2019年 7月上旬 台湾 とある拳法道場にて

※以下全て中国語からの翻訳

記者「おめでとうございます!『PXF夢の超党タッグ』、シェンク選手の出場が決定しました!」

シェンク「タッグ?枠を超えた祭り?俺が聞いていた大会はシングルのリーグ戦だが…情報の錯綜があったようだな。辞退しよう。覇羅王(リーダーを務めるユニット)以外のレスラーは俺にとって全て敵、組むなどと…」

▼その蹴りは鋭角にシェンクの顎を撃ち抜いた

エンエン(マネージャー)
「何を言っているんですか!?これはチャンスでしょう!先日クランクアップしたシェンクさん主演映画『異世界功夫』、大会に出るのは日本プロモーションのためでもあるんですよ!
様々な団体が出場するお祭りみたいな大会だったのは嬉しい誤算、プロモーションにはピッタリです!早く日本でパートナーを見つけましょう!私も手伝います!」

▼日本版「異世界功夫」ポスター

シェンク「日本版のポスターというのはどうしてこう…まあそれはともかく、俺の名前と映画を売るための手段としてなら出ても良い」

エンエン「そんな事言ってるけど小さい頃からWFWのビデオを見ていたプロレス大好きシェンクさんのプロフィールですよ!早速国際便で各団体に送りつけましょう!」

※後日各団体へ送付された資料
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シェンク・レイ
台湾
182cm
90kg
必殺技:神狗足(片足ミサイルキック)
得意技:フライングラリアット、ムエタイ式ミドルキック、キャプチュード、後頭部に低空ドロップキック

アクション俳優の父親の影響から、幼い頃から中国の様々な武道に親しみ、そのスポーツ歴を生かして父と同じアクション俳優としてデビュー。
B級カンフー映画の主役や父との共演などで経験を積み、そこそこ名の知られた俳優となるも徐々に増加する近代アクションを重視した映画、同世代・若年層の武道離れを嘆き選んだ道は地元台湾の団体でのプロレスデビュー。
最初は知名度を生かした客寄せ程度の扱いだったが武道の下地、俳優経験によるリング内外での巧さ、増量などで力を伸ばし、中国に進出するとフリーランスを集めたユニット「覇羅王」を結成しトップへのし上がった。
今後の目標は日本・アメリカ進出であり、その足掛かりとしてGOLに上陸。
フィジカルを鍛えた事により本業でもアクションに迫力が出るなど、本業にもプロレスが好影響を与えているらしい。
日本語はペラペラだが、どうしても丁寧な口調になってしまい、外敵としてのポジションを保つ事の兼ね合いからマイクは苦手。
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エンエン「喋るとクールな外敵キャラのボロが出るシェンクさんに代わって私がパートナー探しをします!
もしお声がかかりそのままタッグ結成…なんて事があれば嬉しいですネ!その空いた時間で日本観光しちゃいましょう!」

シェンク「…(日本語で記者に向け)せめてプロレスで何かを成し遂げたい、そんな心意気のある方と組みたいと書いておいて下さい」

エンエン「(同じく日本語で)つまり誰でも良いってコト!それじゃ行くヨーシェンクチャン!」

シェンク「(日本語で)…これを良い機会にして、あなたはもう少し日本語を学ぶように…顎が痛い」

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