いてありました。

 この市場は鮮魚類ばかりではありません。加工品も販売されています。どちらかというと加工品のお店の方が多いですね。写真を並べていきます。

 イカやエビが多く水揚げされることもあって干物が多く、南国の太陽で旨味を沢山蓄えた美味しい干物が揃っています。そして、魚市場といえば「その場で食べる」という楽しみがありますが、ここでも魚料理を食べる事ができます。但し、刺身などのなまもの系は少ないです。焼き系、和え物系がメインです。

 エビ+唐辛子+パクチーの3点セットは海鮮サラダの定番の1つですが、ここでも販売しています。

 生牡蠣です。手前の左2つはソースです。これが美味しいのですが、辛い。とても辛いんです。でも美味しいからついつい食べてしまいます。

 焼き魚です。炭火で焼いています。焼きたてはほくほくしていて美味しいです。キャンプで川魚を焼いているイメージをしてください。そうすると、「あの味か!」と思い出せると思います。

 ここはイカと練り物の焼き物を販売しています。

 焼き魚(1匹版とぶつ切り版)を販売しています。そしてこの市場で最大の衝撃だったのはこちら。どうぞ。

 カブトガニ。日本では一部の産地で取れたものは天然記念物となっていますが、タイではカブトガニは普通に食べる事ができます。僕はまだチャレンジしたことはありません。なにせ、タガメを食べて悶絶して以来、尻尾トンガリ系は苦手なのです・・・。

 いかがでしたでしょうか。バンセン市場はそれほど大きくはなく小規模な市場ですが鮮度の高いおいしいエビやカニが取れること、そしてバンコクから1時間ちょっと車を走らせれば来れる場所という事でとても人気の市場です。

 バンセン市場は隣接する港が小さいという事もあり、取扱品目が少ない為に特定商品に特化した販売をせざるをえないという状況があります。しかし、その特化ぶりが結果的に彼らの知名度を上げる理由の1つにもなっているのだろうと、実際に現場に行って、彼らの売り方を見て感じました。事前にそんな事も知らずに普通に訪れた有名魚市場でしたが、無意識のうちに?採用していた販売戦略が単品直売特化型であったという感動と、購入したエビ、アジを早く食べたいという欲求と共に気持ちよくバンコクへの帰路につきました。

 単品直売特化・・・お店の1つ1つ、または市場全体がそう考えているのかどうかわかりませんが、、、、いや、、考えてないような気もするけど、考えているのかもしれませんが、、、久々に現地で見ることの大切さ、トヨタ流カイゼンでいえば"現地現物"の大切さを改めて再認識しました。

G1でした。サワディクラップ!


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