通信制大学生へ贈るレポートの書き方(7)

文の書き方の注意点(3)

前回は文の基本の基本について説明しました。さて本日は「、」と「。」、特に「、」の打ち方の注意点について解説します。

1.課題要件の把握

2.課題要件を満たすために必要な資料を探し、資料を調べ、内容をまとめる

3.レポートのおおまかな内容を決める

4.レポートを実際に作成する

5.完成したレポートを提出する


4.レポートを実際に作成する(3)


(3)「、」の打ち方の注意


「、」や「。」で文を区切らないとわかりづらい文章になります。「。」は言わずと知れず文の最後に打ちます。必ず文の最後に「。」を打ちましょう。

次に「、」の打ち方について、最低でも次のような「、」の打ち方は止めましょう。

修飾語と修飾する名詞の間に「、」を打たない!!!

例えば次の文のような「、」の打ち方をしてはいけません。

では、どこがダメなのでしょうか?

名詞「チューリップ」を修飾する言葉として「綺麗な赤い」があります。「綺麗な赤い」と「チューリップ」が「、」で分断され、意味が離れてしまい伝わりにくい文になってしまいます。

正しくは「綺麗な赤いチューリップの花が咲いた。」ですね。

では前回紹介した例文から修飾語と名詞の関係を見てみましょう。

上記から「山下が骨折をした山下の母をおぶり、階段を上がった。」を使って、「、」の打ち方について説明します。

これでは山下が骨折をしたように読めてしまいますね。よく読んでも誰が骨折しているのかがわかりづらいです。「、」を修飾語と名詞の間に打ったため、文の意味が変わってしまっているからです。


では次に、アウトラインの作成方法にも例として出したフランスの作家ビクトル・ユゴーの作品『レ・ミゼラブル』を題材にした例文を使います。まずは下記の例文を読んで、どこがおかしいかを考えてみてください。おかしいのはごくごく1部です。

どこかすぐにわかりましたでしょうか? 

正解は下記の赤字部分の文章です。


誤った分と正しい文を比較するとよくわかると思います。「食器」を修飾する「銀の」が「、」で分断されています。文脈を読めば「銀」が「食器」を修飾していることはわかりますが、非常に違和感を感じませんか?

違和感の理由は直接「食器」を修飾している「銀の」と。修飾されている「食器」の間を「、」で分断してしまったためです。

では、ここで正しく「、」を打ってみましょう。

正しく「、」を打った方が読みやすくないでしょうか? 

上記のように「、」を修飾語と名詞の間に打つと文の意味が変わってしまいます。文の意味が変わると文章全体が伝わりにくくなってしまいます。「、」の打ち方については他にもルールがありますが、ここでは打ってはならない「、」の打ち方のみ注意してください。修飾語と名詞の間に「、」を入れないだけでも、文章の伝わりやすさは格段に向上します! 

「、」の打ち方は奥が深く、ここで「、」の打ち方について語ると、レポートの書き方へ戻れなくなってしまうためここまでにします。もっと「、」の打ち方を知りたい方は本多勝一氏が著した『日本語の作文技術』(朝日文庫 1982)を参照ください。


本日はここまで、次回はレポートの文章を書く際の注意点についてお伝えします。

次回の更新は9月1日です。

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