通信制大学生へ贈るレポートの書き方(10)

5W1H

前回は段落=パラグラフについて解説しました。本日は5W1Hを意識して、よりわかりやすいレポート作成方法について説明します。

1.課題要件の把握

2.課題要件を満たすために必要な資料を探し、資料を調べ、内容をまとめる

3.レポートのおおまかな内容を決める

4.レポートを実際に作成する

5.完成したレポートを提出する


なぜパラグラフを先に説明したのか?

このレポートの書き方では文の基本の基本をお伝えしてから、段落=パラグラフについて説明しました。文章作成法の本の中には、先に5W1Hについて解説しパラグラフについてせつめいする本もありますが、このレポートの書き方ではパラグラフを先に説明しました。理由は、各文をそれぞれチェックするよりも、パラグラフ全体を通して5W1Hが不足していないかを確認するほうが何が足りないかがわかりやすいからです。


5W1Hって何?

英語のWhat、When、Where、Why、WhoとHowを5W1Hと言います。What、When、Where、Why、Whoの頭文字W5つと、Howの頭文字H1つを合わせて5W1Hというわけです。

5W1Hがしっかりパラグラフに入っていると、あなたが伝えたい内容が読み手に伝わりやすくなります。

【5W1H】

Who:「誰が?」 人を表す言葉

What:「なにを?」 目的はなにか? 目的語はなにか?

When:「いつ?」 何年何月何日、時間帯など

Where:「どこで?」 場所を表すことば

Why:「なぜ?」 「どうして?」 疑問や理由

How「どうやって?」「どのようにして?」方法や手段について


それでは、次の文を5W1Hに従い確認してみましょう。上は5W1Hを意識したパラグラフで、下は5W1Hを極端に無視したパラグラフです。

上(5W1H有り)より(5W1H無し)の文例は読みにくくないでしょうか? また何を伝えたいかがわかりづらくないでしょうか? 一体何が足りないのでしょうか? ここはあまり考えると頭が痛くなりそうなので、さくっと答えをお伝えします。下記にて(5W1H無し)の文例で欠けている言葉に赤線を引きました。

赤線の部分が(5W1H無し)の文例に欠けていた言葉です。

ではもうひとつ例を挙げます。

何を伝えたいのかは、なんとなくわかりますが、具体的に何がどうなってそうなったのかはわかりませんね。事情を知っている人なら、これだけでわかるでしょうが、事情を知らない人には全く背景がわかりません。まずは何が足りないのかを考えましょう。

風景を撮影しようと海に来た。=どんな(=What)風景を撮影しようとしていたのかが抜けています。

気晴らしに海で泳いでいる=季節は夏と考えられます。つまりWhenが抜けていますね。それからどんなキッカケ(=Why)で気晴らしが必要になったのかが抜けています。

溺れてしまった。=どんな風に(=How)溺れたのかが抜けています。

助けてもらった=誰に(=Who)助けてもらったのかが抜けています。

それから参加することになった=どんなキッカケや理由(=Why)で何に(=What)参加することになったのかがわかりませんね。

以上のことを補足したのが下記の文章です。

たった2行だった文章が4倍近くまで長くなりました。何が加わったのかを詳しく見てみましょう!

上記に示した5W1Hを含んだ文章と最初のこの文章との差は明らかですね。

比較するとよくわかると思いますが、5W1Hが入っていると、伝えたいことが "具体化" されます。内容があやふやだと何を伝えたいのか担当教員にはわかりません。

伝えたい内容を具体化したパラグラフを書いて、レポートは仕上げましょう!!


本日はここまで、次回は引用のルールと参考文献の提示方法について解説します。

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